じんましんに飲む薬と副作用

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じんましんの薬。塗るか飲むか

さて、ドラッグストアで働いて、なさそうで意外とあるのだなと思うのが、じんましんの相談。じんましんに使う薬には、飲み薬と塗り薬がある。症状にもよるけど、原則的に飲み薬を使うのが一般的になっているので(※1)、ここでは飲み薬について書きたい。

 

まずは原因を取り除くことだけど・・・

じんましんの原因には、アレルギー性と、非アレルギー性の2種類がある。

アレルギー性とは、食べ物、植物、薬(副作用)などが原因で起きるもの。非アレルギー性とは、熱さ、寒さ、発汗などによって起きるもの(※2)。

じんましんが起きたら最初にやることは、その原因を取り除くこと・・・とはよくいうのだけど、実際には、原因がわかっていても取り除けない場合が多々ある。たとえば、冷たい空気にあたると皮膚が赤くなる「寒冷じんましん」。冷気が原因だとわかっていても、冬場はどうしょもない。

そもそも原因がわからないこともよくある。なぜか突然じんましんがでた、みたいな。

そこで薬の出番ってわけだ。

 

薬ごとにちがう抗ヒスタミン成分

じんましんは、ヒスタミンという体内物質が原因で起きる。

皮膚にある小さな血管の周りにある細胞(マスト細胞)が活性化すると、ヒスタミンを放出する。すると、血管が一時的に膨らみ、皮膚が赤みを帯びる。ヒスタミンは神経を刺激してかゆみも引き起こす。だから、じんましんは、皮膚が赤くなってかゆくなる。アレルギー性も非アレルギー性も、マスト細胞が活性化しているのは同じだ(※3)。

ならば、このヒスタミンの働きを防げばいい。というわけで、基本的に、じんましんには抗ヒスタミンと呼ばれる成分が使われる。

代表的な飲み薬と、その成分を挙げる(用量は1日分)。赤字が抗ヒスタミン成分。

ムヒAZ錠アゼラスチン2mg

アレルギール錠クロルフェニラミンマレイン酸13.5mgピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6) 22.5mg、グリチルリチン酸カリウム 180mg、グルコン酸カルシウム水和物 1350mg

レスタミンコーワ糖衣錠ジフェンヒドラミン90mg

 

ちなみに、ムヒAZ錠は今年発売した新商品。テレビでCMもやっていた。

とはいいながら、同じ成分が鼻炎薬「スカイナーAL錠」として実は以前から発売されている。スカイナーも効能にじんましんが記載されている。

【第2類医薬品】ムヒAZ錠 12錠

【第2類医薬品】ムヒAZ錠 12錠

 

 

【第2類医薬品】アレルギール錠 110錠

【第2類医薬品】アレルギール錠 110錠

 

  

【第2類医薬品】レスタミンコーワ糖衣錠 120錠

【第2類医薬品】レスタミンコーワ糖衣錠 120錠

 

 

シーンによって薬を使い分ける

ヒスタミン薬には2種類ある。昔からある「第一世代」と、改良が加えられた「第二世代」だ。第一世代は、第二世代と比べて眠気などの副作用がでやすいと言われている。

先述の3つの薬の世代は次の通り。

第二世代:ムヒAZ錠

第一世代:アレルギール錠、レスタミンコーワ糖衣錠

で、眠気のリスクについて、ぼくの個人的な印象は(※4)、

レスタミンコーワ糖衣錠>アレルギール錠>ムヒAZ錠

じゃあムヒが一番優れているのかといえば、そういうわけでもない。たとえば、抗ヒスタミン薬は第一世代は第二世代よりも眠くなりやすいけど、じんましんがかゆくて眠りにくいというときには、むしろ眠気を誘うほうが都合がいい。状況による。

また、効き目の優劣については、薬剤師によって意見が分かれそうなので、店頭で聞いてみてほしい(※5)。

 

飲むタイプの注意点

ヒスタミン成分には、眠気以外にもいくつかよく知られた副作用がある。たとえば、喉の渇きや、尿が出にくくなること等。病院で処方された尿の薬を飲んでいたり、尿の出が悪い人(高齢者に多い)は、購入前に店員に相談することを強くお勧めする。市販の抗ヒスタミン薬で尿閉(尿が出なくなる)になって病院へ・・・という事態は、ぼくはみたことがないけど、なきにしもあらずだ(※6)。

また、小さな子供に使うときは、念のため薬剤師か登録販売者に相談するのが無難だと個人的には思う(※7)。

 

店員への質問の仕方

じんましんの薬を買う人は、飲み薬にもいくつか種類があることを頭に入れた上で、

「じんましんの薬がほしいんですけど、どんな種類の薬がありますか」

と相談してみてはどうか。詳しい症状や希望を聞いた上で、適切な薬を提案してくれるはずだ。

また、自分ではじんましんと思っていても、そうでない場合もある。ふつうのじんましんは、数十分から数時間で症状が消える。日をまたいで続く場合は、受診した方がいい。というようなことが、日本皮膚科学会のサイトに書かれているので、ご一読されたし。

蕁麻疹(じんましん) Q1 - 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)

 

 

※1抗ヒスタミンの内服が第一選択、痒みが強い場合はステロイド外用剤という使い分けが一般的だと思うが、抗ヒスタミンの塗り薬についてはどうなのだろうと思う。全身にでるため塗り薬は使いづらいためなのか。ぼくはよくわからない。

※2蕁麻疹(じんましん) Q4 - 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)

※3蕁麻疹(じんましん) Q3 - 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)

※4第一世代同士の眠気の強弱については、「今日の治療薬」の記述参考。

※5第一世代のほうが切れ味がいいという声はよく聞く。たとえばこちら

http://www.tokiskinclinic.com/skin.html?id=5

※6抗ヒスタミン薬の代表的な副作用として取り上げられることが多い。

※7抗ヒスタミン薬起因のけいれんについては問題ないのだろうか。ジフェンヒドラミンとフェニラミンマレイン酸については、市販薬の添付文書になにも注意記載がない。両者が4,5歳以上となっているため実質問題がないのか、別な理由があるのか、勉強不足でわからない。なお、けいれんについては「今日の治療薬」で非鎮静性第二世代の使用が好ましいとしているが、今回紹介した3つの薬はいずれも非鎮静性ではない。小児の痙攣については参考までにコチラ

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/matsumoto/201503/540957.html