お知らせ

今日はブログを休みますが、先日頭痛の原因がマスクだとするまとめ記事を紹介したところ、非常に面白いコメントをいただきました。以下、引用します。

いつも楽しく拝見させていただいています。大元の発信者のツイートを見ると「(ここに記載されていない会話もあるが)概ねこんな感じで会話があり、その通りにしたら頭痛が治った。この対応で全ての頭痛が治るわけではないが私は良くなった」という全体としての流れ、があるわけですが、この一部だけ見てあ~だこ~だ言う自称<活躍してる薬剤師>がいっぱいいてびっくりです。

drugstore.hatenablog.com

コメントをくださったイーニドさん、ありがとうございます。

批判する薬剤師も、そんな薬剤師を疑問に思うイーニドさんの意見も、両方わかるんですね。

べつにこの件で同業の薬剤師を批判するつもりはないのですが、一つの意見を先鋭化して表現してくことは、一瞬の脳内麻薬であり、興奮と快感をおぼえるのですが、これがずーっと続くとタコツボ化になり、世間とズレていくんだろうなあと感じたりします。人生色々ですから、それが悪いとはいいません。芸術家になりたいならいいと思います。それをカッコイイという見方もあると思いますし。

長時間労働が当たり前なドラッグストアの「生産性」

f:id:kuriedits:20170210170822p:plain

ドラッグストアは生産性が低いなと思っていた

ascii.jp日本の会社は、海外と比較すると著しく生産性が低い――。そんな労働経済白書が発表され、国内の労働環境を問う報道を、最近よく目にする。

みなさん(消費者)は、ドラッグストアで働く人を、どんなふうに見ているだろうか。ぼくは「ドラッグストアって、生産性の低い労働環境だな」と思っていた。

薬剤師の転職サイトを見ると、よく「ドラッグストア=長時間労働」とあるのだけど、これは正しい。正社員であれば1日12時間、13時間平気で働く。その間、ほとんど立ちっぱなし。「今日は体調がすぐれない。早く帰ろう」「仕事が早く終わった。早く帰ろう」というのは許されない。

 

早く仕事を終わらせる?頑張るだけムダな労働環境

理由は簡単。仮に営業時間が朝9時~夜21時なら、その間はお客が来ようが来まいが、店頭に居なくてはいけない。頑張って商品の入荷や、商品棚の整理を早く終わらしても、営業時間を過ぎないと帰宅できない。オーマイガッ!

こんな労働環境は調剤薬局も同じで、世間から見たら受け入れるべき当たり前のことなのかもしれない。でも、デスクワークの仕事から小売業の現場に転じたぼくにとって、当初、これは受け入れがたい苦痛だった。

ぼくは結構、自分が仕事好きな人間だと思っている。でも、みんながみんなそうじゃない。早く仕事を終わらせても、早く帰れない?新たな仕事を振られるだけで、インセンティブは皆無??頑張るだけ無駄じゃん。こんな労働環境で、労働生産性が上がるわけがなかろうもん。

 

残業減らそうとしたら反発され・・・

当時のぼくの職場では長時間残業の解消が課題だった。そこで責任者として、「早く仕事をしたら、早く帰す」という方針でマネジメントを試みたが、そもそもが生ぬるい仕事量ではなかったので、無理矢理一人を帰そうとすると、他の社員の負担が大きくなり、部下からは不評を買ってしまった。かといって、全員が全員、フルパワーで働いているわけではなく、「そこそこ働いて、時間になったら帰る」という雰囲気が漂っていた。世間で時々言われるような「日本の会社の生産性が低いのは長時間残業のせい」という状態だった。

やっぱり、ドラッグストアは生産性が低いのか?

 

生産性とは何か?

