アマゾンが第一類薬を開始!どこよりも詳しく価格、利便性、安全性を報告します

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アマゾンの薬の価格、利便性、安全性は?

ロキソニンやリアップなど「第一類医薬品」と呼ばれる薬の販売を、アマゾンが4月17日から始めた。この件、ここ2年間色んなドラッグストア各社のサイトで医薬品を購入してきた自称”医薬品ECソムリエ”のぼくが、どこよりも詳しく解剖させていたたこうじゃありませんか。

【第1類医薬品】ロキソニンS 12錠 ※セルフメディケーション税制対象商品

【第1類医薬品】ロキソニンS 12錠 ※セルフメディケーション税制対象商品

 

  

意外とオーソドックスなアマゾンの販売方法

アマゾンで第一類医薬品を購入する手順は以下の通り。極めてオーソドックスな方法で、同業他社もほぼ同じ方法で販売している。もちろん、法律上の問題点はない。

①商品をカートに入れる

②年齢、副作用経験の有無などを7項目の安全確認(問診票)にチェックを入れる

③薬の説明書が表示され、薬の説明を理解したことを確認する蘭にチェックを入れる

 

価格は横並び。雌雄を決すのは「配送料」

値段はどうか。ロキソニンs(12錠)の価格を比較する(ポイント付与は除外)。

アマゾン693円

マツキヨ699円

サンドラッグ525円

ロハコ699円

ツルハドラッグ698円

ココカラファイン700円

ケンコーコム699円

サンドラッグがバカ安いのを除けば、各社ほぼ横並びである。

問題は、各社が設定している送料無料となる購入額ラインだ。サンドラッグはロキソニン自体の価格は安いが、3066円以上購入しなければ送料がかかる、マツキヨは1980円以上で送料無料。アマゾンは以前は送料無料にしていたが、現在は2000円以上購入で送料無料だ。ネット販売各社は、一部の例外を除き、こうした送料無料となる購入額ラインを作っている。

ただし、アマゾンの強みは、年会費3900円のプライム会員だ。同会員は1点から送料無料。ぼくはプライム会員なので、単品価格693円でロキソニンをネット購入できる。プライム会員なら、間違いなくアマゾンで購入するのが安い。

 

宅配スピードは薬剤師の数次第

医薬品をネット注文した場合、到着までの時間を決めるのは、宅配会社ではなく注文を処理する薬剤師の数とその勤務時間だ。

第一類医薬品は、服用の安全性を薬剤師が必ず確認する。注文量と比べて薬剤師の数が少ないと、薬剤師が注文を処理するのが遅くなり、商品が自宅に届くまでの時間が延びる。

ここで重要になるのが、薬剤師の勤務時間だ。一般的なドラッグストアでは、閉店時間まで薬剤師がいることは少ない。パート薬剤師は夕方くらいなや帰宅してしまう。薬剤師がいなければ、安全性の確認ができず、商品を発送するまでの時間がかかる。たとえば、薬剤師の勤務が10時~19時の場合は、我々が19時以降にネットで注文した分は、翌日の10時以降に薬剤師が目を通すことになる。これがネット注文の弱点だ。

ネット上で第一類医薬品を注文してから商品が自宅に届くまでは1~3日であることが多い。いまのところ、アマゾンでもほぼ同じリードタイムで商品が届くようだ。ぼく以外にもアマゾンで第一類医薬品を注文した薬剤師さんがいて、彼は注文から2日後に商品が到着した。しかし、ぼくの場合は安全確認で躓いたせいか、注文から発送まで3日を要した。これはかなり遅い。

industrial-pharmacist.com

 

「アマゾンで薬が24時間買える」は間違い

配送スピードの話をもう少し続ける。

今回アマゾンが第一類医薬品の販売をスタートさせた際、ネットメディアが「24時間いつでも購入できる」と報じたが(※)、これは誤りである。アマゾンの薬剤師の勤務は9時~18時なので、この時間しか薬剤師の安全性確認は行われない。「24時間いつでも購入できる」のではなく、「24時間いつでも注文できる(カゴに入れられる)」にすぎない。

では、24時間薬が買えるサイトはないのかといえば、実はある。医薬品のEコマースでは有名な「ケンコーコム」という楽天傘下の会社があるのだが、ここは正真正銘24時間、薬を販売している。薬剤師を大量に雇用し、24時間対応するクレイジーな路線をとっている。ケンコーコムの驚愕すべき第一類医薬品販売の方法は、稿を改めて書きたい。

また、宅配スピードは薬剤師次第と書いたが、厳密にいえば医薬品を発送する店舗の地理も関与する。アマゾンの医薬品は東京都内から発送されるので、関東圏に在住の人は、それほど時間はかからない。しかし、たとえばツルハドラッグは、医薬品の発送拠点を島根県の東出雲町という場所に置いている。ここから東京へ発送する場合は、当然いくらかの時間を要す。

自分がどこに住んでいるかで、宅配スピードに多少の差が出てくる。

 

薬剤師による安全性確認の質は?

