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ドラッグストアで鬱の薬があるのを見かけた。どの程度の症状に効くの?【質問シリーズ】

睡眠や精神系

先週告知した、「ドラッグストアに関する質問を勝手に集めます」企画で集めた質問と、その回答を、今日から紹介していきます。

ご協力くださった方々、ありがとうございます。

最初に質問してくださったのは、このブログの読者にもなっていただいている「りうら」さん。「分かちあいたいブログ」というはてブロを運営されています。

プロフィールによると、ヘルパー2級資格を持ち、訪問介護施設に勤務されているそうです。介護の現場で感じたことを綴るりうらさんのブログの内容は、ぼくにとって新鮮で勉強になります。

 

 

回答の注意事項

以下に示す回答は、あくまでぼく個人の考えです。あまり重く受け止めず、こんな考え方があるのね、くらいに捉えていただけると幸いです。また、他の読者の方で(もちろん薬剤師・登録販売者の方をふくめ)、読んでいて異論反論がある場合、事実と異なる記載がある場合、言葉足らずと思った場合は、コメント欄に書いていただけると嬉しく思います。ぼくも勉強になります。回答は先日お伝えしたとおり、質問文の5倍の文字量でお答えしています。

それでは、質問と回答に移りたいと思います。のっけから、かなり回答するのに神経を使う、大変むずかしいご質問をいただきました(笑)。

 

質問→市販の鬱の薬って、どの程度の症状に効きますか?

りうらさん より

「レジの前に鬱の薬があるのを見かけましたが、どの程度の症状に効くのでしょうか?心療内科へ行ってもデパスのみ処方されたという方もいて、素人判断で手に取る気軽さのない薬のように感じるのですが」(93文字)

 

回答→ストレスからくる軽度の症状向きだと思います。

総じていえばドラッグストアのものは「鬱の薬」というより「ストレスからくる症状を和らげる薬」と表現したほうが実際に近いと思います(※1)。例えば、睡眠が浅い気がするといった軽度の症状です。

レジの前にあったのは「半夏厚朴湯」か「アロパノール(漢方名は抑肝散)」でしょうか。この2つは病院でもストレス症状に処方されます。ただし、市販の成分は僕が知る限り、病院処方用の半分量しか入っていません。アロパノールのドリンクタイプだけ病院と同じ成分量ですが、「症状があるときのみ」とされています。半分量の効果については以前、半夏厚朴湯とアロパノールの製造元に確認しましたが、科学的データはありませんでした(※2)。関連論文も探しましたがわかりませんでした。だからといって効かないというわけではありませんが。

注意点は、半夏厚朴湯は気分がふさぎ込む場合、抑肝散はイライラする場合(※3)と、使うべき症状が異なること。副作用がゼロではないこと。ストレス症状を市販薬で対処してよいのかという疑問があること。早めに医師に診てもらうべきケースもあるからです。(465文字)

 

 

※1市販薬の通販サイト「ケンコーコム」では、半夏厚朴湯の商品を「うつ病に効果がある」と紹介しているが、これは適切だろうかhttp://www.kenko.com/product/item/itm_7212404072.html。ちなみに、メーカー側の説明書には「不安神経症」の薬などと記載されている。https://www.tsumura.co.jp/products/pdf/PI_N-016_304016.pdf

※2半夏厚朴湯はツムラに確認済み。半量を用いた臨床データはあるのか、なぜ半量に設定したのか。半量という数字は制度上の指示によるものなかのか、など。回答は、安全性を鑑みてメーカーが独自に設定したとのことだった。アロパノールについてもメーカーに確認済み。臨床データは保有していない。

※3鎮静作用のあるチョウトウコウを含んでいる。これがサイコとあいまって筋肉の緊張を和らげると考えられる(参考:漢方診療ハンドブックp225)。