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激安ビタミンCの謎。その3つのタイプと選び方

ビタミン剤・ドリンク剤

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安いビタミンC。広告費が原因ってほんとかな?

下記のエントリに続き、ビタミンCについて書く。 

女性にちょっと嬉しいビタミンCの選び方 - ドラッグストアとジャーナリズム

 

こんな経験はないだろうか。ビタミンCを買いに、ドラッグストアで行く。売り場コーナーを見ると、一番有名な武田薬品工業の「ビタミンC『タケダ』」がまず目に入る。ところが、その隣にはすごーく安いビタミンCが置いてある。

「どっちがいいのかな?」と迷う。すると、店員が寄ってきて、

「こっち(安いビタミンC)はブランドじゃないから、広告費もかかってないので、安いんですよ~。成分はまったく同じですよ~」

と、安いビタミンCを勧めてくる。じゃあ、最初から置くなよ・・・と思いつつも、価格差に納得して安い方を購入する。

 

激安ビタミンCの3つのタイプ

ほとんどのドラッグストアには、武田薬品のビタミンCの横に、それよりもずっと安いビタミンCが置いてある。うちのドラッグストアでは、ほとんど同じ錠数なのに、1000円近く値段が違う。

この激安ビタミンの「広告費原因説」を、僕は学生時代から何となく信じてきたのだけど、最近ドラッグストアで働きだして、ちょっと考えが変わった。というのも、「広告費が・・・」と言うけれど、そもそもビタミンCの広告ってみたことない。それに、広告費だけで1000円以上の価格差が出るとは思えない。巨大企業・武田のほうがスケールメリットを出せるのだから、むしろ製造コストは安くなるはずじゃないのか。

100均ショップの商品だって、実際に使ってみると「ああ、やっぱり100円だな」と品質の違いに気づくことがよくある。激安ビタミンCにも、合理的な理由があるのでは?

いくつかのドラッグストアを回って激安ビタミンC製品を見て、次の3つのタイプに分けてみた。

 

①ビタミンBの量に差がある「ちょっと低用量」タイプ

ビタミンCは全く同じだけど、同時に含まれるビタミンBの量がちょっと少ない。

②中国製造と明記している「中国産」タイプ

パッケージに中国で製造していると明記されている。

③理由がわからない「謎」タイプ

ビタミンB量も同じ、中国製造とも書いていない。でもなぜか安い。

 

①は、ビタミンBの量がちょっと違う。武田薬品のビタミンC剤には、一日量換算でビタミンC2000mgと、皮膚・粘膜の健康維持を助けるビタミンB2が6mg入っている。ところが、この激安ビタミンC商品は、含まれるビタミンB2が4mgとちょっとだけ少ない。

②は中国で製造している。ビタミンCの錠剤を作る過程は2段階ある。1段階目が、ビタミンCの本体であるアスコルビン酸をつくること。2段階目が、このアスコルビン酸に、固めたりカサを増やす添加物を加えて、飲みやすい錠剤にすること。「中国製造」というのは、1と2の段階の両方を中国で行っていることを指す。これはにコストダウンにつながっている気がする。

③は、含まれる成分が武田薬品の商品と全く同じで、中国製造とも書かれていない。しかしなぜか安い。なぜ?そこで、各製品の添加物を比べてみた。すると、その激安ビタミンCには、他にはない違いに気づいた。添加物の欄に「トウモロコシデンプン」が記載されていないのだ。

ほとんどのビタミンCには、トウモロコシデンプンが添加物として入っている。僕は製剤に詳しくないので推測になるけど、ビタミンCはトウモロコシデンプンから作られるから、添加物に入っていてもおかしくないし、むしろ自然なことだ。激安ビタミンCがトウモロコシデンプンを添加物に含んでいないということは、これが特殊なものから作っているからじゃないだろうか?

早速メーカーに問い合わせてみた。

 

原料はヨソから買い付けている

結果、僕の予想は外れていた。メーカーの説明によると、このビタミンCもトウモロコシや糖アルコールから作っているとのことだった。僕は化学に疎いので、これ以上はなんともいえない。

このメーカーでは原料となるアスコルビン酸は、他社から仕入れていた(※)。アスコルビン酸のような簡単につくれるものを自社で作っていないことは意外だった。でも、武田薬品にも確認したら、

「当社も昔は自社で作っておりましたが、現在はちがいます」

との回答だった。

さらに、製薬メーカー勤務の関係者に話を聞いたら、

アスコルビン酸を大量製造している企業は世界でも少ない。いまは、各社だいたいそこから買い付けているらしい」

といい、アスコルビン酸を国内製造していないことは、僕が無知なだけだった。

ちなみに、サプリメントメーカー出身者による「サプリメントの正体」という本では、ビタミンCサプリの95%は中国産と書かれている(下記、ネット上にあったもの)。

 


サプリメントの正体 - 田村忠司 - Google ブックス

 

アスコルビン酸だからどれも同じ」って説明、もう聞き飽きた

僕が見た限り、市販のビタミンCの値段は、「成分」「製造工場」「原材料の買い付け価格」が総合的に組み合わさって決まる気がする。もっと細かいところでいえば、使用している添加物の種類が価格差を生んでいるだろう。

結局、はっきりとしたことはわからなかった。これ以上、激安ビタミンCの理由を探るには、それなりの時間と労力が必要になるから、今回は止めておく。

ビタミンC剤のアスコルビン酸は、基本的に中国で作られていると僕は推測する。そうなると、やはり品質が気になる。一般論として、品質管理は大手のほうが優れいている。毎日飲み続ける人なら、武田薬品の製品を検討するといい。毎日飲んでも、品質や添加物を気にしない人なら、激安ビタミンCでよい。時々しか飲まない人も、激安ビタミンCでよい。これが現時点の僕の結論だ。

「ビタミンC剤の中身はどれもアスコルビン酸だから、安くても高くても同じ」と未だに言う人がいる(特に化学、薬学関係者に多い気がする)。これって、薬学生でも言えるような、毒にも薬にもならないアドバイスだと思う。いまのお客は、もっと詳細な情報を求めている。専門家なら、添加物や製造方法、製造ラインの品質管理を含め、もっと具体的に語るべきじゃないのかな?

生煮えの情報とはいえ、僕が知る範囲内で、できるだけ希望するお客には情報提供していきたいと思う。先日もある女性客が店頭で、

「ビタミンCの添加物の違いってどうなの?」

と聞いてきた。学者さんたちは知らないのかもしれないけれど、ドラッグストアでは、こういう質問が決して珍しくないのだ。

 

※ちなみに日局アスコルビン酸との説明だった。確認はしていながい、「医薬品」に区分されているビタミンCは、すべて日局(日本薬局方)ではないかという気がする。すると、サプリメントはどうなるのだろうか、という疑問もあるが、頭が痛くなるので考えるのをやめた。