薬剤師がちゃんと安全確認しているのか?これも重要だ。第一類医薬品のネット販売は、利用者がウェブ上で問診票と呼ばれる安全確認のチェックシートに入力回答し、それをもとに薬剤師が安全性を確認し、不適切な使用と判断した場合は注文をキャンセルすることになっている。この薬剤師による判断は、法律で課せられた義務だ。

ただ、実際に薬剤師がどれだけ安全性を確認しているのかは、ネット上のやり取りなので外部から見えにくい。

ぼくはいままで色々なドラッグストアのサイトで薬を注文してきたが、その中には、あえて通常の薬剤師であれば注意喚起か、販売中止するような文言を入れて、薬剤師がちゃんと安全性確認をしているのかを試したことが何度もある。残念ながら、薬剤師的にアウトな対応をとっていた大手サイトがあった。

 

アマゾン薬剤師からの電話

さて、今回ぼくはアマゾンで第一類医薬品を注文した。先述のような”ひっかけ”は作らず、安全確認の項目には素直に記入をしたので、すんなり通過するだろうと思っていた。

ところが、アマゾンから、

「薬剤師より直接ご使用者様の状態確認が必要と判断いたしました」

とメールが来たから驚いた。

詳細は身バレするのでここに書くことはできないが、他のサイトであれば、電話ではなく、メールに「****する使い方はしないでください」といった文言を添えて”注意喚起した”というアリバイを作って済ませるのが一般的だ。わざわざ電話で確認するとは。

メールに添付されたリンクをクリックすると、アマゾンのカスタマーセンターへつなぐフォーマットが表示される。これは、医薬品以外の商品についてカスタマーセンターへ問い合わせるのと同じ方法だ。自分の電話番号を入力してクリックすると、自動的に自分に電話がかかってくる仕組みになっている。利用者側に通話料がかからないのだ(これを初めて体験した時は感動した!)。

電話がつながるとアマゾンの女性薬剤師が自己紹介をして、安全性確認の内容を訊ねて来た。ぼくが使用目的を説明すると「それでしたら問題ありませんね。このお薬は一日〇回服用、〇〇服用して改善しない場合は医療機関にかかってください」「他にご質問はありませんか」と言った。この薬剤師は子細に状況を質問してきた訳ではないが、世間のネット販売の相場と照らし合わせれば、及第点といっていいだろう。

 

問診票は簡素で最低限の内容

他のネット医薬品販売サイトと比較して、アマゾンが怠惰であるというわけではなさそうだ。もっとも、スタートしたばかりなので、注目されることを見越して神経質になっているという事情は差し引いて評価すべきではあるだろう。

気になったのは、アマゾンが用意した問診票(注文時に利用者が入力する安全確認項目)が、非常に簡素だったことだ。質問は全7項目、そこに特筆するような工夫はなかった。たとえば、イオンのネットでの第一類医薬品販売は、問診票に「購入するお薬を続けて服用(使用)している」という確認項目があるように、各社の個性が問診票には出る。アマゾンの問診票は他社と比較してかなり簡単な内容だ。そのぶん、電話で詳しく話を聞くという方針ならばよいが。

総合すれば、アマゾンの安全性の担保は、まだ未知数といった印象だ。

 

結論、アマゾンの第一類医薬品サービスは・・・

というわけで、現時点でわかるアマゾンの第一類医薬品の質をまとめる。始まったばかりで混乱もあるだろうから、今後改善される部分もあるだろう。

価格→並。ただしプライム会員なら送料無料なので安い。

配送スピード→並〜下

安全性→未知数

ところで、みなさん、アマゾンって薬も売ってたのね、と思った方は多いんじゃないか。アマゾンの薬の販売システムについて、もう少しマニアックなところを、次回に書きたい。

 

 

Amazon、1類医薬品の販売開始 ロキソニンなど取り扱い - ITmedia ビジネスオンライン