あなたは「飲み薬派」?「スプレー派」?鼻炎薬を選ぶ時に必要な2つの視点

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鼻炎薬も色々ありますよね

今年だったか、電車の中刷り広告に、水なしでさっと飲めるフィルムタイプの鼻炎薬を見かけたことがある。「コルゲンコーワ鼻炎フィルムクール」という商品。

プレスリリース→http://www.kowa.co.jp/news/2014/press141110.pdf

すごく効きそうなビジュアルの広告だったから記憶に残っている。

でも、このブログで何度も言っているけれど、大事なのは含まれる薬の成分。広告のウリ文句に惑わされないように。フィルムタイプの薬の利点は水なしで飲める利便性、そしていくらかの即効性が期待できることなのだけど、「コルゲンコーワ鼻炎フィルムクール」の成分量を見る限り、効き目の強さは他と比べて特に強いわけではないと僕は思う。そして、カプセルなどと比べて価格が高い。

購入するときはご注意を。

 

鼻炎薬を選ぶポイントは2つ

鼻炎薬も、風邪薬に劣らずたくさんの種類がある。いったい何が違うのか、たぶんほとんどの消費者はわけわかんなくなっていると思う。だから、今回は鼻炎薬を買う際の基礎知識を紹介したい。鼻炎薬を選ぶときは、次の2つに注目するとよいと個人的に思っている。

①症状:『鼻水』か『鼻づまり』か

②薬の形状:『カプセル・錠剤』か『スプレー』か

それぞれ詳しく見ていきたい。

 

鼻水に効く成分、鼻づまりに効く成分

まず①症状から。鼻水と鼻づまりでは使う薬が異なってくる。細かいことはさておき、ざっくりとした区分けとして、市販薬は次のようになっている。

鼻水を治したい→主に抗ヒスタミン成分を使う

鼻づまりを治したい→主に血管収縮成分を使う

ヒスタミン成分は、「d-クロルフェニラミンマレイン酸」「マレイン酸カルビノキサミン」などがある。抗ヒスタミン成分はオールマイティな成分で、鼻水だけでなく鼻づまりにも効くとされているのだけど、どちらかといえば鼻水向けの成分(※1)。

鼻づまりを治す血管収縮成分は「プソイドエフェドリン」(※2)などがある。鼻づまり症状は、鼻粘膜の血管が拡張して、腫れ(専門用語で浮腫といいます)を起こしている(※3)。そこでプソイドエフェドリンを使うことで、血管を縮めて浮腫を止めることで鼻づまりを抑えることができる。鼻づまりに特化した成分といえる。ちなみに、血管収縮薬による鼻炎治療は、病院ではふつう行われない(※1)のだけど、それはこの成分が血管を縮めるという少々荒い方法であるためだと思う。

ここでいいたいのは、症状によって効果が期待できる成分が変わってくるということだ。僕がしるかぎり、一般的な鼻炎薬にはすべて、鼻水に効く成分と鼻づまりに効く成分の両方が入っている。でも、それぞれの量が異なるから、店員に相談することで、より自分の症状に合った成分を含む製品を選ぶことができると思う。実際にどれほど効果の差があるかは別問題で、薬剤師によっては「まぁー、どれも大差ないですよ」という人もいると思うけど、それはそれとして、上記の予備知識を頭に入れたうえで、少しでも自分の症状にあった薬を探してみてはどうだろうか。

 

鼻スプレーは色々利点がある

鼻炎薬を選ぶ2つ目のポイントは、「カプセル・錠剤」か「スプレー」か。鼻に噴霧するスプレータイプは、飲み薬タイプと比べると色々ちがう。

まず鼻スプレーは、一般に体への副作用が少ないといわれている。鼻の粘膜だけに薬をつけるので、成分が全身にいきわたりづらいためだ(まったくいかないわけではない)。たとえば先述の「プソイドエフェドリン」という成分は、飲み薬の場合は高血圧の人、糖尿病の人、尿の出が悪い人(前立腺肥大)たちは使うことができないことになっている。これ、結構しらずに使っている人がいると思う。ところが、スプレータイプならば、薬剤師・登録販売者に相談の上、使うことができる。

また、鼻水に効くと紹介した抗ヒスタミンは、眠気の副作用があるのだけど、こちらも飲み薬よりもスプレータイプの方が眠くなりにくいとされている。

スプレーの欠点としては、血管収縮成分を含む鼻スプレーを使いすぎると、むしろ鼻づまり症状が悪化することがあること。これも知らずに使い続けている人がいる気がする。

スプレーについて、もう一点押さえておきたいのが、ステロイド成分を含む商品について(「ナザールAR」など)。ステロイド成分はアレルギー反応を抑える効果が高いので、病院では鼻水にも鼻づまりにも使われてる(※1)。ただし、いま市販されているステロイドのスプレーは「季節性アレルギー専用」という、花粉症とかにのみ使える薬なので通年の鼻炎症状には使えないことになっている。また、飲み薬にステロイドはない。

スプレータイプの鼻炎薬の代表例としては、「ナザール『スプレー』」がある↓。

薬と健康を見つめる製薬会社 佐藤製薬株式会社|商品検索

鼻炎の薬には、今回挙げたもの以外にも漢方薬「小青龍湯」など他の選択肢もある。小青龍湯は鼻づまりにも効くことにはなっているものの、鼻水向けの薬といえるだろう(※4)。

 

時間があるなら、薬剤師か登録販売者に相談してみたら?

以上、長々と鼻炎の薬を紹介した。最後にちゃぶ台をひっくり返すようだけど、いろいろ考えるのがめんどい人は、

「鼻水は飲み薬、鼻づまりはスプレー」

と、ざっくり捉えていてもいいかもしれない。スプレーはだいたい鼻づまり向けに作られているから。ただ、製品によって効果も、気をつけるべき安全面もかなり違う。時間が許すならば、店員に「症状(鼻水か鼻づまりか、その両方か)」や「持病」などを伝えてた上で、アドバイスをもらったうえで購入することをお勧めしたい。

 

 

※1 「鼻アレルギー診療ガイドライン2013

http://allergyteam.net/wp/wp-content/uploads/2014/02/b0cd4e98bc3d2e48a0b8a23254a433b9.pdf

※2 ほかにナファゾリンなど。

※3 「OTC医薬品販売のエッセンス」より。

※4 小青龍湯は鼻づまりにも効く(適応がある)が、「漢方診療ハンドブック 増補改訂版」や「フローチャート漢方治療薬2」をはじめ、専門書では「うすい鼻水、くしゃみ」に使う薬として紹介されるのが一般的である。