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「ドクターハウス」が教えてくれる、人生で大切ないくつかのこと【ネタバレ注意】

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原因不明の病気を診る医師のドラマ「ドクターハウス」

アメリカでブレイクした医療ドラマ「ドクターハウス」がおもしろかったので紹介したい。医療とは何か?人生の幸せとは何か?いろいろ考えさせられるドラマだった。

ドラマ「ドクターハウス」は、百凡の医師が匙を投げてしまう原因不明の症状を、天才診断医「グレゴリー・ハウス」が見事なひらめきを以て病名を当ててしまう物語だ。ハウスは素行が悪く、上司の命令にも背むこともしばしばで、患者にも平気で悪態をつく。そのうえ人間不信で、口癖は「患者はウソをつく(everybody lies)」。しかし、そのたぐいまれな才能と、患者の命を救うことを何よりも優先させる情熱に惹かれ、多くの医師が彼の元で学びたいと訪れる。そして、日々、病院に運ばれる患者たちの謎の病状を、ハウス率いる診療科のチームが軽妙なジョークを交えながら解決していく。・・・というエンタメストーリー。

先日、ぼくは最終話を観終わった(シーズン8まである)。

 

閲覧注意!見ると体調を崩すかも・・・

このドラマを見ると、ぼくは決まって翌日に体調を崩した。たぶん、毎回食い入るように見てしまい、脳と目が消耗されてしまったのだろう。それほどおもしろいドラマだった。

このドラマには、「自分だったらどうする?」と考えさせられるシーンがいくつもでてくる。

このエントリを読んだ人の9割は、ドクターハウスをDVDで借りないと思うので、のっけからネタバレ覚悟で、このドラマのクライマックスであるラスト数話を例にして、このドラマの魅力を紹介したい。

 

①親友が、ある日突然、ガンと診断されたらどうする?

主人公のハウスには、ウィルソンという名の唯一無二の親友がいる。 ウィルソンはガン専門医で、ハウスの同僚であり、古い友人で、そして心を開けるただ一人の男だ。お互い独身で、よき遊び仲間でもある。そのウィルソンがある日突然、「自分にガンが見つかった」とハウスに告げる。

 

②科学的合理性か、意思の尊重か

ウィルソンは複数のガン専門医師に治療方針を訊ねる。どの医師も「このガンなら治る確率は高い。放射線で腫瘍を小さくしてから切除しましょう」という。ところがウィルソンは納得しない。「放射線と化学療法の両方をしてほしい」という。医師は「それは危険だ」と止めるが、ウィルソンは耳を貸さない。

なぜか。ウィルソンは多くのガン患者を診てきた。救えなかった患者のなかには、治療の成功率が7割、8割といわれていたにもかかわらず亡くなった人たちもいた。医療は何が起きるか分からない。高い成功率といわれて、それがなんの保証になるだろう?だから、体力があるうちに、強い治療方法を試しておきたいとウィルソンは考えていた。

しかし、ハウスは納得しない。ウィルソンの考えは非合理的に映る。放射線と化学療法を併用したら、それで死ぬ可能性もあるぞとウィルソンに迫る。放射線治療だけを受けるように説得する。ウィルソンは折れない。二人は激しく言い争う。

 

③死に直面することで人は変わるか?

やがてハウスは、ウィルソンの意志を尊重する決意をする。そして、ウィルソンは見事、抗がん剤の副作用に耐えた。やった!(とぼくはガッツポーズした)

人は死と直面すると人生観が変わるという。ウィルソンは「僕は生まれ変わった」といわんばかりに、”らしくないこと”に次々と手を出す。誰にでも優しく、面倒見のいい、誰もが認めるような良識人だったウィルソンは、それまでとはうってかわって他人に対して無関心を装い、自分勝手にふるまう。まるでハウスのように。ハウスはそんなウィルソンを「いつまでもつかな?」と冷ややかに見る。ウィルソンは奔放な行動を続ける。しかし最後に、旅先で会った、迷子になったアルツハイマーの老婆をほっとけず、ウィルソンは、人間はそう簡単には変われないということに思い至り、いつもの自分に戻る。

 

④穏やかな死か?延命か?

やがて、ウィルソンのガンの検査結果がでる。 ふつうのドラマなら、ガンが縮小していて「病気になって、人として一回り大きくなってよかったね」みたいな教訓を残してハッピーエンドで終わるのだけど、このドラマは違う。ウィルソンのガンは縮小していなかった。彼は、「抗がん剤で数年寿命を延ばす」か「なにもせずに5か月の命を生きるか」という選択を突き付けられることになる。

穏やかな死か、延命か。ハウスは「抗がん剤治療を受けろ」とウィルソンに迫る。ウィルソンは「治療は受けない」と断る。ここでふたたび、二人は激しく衝突し、それぞれに葛藤する。ハウスは荒れる。ウィルソンが自ら死を選ぶことが許せない。すべてが腹立たしく、上司からもらった試合のチケットをトイレに捨てて水道管を詰まらせて破裂させる。

 

⑤人生のツケは払うべきか?

自暴自棄の末、最後にハウスが導き出した答えは、「ウィルソンの意志を尊重し、彼とともに5か月間を過ごす」 ことだった。ウィルソンはハウスの理解に感謝する。

さて、笑顔を取り戻した二人のところに、ハウスの上司がやってくる。ハウスがやけになって壊した水道管の件で、管を詰まらせたチケットからハウスの指紋がみつかったという。じつはハウスは過去に刑務所に服役していた時期があり、いまは保護観察期間だった。保護観察期間に問題行動を起こすと、刑務所に連れ戻される。今回、水道管の件が保護観察官の耳にも届いてしまったため、ハウスは再び一時的に刑務所へ戻されなくてはいけないという。 「(刑務所に服役する期間は)どのくらいだ」 おそるおそる訊ねるハウスに、上司は、残念そうに「6か月だ」と答える。

えーーー!ウィルソンのこと、看取れないじゃん!!

と、ここで話がいったん終わり、次が最終話(タイトルは「everybody dies」)となる。最終話はここでは割愛する。

 

そして、誰もがいずれ死ぬ

誰もが常に「死」のすぐそばで人生を生きている。予想外のことが起きて、人生はままならない。健康は儚くて、医療はいつも不確実だ。

だから、健康であることに心から感謝しよう。そして、もし病気になっても、絶望してはいけない。病気は人生の終わりとは限らないし、不幸の始まりとも限らない。

ドクターハウスは、そのようなことを教えてくれるドラマだった。

そうとうお勧めドラマなので見てほしい。ツタヤに行けば、ファイナルシーズン以外はすべて旧作(つまり100円)で見ることができるはずだ。ただ、シーズン1と2はつまらない。がぜん面白くなるシーズン3か4から観ることを強くお勧めしたい。

ハウスファンの人、一緒に語らいましょう~~。