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防腐剤が入ってなくて、ソフトコンタクトでも使える目薬

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防腐剤の入っていない目薬がわからずパニック

添加物を気にしない人は、考えたこともないだろうけれど、防腐剤を使わない目薬を求めるお客は珍しくない。

防腐剤は、目薬の溶液内の雑菌繁殖を防ぐための添加物だ。市販の目薬には大抵、防腐剤が添加されているのだけど、これがドライアイの目の角膜を傷つける可能性があるといわれている。

バイト先で初めてお客に目薬の防腐剤について質問された時、それまで防腐剤を気にかけたことがなかった僕は、驚きあわてて棚の目薬を探して、ずいぶん恥ずかしい思いをした。

客「防腐剤が入っていない目薬がほしいんですけど」

僕「えー、少々おまちください(どれだどれだ?)」

客「防腐剤が入っていないものは、『防腐剤が入っていません』って箱に書いてありますよね?」

僕「えー、はい、そうですね、たぶんそうだと思います」

もう、アセアセしながら、箱を確認していった。「防腐剤を使用していません」と書かれていても、添加物の欄に「ホウ酸」と書かれていると、心の中で、

「え?ホウ酸は防腐剤じゃないの?殺菌作用があってゴキブリとか殺すじゃん!」

とかパニックになって泣きそうだった。

後日、ネットで検索すると、目薬の防腐剤について書かかれたサイトがいくつもあり、科学論文検索サイトCiNiiでも検索すると数十件表示されて、僕が思っていたよりも、防腐剤は世間の関心事だった。ドライアイにおいて防腐剤が目に悪影響を与えたという報告があるのは事実らしい(※1)。

ドラッグストア勤務がある程度長い薬剤師・登録販売者には常識なのかもしれないけど、無知な僕はわからなかった。お客さん、頼りなくてすみませんでした。

 

 結構ある「防腐剤なし」の目薬

防腐剤が目に与える影響度合について、僕は詳しくないのでここでは触れない。ただ、なるべく目に害のないものを使いたいというお客の気持ちはわかるから、参考までに、ロート製薬の商品から、防腐剤の入っていないものをいくつか以下に記す。

 

防腐剤が入っていない目薬の一例(各用途は、僕が成分から大まかに区分した)

 

ロートビタ 40α

疲れ目向き。ソフトコンタクト併用可能

ロートソフトワン点眼液

乾き目向き。ソフトコンタクト併用可能

ロートCキューブ プラスビタフレッシュ

かゆみ、しょぼしょぼ向き(花粉症用ではない)。ソフトコンタクト併用可能

ロート新緑水

かゆみ、炎症向き(花粉症用ではない)。ソフトコンタクト併用不可能

ロートアイストレッチ コンタクト

疲れ目向き。ソフトコンタクト併用可能

ロート ジュニアール

子供の疲れ目・かゆみ向き。ソフトコンタクト併用不可能

ロート こどもソフト

子供の疲れ目・かゆみ向き(刺激が少なく生後4か月から使用OK)。ソフトコンタクト併用不可能

 

防腐剤なしの目薬と一口にいっても、症状ごとに適性があることがわかる。ロート製薬に限らず防腐剤のない目薬は他にもあるから(※2)、店員に相談したほうが、自分に合った目薬を選べる。何度も繰り返すけど、現場の薬剤師・登録販売者は、このブログに書く3倍の情報量はもっている。

 

添加物が薬効を助けることもある

ところで、そもそも論になるのだけど、「防腐剤」って何を指すのだろうか?

ネットで目薬の防腐剤についてググってみると、ホウ酸を防腐剤であると書いているページがいくつかある。

あれ?と思うだろう。だって、実際の目薬には、添加物にホウ酸と記載れていても、「防腐剤は入っていません」と記載されているのだ。つまり、ホウ酸は防腐剤ではないということ。ネット上の文章は、広い意味でホウ酸も防腐剤であるといいたいのだろうか?たしかに木材ではホウ酸を保存剤(防腐剤)として使うようだし、体によいものではなさそうではあるが・・・。

じゃあ、何の成分が本当に「防腐剤」なのか。

大手製薬メーカーで構成されている「眼科用剤協会」のウェブサイトに、眼科薬の添加物の種類と役割をまとめた一覧表がある。「医療用点眼剤」とあるから、市販の目薬とは異なるのだけど、添加物の区分はそのまま当てはめてよいと思う。

 


医療用点眼剤の製剤設計・製造|眼科用剤協会

 

一覧表によると、いわゆる「防腐剤」とは、主に次の5つ。

  • ベンザルコニウム塩化物
  • パラオキシ安息香酸メチル
  • パラオキシ安息香酸プロピル
  • クロロブタノール
  • ソルビン酸      

上表に記載されてないけれど、僕が見た限りでは「塩酸ポリヘキサニド」が含まれる目薬も、防腐剤フリーとは書かれないので、これも防腐剤の一種かもしれない。

ホウ酸は「緩衝剤」といって、薬物を安定化させるものだった。

粘稠化剤は、目に薬を長く留まらせて、薬効を持続させるためのものだ。実際、粘稠化剤のヒドロキシエチルセルロース(HEC)を使い、目の潤いを長くキープさせる下記のような目薬もある。


ロートドライエイド | ドライアイ(目の乾き)対策シリーズ - ロート製薬株式会社

 

こう考えると、添加物がすべて悪いわけでもないことがわかる。

 

だらしない人は防腐剤入りがいい

添加物をどこまで気にするかは、個人の自由だ。防腐剤の危険度が気になる人は、防腐剤なしの目薬を選べばいいと思う。ただ、ひとつ注意したいのは、防腐剤が入っていない目薬は、雑菌が繁殖しやすいということ。たとえば、ロートソフトワン点眼液は、開封後は10日以内に使い切ることと製品に明記されている(※3)。雑菌が繁殖した目薬を使いながら、「防腐剤って怖いから使わない」なんて言うのは、かなりカッコ悪いからやめたほうがいい。

ふだんモノの管理がだらしない人、賞味期限切れの食べ物をついつい食べちゃうような人は、防腐剤入りの目薬をちゃんと買った方がいいと僕は思う。

ものぐさな僕は、とりあえず防腐剤入りを買います。

あと、話は超飛ぶけど、連日フルボッコされているマクドナルドも、食べ物に防腐剤を使っていないらしい。防腐剤の有無よりも、もっと気をつけなくてはいけないことがあったという一例だなと思った。


保存料・防腐剤を使っていますか? | 見える、マクドナルド品質 | McDonald's Japan

 

 

 

※1 原著ではないが、例えば「CiNii 論文 -  ドライアイの診断と治療の進歩」に「防腐剤の障害が認識され」とある。防腐剤と障害の詳細を調べるのは、お金と時間がかかるので、今回は割愛する。

※2 ロートジー コンタクトaは、メーカーサイトに防腐剤なしと書いていないが、ロート製品一覧表(2013)には、同じ添加物で、防腐剤なしと記載されている。

※3 ロートソフトワン点眼液 | ロート製薬: 商品情報サイト

 

 

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