ドラッグストア業界の年に一度の大型企画
「ドラッグストアショー」(主催:日本チェーンドラッグストア協会)へ、先月18日行ってきた。
イベントは金~日曜日の3日間開催された。金曜日は関係者のみ入場可能な商談日で、土日曜日は一般の人たちにも開放。ぼくは金曜日に参加した。
今年で16回目を迎えるこのイベントは、ドラッグストアの商品のメーカーが出展し、自社の商品の魅力をアピールする、ドラッグストア業界の年に一度の大型企画だ。来場者数は10万人を超える。来場者の半分を一般の人たちが占めるのがおもしろい。理由ははっきりしている。メーカー各社が用意する大量の試供品だ。一般参加者が何十もの試供品を”戦利品”として持ち帰るのが、毎年恒例の光景になっている。
イベントの本来の目的は、セルフメディケーションをどうこうあるらしいけど、そんなことを深く考えている参加者は、ほとんどいないんじゃないだろうか。ま、いわゆるひとつの、お祭りです。
とにかくすごい動員数なので、試供品を入手するは、決してラクではないみたい。
試供品は医薬品から日用品、美容関係などにとどまらず、ドラッグストアで扱っているものならなんでもアリ。過去には「ラブローション」の試供品も配っていたらしい。
すごいなほんと。
蝶野正洋さんや、人気AV女優さんも登場!
会場では著名人を呼んでイベントも開催される。
今年は、レスラー・蝶野正洋さんの「蝶野正洋さんの世界一楽しいAED講座」があった。これはまだいいのだけど・・・
去年は人気AV女優の小島みなみさん、紗倉まなさん、上原亜衣さんを呼んでのトークショーがあったという。一体なにを話したのか気になる。
会場全体を見回すと、一般参加者を対象にした企画が多い。ここで商品を一般向けに紹介するって、果たして効果的なのだろうか。
ぼくの同僚のベテラン登録販売者(40代)は「昔と違って、いまは一般向けのイベントになっちゃってて、なんだか行ってもつまんないんだよね」とぼやく。
製薬メーカーは、簡単なクイズなどを用意して、それに回答した参加者に薬のサンプルを配布していた。クイズは「**製品(ビタミン薬)は一日1回服用する。マルかバツか」みたいな、なんら実務に役立たないものばかりだった。
試供品がズッシリ。こんなにいらないよ・・・
ぼくは一人で医薬品のメーカーのブースに行って、新商品の特徴などを聞いたりして回った。首に名刺をぶら下げて歩いていると、ブースを展示している企業担当者から声をかけられて「挨拶を」「挨拶を」と次から次へと紹介されて、あっという間に名刺がなくなった。
ぼく、試供品なんか全然ほしくなかったのだけど、メーカー側はどんどん渡してくる。1個2000円くらいする商品までもらってしまった(会社という肩書があるとこうなるのが、世の中なわけですよ)。おかげで、一通り回るころには試供品がズッシリ。重い。やめて。持って帰るのめんどいから。
試供品もらって使用感を確かめるのも仕事のうちではあるけど。
セルフメディケーションアワードの挑戦的取組み
業界関係者は新商品を物色し、一般の参加者はサンプルをゲットする――そんなイベントである。
そんななかでぼくが聞きたかったのが、「セルフメディケーションアワード」だ。
全国のドラッグストアから、セルフメディケーションの実践例を紹介して、優秀賞を決めるプレゼンが行われた。プレゼンは会場の一角のスペースで行われた。聴衆は御世辞にも多いとは言えなかった(人数は数え忘れたが100人弱だろうか)。発表者の同僚が多かったのではないか。
発表者には若手が多く、その発表内容にはやや物足りなさがあったが、「競歩」で全国6位の経験のある、新卒一年目の男性の取り組みはおもしろかった。
自分の特技を生かして、高齢者に「正しいウォーキング」の講座を開いたり、薬剤師や登録販売者に講義したりしているという。いいですね~、ぼくも受けたいくらいだ。
彼は薬剤師でもなければ、登録販売者でもないようだった。これからのセルフメディケーションは、この男性のような存在が必要になると思われる。
アワードのラインナップはコチラで読める。
http://www.jacds.gr.jp/award/11th_award_excellent%20essay%20collection.pdf
アワードの発表プレゼンを、ぼくは途中で退席してしまったが、これこそがドラッグストアショーのメインイベントだと思った。試供品配布は”おまけ”でいいんじゃない。もっと、夢と実のあることやろうよ。