『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

「ドラッグストアとジャーナリズム」はトトロに学ぶことにしました

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反省したことを書きます

ブログ初めて7か月経ちました。いつも読んでいただいているみなさん、ありがとうございます。おかげさまでPV、伸びているみたいです。伸びてはいるのですけど、さいきん、反省したことがあります。今日はその話です。

 

「情報提供します」に偽りあり?

このブログのコンセプトは「自分にとって、ベストの市販薬を選ぼう!」です。自分の症状にあった一番いい市販薬を選ぶために必要な情報を提供しています。 ・・・ということをしつこく言いながら、いままでやってきました。

ですが、ちゃんとぼくは情報提供できてるんでしょうかね。

というのも、コメント欄を見ていると、以前より一般の方々からのコメントが微妙に減っているんです。その一方で、薬剤師・登録販売者さんからのコメントは増えています。あれ?ひょっとして、薬剤師・登録販売者に寄ったブログに、知らず知らずのうちになってるのでは・・・。

薬剤師・登録販売者の方々に読んでいただくのはとても光栄ですし、できれば今後もコメントしていただきたいのですが、このブログは、ドラッグストアを利用するぼくたち(一般の人)のためのものです。それなのに、一般の人たちのコメントが減っている。これ、いかに。

それから、いまPV数が1800~1900/日で、このほとんどはたぶん一般の人たちなんですね。でも、その人たちが、読んでいるだけでコメントしてないとしたら、そこにはコメントしないワケが、このブログにあるってことです。改善の余地があるなと思うわけです。

 

トトロ的にいきます

そこで、ぼくは「トトロ」なことを、もっと意識していきたいと思っています。トトロって、「となりのトトロ」です。

「コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと」(NHK出版)という本からヒントを得ました。

「コンテンツの秘密」は、ニコニコ動画で有名なドワンゴ川上量生社長が、スタジオジブリで修業して、そこで見聞きしたことをまとめたものです。宮崎駿というアニメ神の仕事ぶりや、日本屈指のアニメクリエイターの思考方法がわかり、終始感心させられる読み物になっています。

 

トトロがヒットした本当の理由

一番おもしろかったのは宮崎監督の作品づくりです。

宮崎監督の作品は、老若男女問わず人をひきつけます。その魅力ってどこからくるのか。本書によると、宮崎監督のすごいところは、人間の生理的な感覚をコンテンツとして再現できてしまうことなのだそうです。

鈴木敏夫プロデューサーのこんなコメントを紹介しています。

「なぜ『となりのトトロ』がヒットしたのか。昭和の原風景だとか、現代人の自然に対する回帰の欲望だとか、いろいろ難しいことを言う人はたくさんいる。でも、それは全部、的外れだと思う。トトロが人気になったのは、トトロのお腹がフワフワしてて、なんだか触るとへこんだりして気持ちよさそうだったからというのが本当の理由に決まっているでしょう」

どうでしょう。これ以上ないくらいミもフタもない分析かもしれません。でも、ぼくはまったくその通りだと思いました。

宮崎監督の作品って登場人物が風を切って疾走ことが多いんですけど、ぼくはそのシーンが大好きです。躍動感にあふれていて、見てるだけで不思議と爽快になります。

著者の川上さんは本書のなかで、宮崎駿監督が、いかにキャラクターの動きの表現にこだわる人であるかを表すエピソードを繰り返し紹介しています。表現力のあるいいシーンが描けるスタッフがいない場合は、その部分のストーリーごと削ってしまうそうです。ストーリー<表現、なんですね。

 

キキの魔法が復活した理由?どうでもいいんです

もう一つ、本書から例を引きます。アニメ「魔女の宅急便」では、クライマックスで主人公のキキが再びホウキで空を飛べるようになるシーンがあります。突然、飛べるようになります。

なんで飛べるようになったのか、説明はなにもありません。でも、観客が心の中で「飛べ!飛べ!」と叫んで、その期待通りにキキは空を飛ぶ。そうなると、観ている方は飛べるようになった理由が気にならなくなってしまうのです。冷静に考えると、なんで飛べたのかわからないんですけどね。これを高畑勲監督は、「宮さん(宮崎監督)の魔法」と言っているそうです。

ここでも、ストーリー<表現、といえそうです。

 

観ているその瞬間が、最高に楽しい

ぼくなりに解釈すると、トトロの例もそうなんですが、大事なのは「観ていることが楽しい」ってことなんですね。人生に役立つ知恵を得たとか、とか、あのシーンがどうだとか評論するのもいいんですけど、なによりもまず、観ているその瞬間が最高に楽しいわけです。だから、何度も観てしまうわけです。

じつはこれと似たようなことが、芥川賞作家の保坂和志さんが書いた「小説の自由」という小説の方法論のなかに書かれています。

それだけに、ジブリの話はとても腑に落ちました。

小説の自由

小説の自由

 

  

やわらかい記事を増やしたいと思います

楽しませるように書く、ということは、これはほとんど才能の世界なのですが、とても重要なことです。

「医療情報はアニメや小説とは違う。医療情報には客観性・正確性が大切だ」という厳しい声が聞こえてきそうです。まあ、そう反論を急がずに、どうぞ読んだもので評価してください。

繰り返すようにぼくのブログは「自分にあった市販薬を選ぼう!」です。この目的に最適化した文章を、あらためて意識して書いていきたいと思います。

といっても、文体が劇的にかわるわけじゃありません。

具体的には、もっとやわらかいネタを増やします。

こんなブログですけど、今後もあたたかく見守っていただけると幸いです。

ありがとうございました。