飲みこむ時のつっかえ感に使う薬、君の名は。

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とりあえず薬剤師に相談してみたら?

食べ物がつっかえた感じがするんですけどー。そんなお客が時々ドラッグストアに来る。「つっかえ感」というのは、実は重い病気からくる症状だったり、薬の副作用の可能性がある。「つっかえ感」はドラッグストアではマイナーな症状なので、店頭で一人で薬を選ぶことが難しい。

だから、とりあえず、薬剤師に相談してみたらいいと思う。つっかえ感の原因を探る方法は色々ある。一例として、ぼくが知ってるごく簡単な方法を紹介する(自己診断の紹介ではないのであしからず!ちゃんと医師に診てもらってね!)。

 

怖い病気が隠れていることも・・

つっかえ感には、喉のつっかえ感と、食道のつっかえ感がある(※1)。喉のつっかえ感は飲みこんだ直後に、食道のつっかえ感は飲みこんで少し遅れてでる。

食道のつっかえ感の場合、「固形物」を飲んだ時に喉に異常感がある場合と、「固形物」と「液体」のどちらも異常感を感じる場合がある。この2パターンは、症状の原因を探る一つの手がかりになる(※1)。

液体は痛くないのに固形物は痛い、という場合は、なんらかの原因で物理的に狭まっている可能性がある。例えばガン(腫瘍)で塞がっているとか。体重も減っているようなら、すぐに病院へ行って検査を受けたほうがいいと思う。耳鼻咽喉科がいいだろう。

 

原因は食道の筋肉。君の名は。

固形物だけでなく液体を飲んでも異常を感じる。この場合は、例えば「アカラシア」という病気が考えられる。10万人に1人の稀な病気だけど、可能性としてはあり。

食道と胃をつなぐ部分には、「下部食道括約筋(LES)」という名前の筋肉がある。縮んだり緩んだりすることで、食べたものが食道と胃で行ったり来たりしないようになっている。この筋肉がうまく働かないと、食べたものが食道でつっかえたり、胃の内容物が食道に逆流したりする。筋肉が収縮しすぎる症状を「アカラシア」、逆に緩みすぎて胃酸が食道に逆流すると「胃食道逆流症」などと診断される(アカラシアでも60%は逆流症状がある※2)。

アカラシアの典型症状は、飲みこむ時の異常感。とくに、冷水を飲むと症状が悪化する(※2)。ガンのように緊急性の高い病気ではない。でも、放っておくと食道が痛んでガンに発展することもあるので、早めの受診をお勧めしたい(※2)。

 

薬の副作用の場合もある

ちなみに、「アカラシア」と「逆流性食道炎」では治療方法が異なってくるのだけど、この2つは症状が似ているところがある。医師が勘違いすることもあるらしい。逆流性食道炎だと思って薬をずっと出していたが治らず、検査したら実はアカラシアだったという話がある(※1)。治りが悪い時はちゃんと検査してもらったほうがいいかも。

つっかえ感を起こす原因は他にもある。薬の副作用も、そのひとつ。向精神薬は飲みこむ働きを低下させる。アレルギーの薬や利尿剤は口を乾かせて、これが「ものが飲みこみにくい」という症状になるケースもある(※3)。

薬剤師は医者じゃないので、何の病気かを当てる(診断する)のは仕事じゃない。でも、薬剤師と話すことで「ああ、いろんな病気の可能性があるんだな」とわかってもらえると思う。病院へ行く背中を押してもらえる。気楽に薬剤師に意見を求めたらいいんじゃないでしょうか。

 

ドラッグストアで買える薬

さて、ドラッグストアで買える、つっかえ感の薬は何があるのか。

喉が乾燥しているなら漢方薬の「麦門冬湯」(※3)、胃腸障害が原因なら胃酸を抑える薬や、胃腸の動きを高める漢方薬「六君子湯」(※3)、喉の異常感に強い不安を感じていて心因的なものも原因に考えられるなら「半夏厚朴湯」(※3)などが挙げられる。

基本的には受診。軽い症状であれば、市販薬でも改善が見られるんじゃないかとぼくは思う。改善例を知ってるわけじゃないけど。ドラッグストアには、「つっかえ感コーナー」といったわかりやすい案内板はない。薬剤師に一声かけて話してみてほしい。ちゃんとした薬剤師であれば、ここに書いたこと以上の情報をくれるだろう。

 

 

※1ケアネットTV「聖路加GENERAL<消化器内科> - 第5回、第6回」

※2「日常診療における消化器治療薬の使い方」(中外医学社)

※3雑誌「耳鼻咽喉科・頭頸部外科 2015年12月号 特集 漢方薬を使いこなす」