バファリンルナiの特徴について、ライオンに代わって説明します

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パッケージが変わったことの意味

今月20日から鎮痛薬「バファリンルナi」の数量限定パッケージが発売されて、新しいCMも始まった。パッケージが変わっただけで、薬の成分はいままでどおり。

それってなんか意味あるの?

 薬学的には意味がなくても、マーケティング的には意味がある。消費者が買ってくれる。そのために、広告費を投下している。ただし、これは消費者の利益とはほとんど直接関係がない。成分は以前と同じなのだから。

ちなみに、通常のパッケージデザインこちら

 

意味不明瞭なパッケージの文言

どうしてライオンは新デザインのパッケージをわざわざ作ったのだろう。同社の説明によれば、20代女性の半数は「効き目とおしゃれなパッケージが両立した商品がほしい」と思っているためだという(※1)。

そうですか。でも、たぶん消費者が薬に求める優先順位の中で、「おしゃれであること」は相当下位だと思う。ぼくが消費者の立場でパッケージに何かを求めるとしたら(本当は価格や効果を見直してほしいけど)、次のことに尽きる。

「類似品との違いを一目でわかるようにしてほしい」

だって、今のパッケージの表記は、とてもわかりにくい。

バファリンにはいくつか種類がある。各製品の箱のオモテの記載を比べると、こんな感じになっている↓(「速」「早」の表記は原文ママ

速効・すぐれた効き目バファリンプレミアム」

頭痛・生理痛に速く効くバファリンルナi」

早く効いて胃にやさしいバファリンA」

結局一番早く効くのはどれなの?と思わずにはいられない。そこで今回は、ライオンの代わりに、「バファリンプレミアム」と「バファリンルナi」のちがいを紹介しておきたい。

 

バファリンルナiとバファリンプレミアムのちがい

バファリンルナi」は、頭痛生理痛の薬として売られているが、ライオンには去年発売した「バファリン プレミアム」という類似商品もある。メーカーによれば、「バファリンプレミアム」は、バファリンシリーズのなかで”最上位アイテム”らしい。

バファリンルナiとバファリンプレミアムのちがいは、大きく3つあるとぼくは思う。①薬効成分②錠剤の溶けやすさ③価格だ。

 

ちがい①薬効成分「アリルイソプロピルアセチル尿素

まずは成分について。以下、成分を比較する(量は一回量、赤字が両者のちがい)。

バファリンルナi

鎮痛成分:アセトアミノフェン130mg、イブプロフェン130mg

鎮痛補助成分:無水カフェイン80mg

胃粘膜保護成分:乾燥水酸化アルミニウムゲル70mg

バファリンプレミアム

鎮痛成分:アセトアミノフェン130mg、イブプロフェン130mg

鎮痛補助成分:無水カフェイン80mg、アリルイソプロピルアセチル尿素60mg

胃粘膜保護成分:乾燥水酸化アルミニウムゲル70mg

 

上記から、薬効成分の違いは鎮痛補助成分「アリルイソプロピルアセチル尿素」が入っているかどうかだとわかる。

アリルイソプロピルアセチル尿素は「①鎮痛効果を強めてくれる」「②眠くなる可能性がある」「③依存性がなくはない」のポイントがある。③については、言葉の響きこそショッキングだけれど、生理痛などで通常量を服用するぶんには、まず心配しなくてよいと個人的には思う(※2)。薬剤師によって解釈が変わると思うので、気になる人はドラッグストアで買う時に相談したらよいと思う。

 

ちがい②錠剤が早く溶ける工夫

次に溶ける速さのちがい。

バファリンルナiは「クイックメルト製法」という、ライオンが開発した早く薬が溶ける方法をつかっている(※3)。

いっぽうの「バファリンプレミアム」は、上記の「クイックメルト製法」に加えて、錠剤が体内で早く崩れる「FASTab」技術をプラスしている(※4)。早く崩れるから、溶けるのも早くなって、結果として効き目も早くなるという理屈だ。

バファリンプレミアムの方が早く効き目が現れるかもね、ということがいえる。ただ、消費者としては「どの程度早くなるの?」というのが気になるところ。ここらへんについても、気になる人は店頭で質問するとよいと思う。

 

ちがい③リーズナブルなバファリンルナi

最後に両者の価格差。メーカー希望価格は、バファリンルナiが650円(10回分)、バファリンプレミアムが980円(10回分)で、そこそこ値段の差がある。

総合的に見ると、リーズナブルな「バファリンルナi」と、高付加価値商品の「バファリンプレミアム」という区別ができる。上記であげた薬効成分と錠剤の溶けやすさは、あくまで”理屈”上のハナシだ。理屈どおりの効果が表れないことも当然ある。値段に見合いだけの高付加価値を備えているかどうかは、専門家のアドバイスを聞いた上で自分なりの尺度を持って判断するしかない。

こうして比較すると、バファリンルナiは女性用のパッケージデザインではあるものの、男性が購入してもよい製品だとわかる。費用対効果でいえば、バファリンプレミアムよりもバファリンルナiのほうが優れていると感じる人がいてもおかしくないだろう。

 

 

※1 同製品ニュースリリースより

※2 ネット上ではおどろおどろしく書かれることが多いが、実質的な害についてはなんともいえない。アリルイソプロピル尿素についてはデータが少なく判然としない。Pubmedでもほとんど検索されない。ICD-9には薬物依存の項目に記載されているが(

http://www.icd9data.com/2013/Volume1/290-319/300-316/304/304.1.htm)、最新のICD-10では見つけられなかった(お詳しい方いらっしゃったら教えてください)。あまり気にする必要はないのではないかというのが個人的な印象。ちなみに「OTC医薬品販売のエッセンス 第二版」によれば、ブロモバレリル尿素よりもアリルイソプロピル尿素のほうが依存性が低いため、さいきんの市販薬は後者に切り替わっているとしている。

※3 http://www.lion.co.jp/ja/company/press/2012/779

※4 薬局・薬店向け製品パンフより