誤解はどうすれば解ける?堀江貴文さんの「誤解を解く力」に学べること

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医療もジャーナリズムも「それは誤解だよ」がたくさん

医者は患者にムダな治療をして金儲けをしているとか、薬剤師は薬だけ出してラクして儲けているとか、医療ジャーナリストは医療者を悪役に仕立ててメシの種にしていとか、言われた本人が「いやいあ、そりゃちがいますよ」と否定したくなるような意見が世の中にはたくさんあって、その見方が現実を正しくとらえているかどうかに関係なく、一度定着した見方を変えることは難しい。

医療分野ではないけれど、自身の世間のイメージを変えることに成功した人がいるので紹介しておきたい。

 

いまも稼ぎまくっている堀江貴文さん

ホリエモン

を覚えているだろうか。いまから10年ほど前、「ライブドア」という看板をひっさげて、一世を風靡した堀江貴文さんのことだ。プロ野球球団「大阪近鉄バッファローズ」、ラジオメディアニッポン放送」の買収に乗り出し、さらに衆院選に出馬、そして最後は証券取引法違反で逮捕されるという波乱万丈を歩んだ堀江さんは、あのころ、まさに時の人だった。

あの堀江さん、いまどうしているかというと、2013年に刑務所から出所して、10年前とは違った形で活躍している。

本業は宇宙ロケットの開発事業で、その他にスマホアプリのプロデュースをしている。堀江さんが発行するメールマガジンの会員数は、2013年時点で1万5000人らしい(※1)。いまも同じ会員数なら、メルマガだけで年間1億5000万円(月額864円)の売上になる。

書籍も多数出している。一昨年の書籍「ゼロ」は30万部超売れた。社交場「堀江貴文サロン」は月額1万800円で、スタート時から定員200名があっという間に集まり、200名を追加で募集したら1夜で埋まったという。


オンラインサロンを始めた狙いについて。 | ホリエモンドットコム

 

ネット上には、堀江貴文さんを絶賛する人々がいる。たとえばこんなかんじ。

https://twitter.com/1ts_up_2_u/status/560725502248230912 

 

おぉぉぉ・・。すごくないですか?このアツさ。さらに10万円払って一緒に寿司を食べるイベントも↓


10万円払って、堀江貴文さんとお寿司を食べるTERIYAKIイベントに参加した話 / 荒木 賢二郎 | STORYS.JP

 

拝金主義じゃないホリエモン

かくいう僕も、堀江さんのメルマガを購読している。「ゼロ」も、近著の「我が闘争」も読んだ。

堀江さんは10年前の騒動で自分についた”拝金主義”というイメージを払しょくするために、これらの本を書いている。読者は、あの10年前に世間を騒がせた”ホリエモン”とは別の、堀江貴文さんという人間を知ることができる。

著書から印象的な部分をいくつか紹介する。

隠すことでもないだろう、僕は無類の寂しがり屋だ。<中略>これまでの人生で、「一人になりたい」と思ったことがないのだ。できれば朝から晩まで誰かと一緒にいたいと思う<「ゼロ」>

「拝金主義」というイメージが後の僕には付いてまわることになるのだけれど、いろんなところで話したり書いたりしているように、僕はお金があったらいいし、なかったらなかったでなんとかなるという考え方なのだ <「我が闘争」>

いまだから明かす話だが、僕は大人になってからもずっと、女の子に対してキョドっていた<省略>ようやく女の子と普通に接することができるようになったのは、30代の中盤になってからのこと。情けない話だが、これは事実である。<「ゼロ」> 

精神的にタフで、贅沢好きで、お金儲けが好き・・・そんな世間のホリエモン像とはまるで違う。収監中と、そのあとの自分の変化についても書いている。

僕はもともと過去を顧みて悩んだり、後悔や反省をしたりするタイプではないと思っていた。そんなどうしゆもないことでウジウジする人間は馬鹿だと公言すらしていたのだ。しかしそれはかなり強く意識して自分をコントロールしていたにすぎないと気がついた。 <「我が闘争」>

メディアの取材でよく聞かれたものだ。「あなたの夢はなんですか」 以前は照れくさくて口に出せなかったけど、いまなら言える気がする。僕は、みんなとつながり、皆と笑顔を分かち合いたい。<「ゼロ」>

 「ゼロ」と「我が闘争」を読めば明らかなのだけど、堀江さんのビジネスが順風満帆だったとはとてもいえない。書籍にはこまかなビジネス上の敗北が書かれているし、世間を騒がせた野球球団買収、メディア買収、衆院選出馬のすべてにおいて、堀江さんは買収に成功もしていなければ当選もしていない。そして、収監から仮釈放までの1年9か月を刑務所で過ごした。

2つの本で堀江さんは自分の弱さやカッコ悪さを晒しているのがポイントだ。

 

誤解を解く努力をしないと、誤解は解けない

堀江さん自身は、自分という人間は収監前後で基本的には変わっていないと語っている。たとえば、最近のこんなツイートが象徴的だ。

堀江さんのツイートは、いつもこんな調子。でも、僕は堀江さんの本を読んで、前よりは口の悪さが気にならなくなった。たぶん堀江さんという人間がどういう人なのか、ちょっとわかったからだと思う。わかったぶんだけ、冷静に見れているんだろう。

一連の堀江さんの活動を、

「どーせ、自分のビジネスのためにイメージを変えたいだけでしょ」

と見る人もたぶんいるだろう。でも、誤解を解きたいと思って本を出して、たくさんの人に読んでもらうために全国の書店をまわり、さらに無料の講演会まで開いた(※2)、この「誤解を解く努力」はハンパないと思う。誤解を解こうとしないと、誤解は解けない。誤解している方が悪いと考えているうちは、誤解も解けない。そして誤解を解くには、それ相応の努力がいる。そんなことを考えさせられるのが、堀江貴文さんの本だ。

 

※1http://www.ikedahayato.com/index.php/archives/23279

※2堀江貴文が『ゼロ』に込めた想いをみなさんに直接伝えたい—全国5都市無料講演ツアー - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)