やっかいな外国人のお客に「くそ、死ね」という前にできること

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ドラッグストアにも外国人が来る!

夜間救急で来たブラジル人に、医師が「くそ、死ね」といったことをテレビのニュースが報じていたけど、僕もバイト先では外国の人の接客をしているので、他人事ではない。どきどき。


「くそ、死ね」搬送女児のブラジル人父に医師が暴言 ユーチューブ投稿動画にはキレた姿も 静岡(1/2ページ) - 産経ニュース

大して英語できないんだけど、外国人のお客が来ると、だいたい僕が応対している。中国人、台湾人、アメリカ人、インド人とさまざまな国籍のお客と話した経験からいうと、コミュニケーションがうまくできないことは、かなりストレスになる。思わず暴言を吐いてしまいそうになるほど。

ただ、僕の場合、実際に暴言を吐いたことがあるのは店員ではなく、お客の方だ。

 

めっちゃ怒って怒鳴ったアメリカ人

あるとき、アメリカ人の男性が来店した。男性は洗剤コーナーでなにかがほしいと英語で店員に質問していたのだけど、その店員は英語がわからないので、僕が代わりに応対することになった。といっても、僕だって英語が得意なわけじゃない。彼の説明を聞いても、いまいち彼が探しているものが理解できない。洗剤コーナーにいるから洗剤類なのかと思って聞いてたけど、そうでもなさそう。

あれこれ質問した末に、推測で男性用洗顔コーナーに案内したら、どうやら違った。そしてこれが、彼の堪忍袋の緒を切ってしまったらしく、突然、

「俺は時間がないんだー!!××××××!!!!(何言ったかわからない)」

と大声の英語で怒鳴り、顔を真っ赤にして店を飛び出していった。

そのあまりの激昂ぶりに、残された僕たち店員は茫然とするほかなかった。

ぽかーん。

 

 コミュニケーション方法が悪かった

このアメリカ人は終始英語でしゃべり、そして話が通じず、しまいに一人で怒って帰ってしまった。おいおい。

郷に入れば郷に従え、日本語でしゃべれよ。と心で思って、めちゃくちゃ腹立たしかった。

けど、それはそれとして、彼は何がほしかったのだろうと気になった。ずっと考えていたら、帰宅途中、ひとつの薬がひらめいた。

思わず「あっ!」と小さな声が出た。彼がその薬を探していたと考えると、彼の説明はすべて合点がいった。間違いない。ああ、どうして、その場で僕は思いつかなかったのだろう?

思えば僕の英語も不適切だったと反省した。日本人のお客なら、「申し訳ございませんが、当店で思いつく品は思い当たりません」 と適切な言葉を選べるけれど、僕は接客用英語に疎かったから、あまり丁寧な英語で話してはいなかったと思う(Would you~くらいは使ったけど)。そんな僕の英語表現も彼の感情をいくぶん害したにちがいない。

「I'm sorry, but I don't understand what you say(申し訳ありませんが、おっしゃっていることがわかりません)」 くらい言えばよかったのだけど、そういう配慮もしなかった。

丁寧に対応すれば、あれほどお客が怒ることはなかったかもと思った。

 

日本人は無礼な人たち?

ずいぶん謙虚に聞こえるかもしれないけど、こうした外国の人との齟齬は、ここ何年も僕が悩んできたことなのだ。

たとえば、以前、英会話教室に通っていた時、ネイティブ講師からの質問に、「いいえ」と答える時に反射的に「No」と言ってしまい、相手が「おっと、この話はふれちゃいけなかったのかな」と驚く、というような事が何度かあった。「No」は拒絶のニュアンスが含んでいるから、相手にはつっけんどんに聞こえてしまったのだ。こんなふうに、僕の何気ない言葉遣いが、微妙にコミュニケーションに悪影響を与えることが何度もあって、とても苦い思いをした。

この気持ち、英語の勉強をしているなら、たぶんわかってくれるんじゃないかな?

あるアメリカの大学の日本人スタッフが、

「ちょっとした英語の表現を知らないせいで、誤解をされて困っている日本人がたくさんいるんです」

と話していた。アメリカ人のなかには「日本人は礼儀正しいと聞いていたが、話してみると無礼な人たちが多い」という感じている人がいるらしい。実際は無礼なのではなく、日本人が丁寧な英語表現を使えないために、誤解が生じているのだが。

人間性ではなく、コミュニケーションスキルの不足で、相手に不快な思いをさせてしまうのだ。

 

そして、再びアメリカ人が・・・

来店したアメリカ人の話に戻す。

激昂事件から2か月後。彼を店内で見かけた。

汚名返上のチャンスではないか!ちょっと気まずかったけど、僕は声をかけた。

「私はあなたにあやまらなくてはいけません。以前あなたが探していたのは、この薬ですね。英語が拙くて、あなたのおっしゃることが理解できず、申し訳ございませんでした」

と(英語で)言った。そして、例の薬を差し出した。

すると彼はすごくよろこんで、べらべらべら~と早口で話した(僕は半分くらいしかわからなかった)。「他の店員が英語が全然通じないから、いらだっちゃったんだよ」みたいなことを言っていた。その考えもどうかと思ったけど、とりあえず僕らは関係を修復させることができた。それから、欲しいものがあるから案内してくれといわれて、彼の買い物に付き合った。僕らはすっかりなじみになり、先日も、久しぶりに店内で見かけたので、「Long time no see(お久しぶりです)」と声をかけたら「最近見なかったけど、どうしてたの?」と気にかけていてくれた。

 

丁寧な言葉って大切だね

言葉というのは本当に難しいけど、ちょっと丁寧な言葉を心掛けるだけで、心の距離はすごく縮まるし、相手への信頼は高まる。

異国の人と話すたびに、言語は心と心の距離を縮める上で重要な役割を果たすことを何度も感じる。

そして、言葉がうまく通じない時こそ、なるべく丁寧に、相手を敬った言葉選びを心がけないといけないとも感じている。

そう思いません?

ブラジル人と病院のトラブルは、ここに原因があると感じる。