読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

鎮痛薬「イブ」が「バファリン」よりも優れていそうなところ

f:id:kuriedits:20160616120555p:plain

あえてバファリンを勧めることはなさそう

ドラッグストアにはいくつか鎮痛薬が置いてあるけど、中には積極的に購入すべき理由が見当たらないものがある。少なくとも、ぼくにとっては。代表格は「アスピリン(アセチルサリチル酸)」だろう。「バファリン」の名前で有名なあの薬の成分である。

【指定第2類医薬品】バファリンA 80錠

【指定第2類医薬品】バファリンA 80錠

 

アスピリンは病院でも処方される薬だが、ふつう痛み止めとして使われるケースは、ほぼないというのがぼくの印象だ(アスピリンがダメな薬というわけではなく、心臓や血管の病気など痛み止め以外の症状に使われる)。

というのも、アスピリンはすごく古い薬で、いまでは鎮痛薬として適当な薬が他にあるからだ。市販薬に限っていえば、その代表格がイブプロフェンという成分だ。商品名でいうと、「イブ」である。

【指定第2類医薬品】イブ 36錠

【指定第2類医薬品】イブ 36錠

 

イブプロフェンは、アスピリンの弱点を克服するために作られた薬だ。その経緯をちょっと紹介する。マメ知識。

 

副作用防止のために開発された「イブプロフェン」

イブことイブプロフェンは、イギリスのブーツ社によって作られた。発見したのはアダムさんという研究者で、同社の研究部門に身を置いていた。

そのころの彼の仕事は、副作用が少なく効き目の高い鎮痛薬を作ることだった。

当時はアスピリンが鎮痛薬として有名だった。アスピリンは1897年に、初のNsaids(非ステロイド鎮痛薬)としてドイツで開発された。高い鎮痛作用が特徴で、世界中で使われるようになった。ところが、アスピリンには大量に摂取すると重篤な副作用が生じることがあったため、イギリスでは1950年代には人気を失うことに。

アダムさんの仕事は、アスピリンに代わる、副作用の少ない鎮痛薬を作ることだった。10年越しの研究の末、イブプロフェンを開発。ブーツ社が1962年に特許を取り、7年後に病院で出される処方薬として発売された。

市販薬としてドラッグストアで売られるようになったのは1983年。アメリカでも翌年から市販化された。日本国内で有名な市販薬「イブ」は、1985年に発売された(※1)。

アダムさんの物語はBBCのニュースにまとめられている。とてもおもしろいので、ご一読を↓

www.bbc.com

こうした開発経緯をみればわかるとおり、イブプロフェンはアスピリンの欠点を補って生まれた。市販の「イブ」や「バファリン」には、胃を保護する成分なども一緒にしているので、どちらが胃に優しいかという判断はおいそれとはできない。イブよりもバファリンのほうがよく効くと感じる人もいるだろう。それはそれでいいのだけれど、積極的に「バファリンの方がいいですよ!」と強弁できる材料はあまりないようにぼくは思っている。

 

あの薬の名前の由来は・・・

ところで、ここまで読んで、市販薬に詳しい人はピンときただろう。イブプロフェンの開発者はアダム(Adam)さんという。

アダム?んん?鎮痛薬でアダムといえば・・・これでしょう!

【指定第2類医薬品】アダムA錠 120錠

【指定第2類医薬品】アダムA錠 120錠

 

 「イブ」と同じ成分で、値段がすごく安い薬「アダム」。アダムとイブにかけて、ネーミングされたのではないか、というのがドラッグストアに勤務する人たちの考えだ。

いやいや、まってください。イブプロフェンの開発者であるアダムさんへのリスペクトからこの前を付けた。そう思いませんか!そうでしょう!!

 

販売元「皇漢堂」に聞いてみた

さっそく、販売元の皇漢堂製薬という会社のお客様センターに聞いてみた。

ぼく「御社の製品『アダム』の名前の由来ってなんなんでしょうか?」

相手「えー、それは、色々と検討しまして・・・」

ぼく「イブプロフェンの開発者の名前からとったんですか(そうですよねっ?)」

相手「え?はあはあ。まあ、色々検討しまして」

ぼく「(え?ちがうの?)。名前の由来は公表されてないんですか?」

相手「ええ、まあ、特に」

ぼく「・・・・」

 

ちがうんかい!!相談センターの人は、どうやら名前の由来をしらないようだった。余計なお世話かもしれないけれど、もし、開発者の名前からとったのだとしたら、ちゃんと答えられるようにしておいたいいと思う。

「アダムって薬、イブからパクッったんでしょ。さすが皇漢堂だよね」

というのが、たぶんドラッグストア関係者の見方だから。皇漢堂に勤める人達の名誉にかかわることだ。

drugstore.hatenablog.com

 

 

 ※1 なお、イブが国内初のイブプロフェン市販薬かどうかはわからなかった。おそらく、同時期に複数のイブプロフェン薬が市販開始されたのではないか。イブプロフェンの市販化の承認は、1985年11月である。昭和60年代~平成7年/250余年のあゆみ(歴史)/企業情報【エスエス製薬】