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中国人とドラッグストア。日本のママさんたちを怒らせた「メリーズ買占め騒動」のその後・・・

ドラッグストア情報 メディア

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ドラッグストアが中国人を嫌がる理由

先日、バイト先のドラッグストアで、「メリーズ買占め」の現場を目撃してしまった。数人の男性客が、正社員の店員につめよって、紙おむつの「メリーズ」を要求していた。

おお、これはひところ流行した「メリーズ買占め」ではないか!

忘れている人のために一応説明しておくと、「メリーズ買占め」とは数年前から日本のドラッグストアなどで、紙おむつの「メリーズ」が品薄になり始めた現象のことを指す。中国人が自国で人気のメリーズを日本で買い込んで、中国で転売してひと儲けしようともくろんだ。その結果、日本各地の店の棚からメリーズがみるみる消えることに。赤ちゃんを抱える日本のママさんたちが腹立たしい思いをすることになった。


「メリーズが、ない」 中国へ転売される紙おむつ:朝日新聞デジタル

 

この「メリーズ騒動」から1年以上経つ。赤ちゃんがいない家庭はすっかり忘れているとおもうけれど、実はまだドラッグストアでは中国人によるメリーズの買占めが続いている。

うちのドラッグストアにメリーズを買いに来たのは、中国人の男性数人だった。店頭在庫がないとわかると取り寄せ注文し、今後も定期的に注文すると言ったそうだ。まずまちがいなく転売が目的だろう。こうしてメリーズは日本からどんどん消えていくわけだ。

でもまあ、商品がたくさん売れて、よかったじゃん。

そう思われるだろうか。残念ながら、店にとってはまったく嬉しくない

メリーズは集客の”呼び水”だ。複数の大手ドラッグストアでバイトした僕が知る範囲では、いずれの店舗でも、メリーズの販売価格は仕入れ価格を下回っていることがあった。紙おむつを利益度外視の価格まで下げることで、ママさんたちに店に来てもらい、ついでに買い物してもらう戦略なのだ。だから、中国人が大量に購入したところで、お店は儲からない。下手をすると、肝心のママさん客の足は遠のくことになりかねない。なんてこった!

 

 中国人客のおかげで売上が2倍以上に

ただし、なんてこった!などと落胆するのは僕くらいなもので、現場の社員たちはいたって冷静だったりする。

「中国人、許すまじ!」

などと荒ぶる輩は一人もいない。ドラッグストアは中国人客に迷惑しているかといえば、そうともいえないのだ。招かざる客ではなく、むしろ、大切なお客様だったりする。中国人観光客や、日本に在住する中国人が、母国へのお土産に医薬品や化粧品を大量に購入する。たとえば、次のような記事がある。

 


大陸のものは信じられない…中国人が日本の風邪薬を大量買い占め - Infoseek ニュース

 


日本観光、この「神薬」は買うべし!中国人の心をつかんだ日...:レコードチャイナ

 

僕もドラッグストアで何度か中国人旅行客と見られる団体から、商品を聞かれたことがある。先日も、日本の学校に通う若い中国人女性が来店して、「日本の目薬は効果が優れていると聞いた。故郷の父に土産を買って行きたい」といって複数の医薬品を買っていった。

去年、以前から知り合いの某ドラッグストア勤務者に聞いた話によると、その人が勤務するグループのある店舗は、観光地のためお客の大半が中国人であり、高額な健康食品などを何十万円という単位で売られていくという。月間の売上は、多い時で他店の2~3倍に上ったというから、その金額たるや尋常ではない。

中国人のお客はドラッグストアの”上客”なのだ。大手百貨店やファストファッションの店、家電量販店も、事情は同じだと思う。日本全体でみれば、中国人のお金で利益を得ている企業は多いんじゃないだろうか。

 

 日本人も結構やってるんじゃない?転売

ついでに「メリーズ買占め」を改めて考えてみたのだけど、中国人による転売ってそんなに許せないことなんだろうか?

もちろん、良いことではないし、実害をこうむったママさんたちは怒って当然だと思う。ちょっとした社会問題になったせいか、去年はついに転売活動していた中国人が逮捕された。ただこれは、調理師として働く条件で在留していたのに、紙おむつを買い付ける仕事をしていたので出入国管理法違反に該当したためであって、転売が直接の理由で逮捕されたわけではない(※1)。

転売という行為自体は、わりとありふれている。以前、最新のiPhoneを転売目的で買いこんで儲けようとする日本人を取材していたテレビ番組があったし、ついこの間だって、「東京駅開業100周年記念Suica」が、発売したその日のうちに転売の声がかかった(※2)。日本人だって結構やってるんじゃないの、転売。

メリーズ買占め騒動は、「中国人」という要因が反日感情を煽って、やたら事が大きくなった感がある。反中感情は、消費者と企業側の間に、いくぶん温度差があるように思う。

 

 

※1 【メガプレミアム】消えた「メリーズ」…中国人買い占め、転売で〝ボロもうけ〟 ついに捜査のメス(1/4ページ) - 産経WEST

※2 東京駅、記念日に怒号 Suica販売中止、もう転売も:朝日新聞デジタル