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「蘭州 金匱腎気丸」という薬の気になる成分

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見るからに効きそうな薬

市販薬には「秘薬」の響きを持つ薬がある。

「蘭州 金匱腎気丸(きんきじんきがん)」という薬は、金色に装飾された箱に入った、みるからに”効きそう”な市販薬だ。

【第2類医薬品】蘭州金匱腎気丸 360丸

【第2類医薬品】蘭州金匱腎気丸 360丸

 

その効果は、「下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、軽い尿漏れ」。名前に腎臓の「腎」がつくだけあって、おしっこ関連の症状に効く薬だ。

 

秘薬の正体は、あの有名な漢方薬

さて、本当に効くのか。効きそうだ。ビジュアル的には。アマゾンでは15日分で3078円で売られている。値段が高いと、効き目がいいように思えてしまう。

しかし、よくよく成分をみると、この薬には見覚えがある。その成分は「ジオウ、サンシュユ、サンヤク、タクシャ、ブクリョウ、ボタンピ、ケイヒ、ブシ」。

わかるひとにはわかるだろう、これは漢方薬としてお馴染みの「八味地黄丸(はちみじおうがん)」である。

メーカーのウェブサイトには「原処方名」の欄に、たしかに八味地黄丸と書いてある。

蘭州金匱腎気丸-お年寄りの頻尿・四肢の冷えに:八ツ目製薬株式会社

えー、じゃあ、商品名も「金匱腎気丸」じゃなく「八味地黄丸」と書けばいいじゃない。

 

成分量を見比べてみたら・・・

八味地黄丸は、病院でも処方される薬だ。医療用と、一日量の成分を比較してみる。

医療用の八味地黄丸(ツムラ)の成分

ジオウ6.0g

サンシュユ3.0g

サンヤク3.0g

タクシャ3.0g

ブクリョウ3.0g

ボタンピ2.5g

ケイヒ1.0g

ブシ末0.5g

 

蘭州金匱腎気丸の成分

ジオウ 1.2g

サンシュユ0.6g

サンヤク 0.6g

タクシャ 0.45g

ブクリョウ 0.45g

ボタンピ 0.45g

ケイヒ 0.15g

ブシ 0.15g

 

ケタがちがう・・・。医療用と比べると、かなり薄い内容になっている。もちろん、製法や原材料などによって漢方の効き目はかわるという話もあるので、成分量だけで単純に優劣はつけられないのだけど、それにしても成分量に差がありすぎる。

しいて蘭州金匱腎気丸の優位性をいうならば、添加物にハチミツを使っていることだろうか。

 

あえてお客に勧める理由が見当たらない・・・

市販薬では、これよりも成分量が多く、値段も安い八味地黄丸がある。ぼくは「金匱腎気丸」を使ったことがないし、効果を示したデータを見たことがないし、また使用した人の話も聞いたことがないのだけど、仮にうちの店にこの薬があったとしても、あえてお客に勧める理由はいまのところ見当たらない。

ちなみに、市販薬で八味地黄丸といえば、一般的にはこれ↓

【第2類医薬品】「クラシエ」漢方八味地黄丸料エキス錠 540錠

【第2類医薬品】「クラシエ」漢方八味地黄丸料エキス錠 540錠