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機能性表示食品が効くかって?それ、薬剤師に聞いたら?

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機能性表示食品が効くかどうか気になるなら・・・

とりあえず薬剤師に聞けばいいんじゃない?とか思う。薬剤師はその商品を”科学的”に評価する能力があるから。

「科学的評価とか小難しい話よりも、要は『効くか』『効かないか』が大事でしょ」と思う人もいるだろうけど、その商品の科学的な評価も見ておいて損はない。科学的評価をみたら、たぶんビックリする。たとえば、今回例に挙げる機能性表示食品「ナイスリムエッセンス ラクトフェリン」とか・・・。

 

「公開情報では適切な理解は困難」

先日、機能性表示食品制度のセミナーに参加したのは以下の通り。 

機能性表示食品制度では、製品の機能性と安全性の科学的な資料は、消費者庁で公表されている。科学的根拠が明らかにされることで、消費者もある程度の判断が可能になったのは、この新制度の大きなメリットだ。

これを踏まえたうえで、セミナー主催者の松永和紀さんは次のような自身の意見を紹介した。

「消費者による判断は可能。だが、相当な知識が必要。一般向けの公開情報のみでは、適切な理解は難しい」

「消費者を教育しましょうよ、という声もあるけど、ちょっと追いつかない」

「情報を噛み砕いたり、別の情報と組み合わせて理解を促す『コミュニケーター』『アドバイザー』が必要。でも、それを『仕事』にする仕組みがない。ボランティアでは続かない。(松永さんが立ち上げた)FOOCOMも(人が足りなくて)ヘロヘロです」

現実的な意見だなと思った。一般の人々に、消費者庁で公開されている論文を読み解けと言っても、技術的にもムリだし、そんなにヒマじゃない。

 

どう考えても薬剤師の出番です

そこで、松永さんの口からは、研究者が、医師が、という言葉が出てきたんだけど、ぼくはそれを聞きながら、

「機能性の科学的評価って、どっちかっていうと、薬剤師マターじゃないの?」

と思ったので、セミナー中に、

「機能性表示食品の論文のトリックを誰がチェックするかという問題点がある。んー、薬局薬剤師の出番じゃない?」

とツイートした。すると、フォロワーの薬剤師「ふーた」さんに、即座に反応していただき、

「横から失礼します!!いい試みですね!!挑戦してみます!!ありがとうございます!!」

と返信いただいた。

ふーたさんは、1週間後に、ご自身のブログでダイエット機能がある機能性表示食品「ナイスリムエッセンス ラクトフェリン」の記事を書いた。おお~動きが早い!

 

ラクトフェリン」2か月飲み続けて1.5キロ減とな?

記事の要点をいうと、メーカーの論文の報告は、

・約2ヶ月毎日飲み続けて体重1.5kg減るくらい

・身長を考慮したBMIは、30→29.4で、0.6だけ減るくらい

ということだった。

へえー。2か月以降の体重変化はわからない。さらに2か月飲み続けてもう1.5キロ減る可能性はあまりないと個人的に思う。そんなに減るなら、メーカーがちゃんと試験してるはずだから。案外、2か月以降は体重が増えちゃった人もいるかもしれない。

ついでにいうと、この商品、定価で購入すると8週間で約1万円の出費になる。どうですかね、商品を見る目が、ちょっと変わりませんかね?ちなみにこの実験の対象となったBMI30っていうのは、身長170センチの人で86.7キロ、身長160センチの人で76.8キロ。明らかな肥満体型の人が2か月飲み続けて、少しだけ減ったということになる。

 

「科学的に胡散臭い=買わない」ではない

こういうこと書くとケシカランと息巻く人が多いらしいから念のために言っておくと、ぼくは、

「科学的に胡散臭いから、この商品は買わない方がいいよ」

というつもりはさらさらなくて、

「この商品は効果ないよ」

とも思わない。効果あると思いますよ、ただあなたが期待するほどではないかもしれません。科学的に十分なデータもありません。でも、気になる人は、買えば?たぶん多くの薬剤師のスタンスも、こんな感じだと思う。

上記の論文から導ける費用対効果は、ぼくにとってはありえないほど低いけど、試しに妻に「2か月1万円でBMIが0.6ポイント減るっていったら買う?」 と聞いたら「スポーツジム(月6000円)行く必要ないんでしょ?迷う。確実なら買うかも」と答えが返ってきた。この例からもわかるように、人によって商品の価値は変わるのだから(あ、うちの妻はBMI30もないです汗)。

 

それでも、商品の科学的な側面は知っておくべきかと

ただですね、「科学的にはそうなのね」ということは、消費者として知っておいてよいと思う。だって、この機能性表示食品はもともと”科学的な機能がある”ってことで販売されているものなんだから。科学的だといわれている商品が、科学的にちょっとあやしい。これおかしくないですかね?

あと、個人的にこれどーよ?と思うのが、この商品の広告。下記の公式ウェブサイトには、スリムな男女の姿があるのだけど、少なくとも実験対象になった人たちは、こんな体形にはなっていないと思いますよ。。。

ナイスリムエッセンス 「ラクトフェリン」|LION ウェルネスダイレクト

 

お勧めの機能性表示食品は誰に聞く?薬剤師にでしょ!

機能性表示食品が効くのか、効かないのかを判断するとき、ネットの口コミも有用だとは思うけど、科学的な側面も知っておくと、自分で考える能力が上がる。科学は消費者の武器だ。

じゃあ、誰に科学的なことを聞けばいいか?町の薬剤師ですよ。現場の薬剤師は忙しいし、機能性表示食品を扱っていない薬局もたくさんあるから、いきなり質問してもすぐに答えは返ってこないと思う。これは、その薬剤師が勉強不足だからじゃなくて、守備範囲が違うから(機能性表示食品は薬じゃない)。でも、教えてくださいといえば、「次回までにお調べしておきます」と丁寧に応じてくれるはずだから、気軽に相談してみてはどうでしょう?

こんなふうに相談をたきつけると「よけいな仕事ふやすなや」と迷惑に思われる薬剤師さんもいらっしゃるかもしれない。すいません。お前がやれよ?すみません。でも、ふーたさんみたいな薬剤師さんもいて、そういう職能を生かした仕事が評価される世の中がいいと思っている。どうぞ今回は大目に見てください。

セミナー後、ぼくは主催のFOOCOMに、ふーたさんのアクションを含めて「この件で薬剤師は一助になると思います」とメールを送り、薬剤師の社会的な意義を伝えた。後日、好意的な返信をいただいた。私信なのでここでは紹介しないけど。