「新ルルAゴールドDX」と「パブロンSゴールド」の違い
たくさん種類がある風邪薬。どれが効くのか?どれも一緒なんじゃないの?はっきりさせようじゃないか。前回は風邪薬の代表格「ルル」「パブロン」のうち、前回は「新ルルAゴールド」と「パブロンSゴールド」の成分表を比べた。
今回は、ルルの方を1ランクアップさせて「新ルルAゴールドDX」と、「パブロンSゴールド」を比べる(パブロンのほうは1ランク上げるとイブプロフェン含有成分になるので今回はこのままにする)。
症状別に見た有効成分(赤字が両剤の違い) ※成分量は一日量換算
新ルルAゴールドDX
頭痛い・・・ アセトアミノフェン900mg、無水カフェイン60mg
喉痛い・・・トラネキサム酸420mg
鼻つらい・・・クレマスチンフマル酸1.34mg、ベラドンナ0.3mg
咳(痰)つらい・・・ジヒドロコデイン24mg、dl-メチルエフェドリン60mg、ブロムヘキシン12mg
その他の要素・・・ビタミンB1誘導体24mg
パブロンSゴールド
頭痛い・・・アセトアミノフェン900mg、無水カフェイン75mg
喉痛い・・・リゾチーム90mg
鼻つらい・・・ マレイン酸カルビノキサミン7.5mg、リゾチーム90mg
咳(痰)つらい・・・ジヒドロコデイン24mg、dl-メチルエフェドリン60mg、ブロムヘキシン12mg、リゾチーム9mg、ノスカピン48mg
その他の要素・・・ビタミンB1誘導体24mg、 ビタミンB2 12mg
両者に含まれる成分は結構ちがう。
喉が痛みならルル、咳ならパブロンか
ここから次のように考えた。
●喉が痛いなら「新ルルAゴールドDX」(※1)
●鼻水に対する優劣は不明(※2)
●咳なら「パブロンSゴールド」
これらはあくまで成分から見たもので、実際の効果の差を保証するものじゃない。現場の薬剤師・登録販売者は、副作用に関する情報も含めてここで紹介した話の3倍の情報量は持っているはずなので自分にとって最良の薬を選ぶには相談することをお勧めしたい。
※1 慣習的に喉の痛みに使われるトラネキサム酸の方がリゾチームよりも効果が高いと判断した。
※2 ともに第一世代抗ヒスタミン薬である、カルビノキサミンとクレマスチンの効果の差を僕が知らないため。また、鼻水を抑えるベラドンナと、炎症を抑えるリゾチームの鼻症状への効果の差も知らないため。リゾチームに関しては、現在医療用医薬品が再評価中(医療用医薬品として売るだけの効果があるかを国があらためて評価すること)であり、2015年には市販薬からも姿を消すのではないかという声もある。いっぽうで、ベラドンナは医療用医薬品にない。そのため、リゾチームとベラドンナの優劣を比較することが難しい。