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第一三共ヘルスケアのピンクシリーズは永久に封印してほしい

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第一三共胃腸薬の「青の箱」と「ピンクの箱」

逆ギレと批判されようと、いわせてほしい。第一三共ヘルスケアよ、貴殿のピンクの箱シリーズは、永遠に封印してください。

今年のことだ。ドラッグストアでお客さんが胃薬コーナーの前で悩んでいた。声をかけると、2種類の「第一三共胃腸薬」を指さして、

「この『青い箱』と『ピンクの箱』は、なにがちがうの?」

と聞かれた。

第一三共胃腸薬には、『青い箱』と、女性のイラストが入った『ピンクの箱』がある。僕は箱を手に取って、成分表を見比べてたのだけど、どちらも含まれている成分は同じだった。

あれ?おかしいな?

あわてて箱全体を見直す。青い箱のオモテ面には「胃もたれ」「胃の不快感」、ピンクの箱のオモテ面には「胃もたれ」「胃痛」「便秘」と書かれていて、一見すると2つは全くちがう商品に見える。

僕が経験不足のために、なにかを見落としているのだろうか?

自信を失った僕はお客の質問に、

「成分上は、どちらも同じなのですが・・・」

と答えにつまってしまった。ううう。なさけない。

 

青もピンクも、薬効成分はまったく同じ

お客が去った後で、メーカーのサイトを見たら、青もピンクも中身は同じです、とあった。ピンクは女性が手に取りやすいためのデザインだとか。

唯一の違いは青い箱は12包入り、ピンクの箱は14包入りであることだけ。

・・・そうですか。

これって、意味あるんですかね?

たんに商品を売るためのメーカーの都合じゃないですかね?

だって、僕が接客したお客は、青箱とピンク箱の区別がつかなくて迷っていましたよ。大抵のお客にとって大切なのは、「手に取りやすさ」よりも「薬の効果」だと思いますよ。

この記事を書くにあたって、もう一度製造元の第一三共ヘルスケのサイトを見たら、ピンクの箱は「製造終了」になっていた。

 

ガスター10」でも ピンク版があった

第一三共ヘルスケアの他の製品を調べると、同社は以前からピンクのパッケージを他の薬でも出していた。

胃薬「ガスター10」は、2011年に女性向けのピンクの箱を発売していた。当時のリリース資料によると、第一三共胃腸薬と同じように、女性がより手に取りやすくするのが目的だった。しかし、現在の同社のウェブサイトには姿がないので、もう発売されていないようだ。


「ガスター10」新包装品追加発売 ニュースリリース(2011年5月)|第一三共ヘルスケア

2006年には(当時は三共株式会社)、水虫薬の「ラミシール」のピンク版を発売していた。水虫向けの薬は男性のイメージが強く、女性が手にしにくい。そこで女性が手に取りやすい白とピンクの箱を追加したという。

女性が選びやすいピンクのパッケージを新たに追加 「ラミシールAT®」新包装品の発売について - ニュースリリース - 第一三共株式会社

リリースでは、なんか一理ありそうなこと言っているけど、ぜんぜんおかしいと思う。女性が手に取りにくいって?じゃあ、いまあるデザインを、男女問わず手に取りやすいデザインに変えればよくないですか。

ちなみにこのラミシールのピンク版も、すでに姿を消しているようだ(販売元もノバルティスファーマという会社に変わっている)。

 

「姿はちがえど、中身は同じ」という事実を知っとこう

第一三共から生まれた数々のピンクの箱たちは、一体なんだったのだろう。

市販薬を販売している人々にとっては、お馴染みの手法なんだろうけれど、僕にはとても新鮮だったし、単純に驚いてしまった。医療用医薬品では考えられない手法だ。

中身が同じでパッケージを変えることは他のメーカーでもやっているのだけど、期間限定のキャンペーンであることが比較的わかりやすい。たとえば、タレントのローラがデザインしたという、解熱鎮痛薬の「イブA錠」は、ウェブサイトにも”ローラパッケージデザイン”と書いてある。


生理痛・頭痛に イブA錠 ローラデザイン限定パッケージ 第1弾・第2弾|EVE(イブ) 【エスエス製薬】

店頭にくる消費者にはイブにしても分かりにくいのだろうけれど、第一三共のピンクシリーズはそれに輪をかけてわかりにくい。

お客は、市販薬には見た目は違っても中身は同じなことがあることを知っておいてソンはないと思う。この事実を知っておくだけで、薬を選ぶ時の心構えや着目点が、少し変わるんじゃないか。

 

小手先の工夫で迷わせ、困らせる手法は封印してほしい

ひょっとしたらピンクシリーズは、一種のカンフル剤として、案外、売上に貢献したのかもしれない。だとしたら、利益を追求する企業としては、成功といっていいのだろう。

でも僕は第一三共の社員じゃなくて、消費者だから、その立場からハッキリいいたい。

もうピンクシリーズは永久にやめてください。中身が一緒なのに箱だけ変えることはやめてください。そういう小手先のマーケティングは、購買者を迷わせ、困らせ、時間を浪費させていると僕は思います。

ピンクの大魔王は、「魔封波」で電子ジャーに封印してください。

というわけで、冒頭のイラストです。

ドラゴンボールの「魔封波」、ご存知ないかたは、おググりください)。