いやいや、そんなことはない。

そもそも、「生産性」とはなにかを考えなくてはいけない。

コンサルタント会社「マッキンゼー」の採用マネジャーだった伊賀泰代さんが、「生産性」という本を最近出した。伊賀さんは、わかりやすい説明と、新鮮で論理的な物の見方が特徴の書き手だ。4年前に出版した「採用基準」という本はベストセラーになっている。

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

 

本書で書かれている、生産性の定義がすばらしい。「生産性とは何か」と問われ、これほど明確に定義できる人は少ないと思う。以下、引用する。

そもそも「成長する」とは「生産性が上がる」ということに他なりません。より具体的にいえば、成長する=生産性が上がるとは、

  1. 今まで何時間かかってもできなかったことが、できるようになった
  2. 今まで何時間もかかっていたことが、一時間でできるようになった
  3. 今まで一時間かかって達成していた成果よりはるかに高い成果を、同じ一時間で達成できるようになった
  4. 2や3で手に入った時間が、別の「今までは何時間かけてもできなかったこと」のために使われ、4に戻る

というサイクルが繰り返されることです。

 

生産性が高い人は、作業を言語化し移植できる

当たり前のことじゃん、と思うなかれ。これは、時代に合致した「生産性」の説明として過不足がない。

勤勉あるいは自分への投資だと称し、帰宅後にプライベートな時間で仕事関係の作業や勉強をする人がいる。世間ではそういう人を、向上心が高い人と讃える。けど、伊賀さんは、

「これは、家に帰ったら家事も育児もまったく手伝わない、昭和型の男性社員にしか許されない成長方法」

とバッサリ切る。無趣味な仕事人間のための成長方法であり、これ以外の成長方法がないと、育児や介護が必要になった時点でその人の成長は止まるか、「育児休暇は取れない」と主張する男性がいつまでも減らないという。たしかにそうかもしれない。

じゃあ、生産性が高く、仕事がデキる人というのは、どういう人物なのか。伊賀さんは、

「少ないインプットで高い成果の出せる生産性の高い仕事のやり方を考案し、その仕事が他の人にも可能になるよう言語化し、移植できる人です。そして自分自身は、どんどん違う仕事にチャレンジしていく人のことです」

と書いている。

 

新しいことに挑戦しないと、生産性は高まらない

話をドラッグストアに戻す。ドラッグストアにおける、生産性を高めるというのはどういうことか。「早く仕事を終わらせて残業を減らす」ことではない。それもあるかもしれないけど(人件費が下がる)、重要なのは先述の伊賀さんが書いた「4」の部分だ。つまり、仕事の処理スピードを上げて、代わりに新しい挑戦すること。そして、挑戦をお客の利益に結び付け、店を繁盛させること。

新しい挑戦は、薬剤師としての職能を発揮してお客に還元することだったり、お客が快適に買い物ができる売り場作りだったり、色々ある。この「新しい挑戦」をすっ飛ばして、残業時間だけ削っても、サービスの質は向上しない。そもそも、顧客へのサービスの質を落とすやり方は、社内で合意が得にくい。それで売上が減れば「やっぱり、長時間勤務をしないとお客様の要望には応えられない」と、経営者はいいだしかねない。

 

「こういう残業は全然苦にならない」

重要なのは、「新しい挑戦」で生産性を上げることだ。そのための残業なら、厭わないという人も世の中にはいる。売り場の改装で、長時間残業が連日続いた時期、普段残業を嫌がる年配スタッフに、ねぎらいの言葉をかけると、意外な言葉が返ってきたことがある。

「こういう残業は全然苦にならないね。売り場を良くして、お客さんがそれを見て買っていってくれるのを見るのは楽しいじゃないですか」

へーえ!そんなもんかとビックリしたが、いま振り返れば、これこそ生産性を高める取り組みだと思ったりもする。

どういう組織を作りたいかは、どういう社会を作りたいかと同義だと思いながらぼくは仕事をしている。

みなさんの職場の生産性は、どうなってますか?

お知らせ

今日はブログを休みますが、明日は「生産性」という本について書きます。ドラッグストアにとって、生産性とはなんでしょうね?

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの