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市販の風邪薬で死亡、後遺症・・・。重症化を回避するたった一つの方法

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風邪薬で死亡例、後遺症?

消費者庁が市販薬の安全性について注意を呼びかけるアナウンスを今年4月に行った(※1)。1999年度から 2013 年度までの5年間に、製薬メーカーなどから国に報告された風邪薬の副作用報告数(因果関係が不明なものも含む)は400例。このうち、死に至った症例が8例、後遺症が残った症例が9例あったという。

たかが市販薬で、なんとも怖いハナシだ。

 

風邪の症状だと思ったら、薬の副作用だった女性

以前、NHKの番組が、市販薬を飲んで「スティーブンス・ジョンソン症候群」という副作用の被害に遭った女性を紹介していた。

女性が副作用を発症したのは20歳の時。風邪の症状が出たので市販の解熱鎮痛薬を飲んだところ、翌日になって目ががまんできないくらいかゆく、充血する症状があわられた。そこで眼科を受診したところ、診断は急性結膜炎。その後、熱も39度近く上がってきたので、女性は風邪が治っていないのだと考え、再び解熱鎮痛薬を飲んだ。その高熱と目の症状が、薬の副作用とも知らず・・・。

 

口にも異常。命の危機を感じて・・・

それから、口の中が水疱(すいほう)だらけになっていることに気づき、そしてだんだん息苦しくなってきたこの女性は、命の危機を感じて夜間救急に駆け込んだ。そこではじめて、市販の解熱鎮痛薬の副作用である「スティーブンス・ジョンソン症候群」であることがわかったのだという(因果関係は明確化できないが)。

一命を取り留めた女性は、その後も、後遺症を治療するために通院しているようだ。

 

シグナルは皮膚粘膜、目の異常

スティーブンス・ジョンソン症候群」。カタカナ言葉なのでいまいちピンとこないが、日本語では同義語として「皮膚粘膜眼症候群」がある。その名の通り、皮膚粘膜と目に異常が現れるのが特徴だ。

この副作用症状は39度の高熱も現れるため、患者は「風邪が治ってないのかな?」と思って原因となる薬を飲み続けてしまうケースがある。その結果、副作用の症状がどんどん進行してしまい、命の危険にさらされる。

症状などについては、こちらのサイトがさくっとまとまっている↓(英語)。

 

毎年数百人がスティーブンス・ジョンソン症候群になっているのかも

スティーブンス・ジョンソン症候群は、国内の調査によると、人口100万人あたり3人くらいらしい(※2)。確率からいえば、非常にレアな副作用だ。でも、死亡率が3~10%で命に関わる症状であり、発症年齢も小児から高齢者まで幅広い(※3)。

さらにスティーブンス・ジョンソン症候群と類似の症状を持つ別の副作用症状「中毒性皮膚壊死症」では、死亡率が40%くらいまで上がる。海外の報告では、この2つの副作用をあわせると、人口100万人あたり1~6人発症するらしい(上記サイト参照)。国内の資料を整理すると、年間300~500人くらいは発症しているという計算もある(※4)。

スティーブンス・ジョンソン症候群は、ほとんどの風邪薬や解熱鎮痛薬で起きる可能性がある副作用であり、市販薬特有のものでもない。むしろ、発生件数を見れば病院で処方される医薬品が原因であることの方が多い(※5)。ある意味では、よく知られた副作用ともいえる。

 

薬を飲まなければ副作用もないとはいえ・・・

この恐ろしい副作用にどう対峙すればいいのだろう。

アメリカで有名な病院「メイヨークリニック」のサイトに、スティーブンス・ジョンソン症候群のリスクが相対的に高い人の特徴が紹介されている(※6)。

でも残念ながら、上記のリスク像はあまり役に立たない。なぜなら、この副作用は、性別、年齢を問わず誰にでも起きることが知られているからだ。副作用を避けるなら薬を飲まないのが一番だが、薬を使いたい人にとっては、それはミみフタもない答えかもしれない。

 

市販薬の副作用から自分を守るたった一つの方法

じゃあ、どうすればいいか。

万が一副作用が起きた時の行動が重要になってくる。この副作用症状の対処法は、第一に原因の薬をストップさせること(そして病院に行くこと)。皮膚に異常を感じたら、「まさかねえ・・・」とは思いつつも、とりあえず薬を止めることが肝心だ。

解熱鎮痛薬を飲まなかったからといって、風邪の治りが遅くなるわけでもない。より大切なことは、副作用のリスク対処。優先順位を間違えてはいけない。

市販薬で起きる副作用は、ステーブンス・ジョンソン症候群だけじゃない。市販薬を飲んでなにか異常な症状が起きたときに、

「あれ?もしかして副作用じゃない?」

と思える感覚、そしてとりあえず薬を使うことをストップする行動力が、副作用の重症化をまぬがれる最大の防御策になる。

ただ、これは簡単なようで、案外難しいことかもしれない。なぜなら人はぼくも含めて「まさか自分が・・・」という感覚が、どこかにあるからだ。

でも残念ながら、世の中には市販薬の副作用で、不幸にも人生が変わった人たちがたくさんいる。

 

※1http://www.caa.go.jp/safety/pdf/150408kouhyou_1.pdf

※2CiNii 論文 -  Stevens-Johnson症候群ならびに中毒性表皮壊死症の全国疫学調査―平成20年度厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)重症多形滲出性紅斑に関する調査研究―

※3難病情報センター | スティーヴンス・ジョンソン症候群

※4http://www.nihs.go.jp/library/eikenhoukoku/2009/001-014.pdf

※5http://www1.mhlw.go.jp/kinkyu/iyaku_j/iyaku_j/anzenseijyouhou/261-1.pdf

※6http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/stevens-johnson-syndrome/basics/risk-factors/con-20029623