読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ドラッグストアの24時間営業化に賛成ですか?愚問です

ドラッグストア情報 時事問題

f:id:kuriedits:20160126134427p:plain

ドラッグストアが24時間営業になるってどうよ?

てなことを、先日ツイッターで呟いた。ドラッグストアの業界団体の代表者が「24時間営業を頑張ってやります!」みたいなことを言っていたので。

www.yakuji.co.jp

写真を見ればわかるとおり、発言したのは73歳の高齢者で、この御仁が24時間営業で深夜勤務することはまずない。羨ましい。

ドラッグストアで働くぼくはいま、夜勤になる可能性のある立場にある。

はっきり言って、もしいまの職場で、

「kurieditsさん、来月から深夜シフトよろ」

とか言われたら、会社辞めますね。

 

ウエルシアは2月までに30店舗で24時間営業 

ドラッグストアの24時間営業化が、一部で広がっている。

国が、調剤薬局に深夜でも患者の問い合わせなどに対応できる「24時間対応」を求めていることが理由の一つだ。さいきんの調剤薬局は、ドラッグストアと一体化されているので、食品や市販薬を販売する部分も一緒に24時間営業になりそう。

大手チェーン薬局兼ドラッグストアの「ウエルシアホールディングス」は、2016年2月までに、約30店舗で24時間営業・24時間調剤をスタートさせる予定だ。

 

 

 24時間営業なんてフツーじゃん?

24時間営業がどこまで広がるか、夜勤スタッフはどうやって集めるのか。具体的なことはまだわからない。

「24時間対応」というのは、薬剤師業界ではかなり衝撃的なものだった。「そんなんムリ!」「働き手が見つからない」と悲観する声をよく聞く。

ただ、一つ言えることは、

「24時間営業って、いまの時代、わりとフツーだよね」

ってことだ。24時間営業している仕事はたくさんある。ざっと挙げると、

・ファミレス

・コンビニ

・病院(夜間救急)

・ガソリンスタンド

・アマゾン(カスタマーセンターは24時間対応)

・マック

・牛丼屋

・メディア(ポータルサイトとか)

 

このあいだ起きた軽井沢のバス事故が起きたのも、深夜2時ごろだった(※1)。バスの運転手も深夜に働いている。

 

40年以上前からあったコンビニの24時間営業

24時間営業というのは、決して最近出てきたものではない。セブンイレブンは、1970年代初めには、すでにほとんどの店舗が実質24時間営業になっていた(※2)。もう半世紀近く前のことだ。

おそらく当時も、

「24時間だなんてムリ!深夜に働く人がいるのか!」

という反対意見はあったんじゃないかと思う。しかし、これはフタをあければ、世の中にはいろいろな生活スタイルや家庭の事情を持つ人間がいて、「深夜じゃないと働けない」とか「深夜の方が賃金がいいから働きたい」というニーズがあったのだろう、いまのところコンビニの深夜営業は破たんしていない。

先日、24時間営業を始めたらどうする?と同僚(登録販売者)に聞いたら、

「夜勤専門のシフトになるなら別にいい。採用時にその可能性も言われたし」

とケロリと言われて、マジすかと思った。ぼくの感覚からは信じられないが、捉え方は人それぞれだ。

コンビニが24時間化するのは、お客の利便性に応えるという理由だけではない。ライバル店との差別化を図ったり、売上を増やすことだけでなく、深夜に掃除や商品の品出し(納品)ができるため日中の労働量を減らすことができる。仮に人件費等で深夜帯だけ見れば赤字になったとしても、全体的に見ると24時間化にメリットがある(場合がある)。

いっぽうで、労働者に過酷な労働環境を強いている側面もあるため、「24時間営業は社会のためになるか」という議論は簡単に結論は出せない。

 

24時間営業を当たり前にしたのは誰?

今回のドラッグストア24時間化の流れに、

「そんなんやめてほしい!」

と思っているドラッグストア勤務者は多いと思う。自分が夜勤シフトになる可能性がでてくるからだ。ただ、これはもう、止められない流れだ。すでに挙げたように、24時間営業は日本社会の”当たり前”になっている。

この当たり前に疑問を呈する声があることを、どれだけの人が知っているだろうか。

いっとき、三菱商事出身でローソンの社長に就いた新浪剛史さん(現サントリー社長)が、「コンビニ、24時間じゃなくてもいいじゃん」的な発言をしたときは、コンビニ業界の常識に疑問を投げかけたとして話題になったが、大きな流れにはならなかった(※3)。

24時間営業は地球温暖化を進めるとして(実際はほとんど温暖化には影響しないようだが)、自治体が「24時間営業」の自粛をコンビニ業界に求めたこともあるが、広まらなかった(※4)。24時間営業はコンビニ加盟店の犠牲で成り立っているという意見もあるが、世間の関心は集めてない(※5)。

ちなみに国外に目を向ければ、ドイツでは24時間営業を法律で制限している(※6)。

24時間営業が、決して合理的とは言い難いという声は事実ある。たとえば、大手コンビニの元本部社員が書いたコチラの記事とかはわかりやすい↓

www.itmedia.co.jp

 

資本主義だからしょうがないって?他人事だからそういえるんじゃないの

「資本主義なんだから、しょうがないじゃん。そんなん企業の自由だよ」とか言う人は、ちょっと呑気な人かもしれない。

従業員のメンタルケアが企業に義務付けられている。残業や過酷労働をさせないように社会全体の制度が動いている。なのに、深夜シフトは俎上にのらない。

無関心にさせるように、あるいは24時間営業がいいかのように、業界団体の経営者たちは努力してきた。コンビニなら、「24時間営業だから、明かりが灯って地域の治安がよくなる」とかいってね。24時間営業の問題に興味のない人は、それを聞いて「そんなもんかな」と納得する。

24時間営業は便利だ。間違いない。ただ、自分の身に災難が降り注いできたときは、いつだって”あとの祭り”である。ちなみに、今回書いたことは、ほとんどが今回調べたことだから、ぼくも無関心だった輩の一人である。

いまさら24時間営業が嫌だって?

もうおそいんじゃないか。ぜんぜん、おそい。

 

※1東京新聞:バス事故から1週間 午前1時55分、悲しみ静かに:社会(TOKYO Web)

 ※2店名を7-Elevenへ|セブン‐イレブン~近くて便利~

※3オーナー高齢化に対処、ローソンが24時間営業を一部廃止へ。 | Narinari.com

※4深夜営業の自粛要請にコンビニ業界が猛反発 | 企業戦略 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

※5http://www.zenshoren.or.jp/gyoshu/service/080721-05/080721.html

※6【速報】ドイツでもついに24時間営業を許可 [ドイツ] All About