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「ロキソニンSプラス」と「ロキソニンS」のちがいは、ささやかな”やさしさ”です

解熱鎮痛薬

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ロキソニンSプラス」を知ってるかい?

解熱鎮痛薬の雄「ロキソニンS」に、類似薬の「ロキソニンSプラス」という商品があるのをご存じだろうか。2015年に6月22日発売した。通常のロキソニンに、”胃にやさしい成分”をプラスしたことが特徴だ。ただ、その”やさしさ”は、かなりほのかなものかもしれない。

 

胃への負担が気になる人向けの商品

ロキソニンS」は、病院で処方される「ロキソニン」という薬と、同じメーカーが作った同じ成分同じ量の市販薬。ある調査会社が昨年の今頃(2014年5月~7月)調べたところによると、「ロキソニンS」は、市販の解熱鎮痛薬の中でもっとも売れた商品だった(※1)。へえ~。人気あるんだね。

で、このロキソニン、効き目が高いことで評判なのだけど、一方で胃の粘膜が荒れる副作用が知られている。健康な人が数回飲むにはまず心配ないと思われるので、ほとんどの人は安心して使っていいけど、高齢者が病院で処方されたロキソニンを漫然と飲み続けてある日、胃が荒れて血を吐いた、という話があることは以前書いた。 

 

「酸化マグネシウム」はよく使われる代表的な成分

ロキソニンってすごい効くけど、胃には負担になるらしいよ」的な情報は、ネット空間であちらこちらに書かれている。

そこで「ロキソニンSプラス」の登場となる。ロキソニンSに、「酸化マグネシウム」という胃にやさしい成分をプラスさせて、胃への負担が気になる人向けに発売した。酸化マグネシウムは「制酸剤」と呼ばれる薬の一種だ。マグネシウムが胃酸を中和し、胃の粘膜が荒れるのを防いでくれる。

酸化マグネシウムは、とても広く使われている。ロキソニン以外の解熱鎮痛薬(例えば「イブクイック頭痛薬」)にも含まれているし、解熱鎮痛薬だけでなく、多くの市販の胃薬にも類似成分(水酸化マグネシウム)が入っている。病院でも処方されることも多い。比較的、安心して使うことができる薬とされている。

 

デメリットは気にする必要ないかもね

いっぽうで、注意点やデメリットはなにか。ある種の薬とくっつくことで、その薬の効果を減弱させてしまうことが知られていて、一部の薬とは飲み合わせの注意が必要になる。また、腸内の水分量を増やして、排便を促す効果があるので人によっては下痢症状を起こす(この作用を利用して、マグネシウムは便秘薬としても使われる)。

もっとも、薬の飲み合わせや下痢症状といった注意点は、一般に、酸化マグネシウムを1回数百ミリグラム摂取した場合を想定している(※2)。今回、ロキソニンSプラスに含まれる酸化マグネシウムの量は、じつはわずか33mgと、ヒトケタ少ない量なので、ほとんど気にする必要はないかもしれない(科学的ではない個人の意見です)。

メーカーが作った説明書(※3)でも、ロキソニンSとロキソニンSプラスは全く内容が同じで、酸化マグネシウムに対する特別な注意は払われていない。

逆に言えば、酸を中和してくれる力も、それ相応に微弱だと推測される。処方薬で制酸薬として使う場合も、やはり1回数百ミリグラムとなっているからだ。

 

”胃へのやさしさ”は、そんなにない

ロキソニンSプラスは”胃にやさしい”成分が入っている。でも、医療用よりもヒトケタ低くて、かなり微量ですよ。

胃への負担を軽減させるという実効性よりも、”胃にやさしい”というキャッチフレーズで、世間のロキソニンへの不安を解消させるための商品かもしれない。

気になる人は、ドラッグストアの薬剤師に声をかけてお試しあれ(本品は薬剤師でないと販売できない薬です)。メーカー希望小売価格は、ロキソニンSより50円だけ高い。

 

※1解熱鎮痛薬 売上ランキング/2014年5~7月、第一三共ヘルスケア「ロキソニンS」が1位 | メーカーニュース

※2マグミット(酸化マグネシウム)等の添付文書より

※3http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/package_insert/pdf/loxonin-s_plus_2.pdf