遅れてきた進撃の巨人、アマゾンの第一類医薬品販売③

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第一類医薬品の販売と薬剤師

「ただいまの時間は薬剤師が不在のため、第一類医薬品をお売りできません」

そんな立札をドラッグストアの店頭で見たことのある人は多いと思います。

薬剤師がいなくては第一類医薬品は販売できません。これは法律で定められています。

第一類医薬品のネット販売を始めたアマゾンにも薬剤師がいます。薬剤師にとってアマゾンで働くというのは、どういうことなのか。

薬剤師業界の就職事情について書きます。

 

薬剤師にとって「調剤業務」は職能の生命線

多くの薬剤師にとって、大学卒業後の職場とは「病院」か「薬局」です。彼らの仕事は、ドラッグストアで販売している市販薬ではなく、病院で処方される”医療用医薬品”と呼ばれる薬を患者に与えること。医療用医薬品を調剤することが、彼らの職能の中で最も収益を上げられる分野であると同時に、そのスキルは薬剤師として長く安定して働くための生命線となっています。

はっきりいえば、市販薬よりも医療用医薬品について知っている方が、安定した高収入を得られるのです。大手ドラッグストア各社は、社員薬剤師をドラッグストア部門から調剤部門に移動させてきました。調剤業務が市販薬販売業務よりも収益性が高いためです。

近年、調剤業務をせずに市販薬だけを販売するドラッグストアの薬剤師求人募集は少数です。たしかに、お客の人気が高い第一類医薬品を販売するには薬剤師が必要です。でも、それ以外の第二類医薬品、第三類医薬品を販売するのは登録販売者という資格者でも可能です。時給2000円の薬剤師を雇うのは高コストだと考えて、第一類医薬品の販売を止めて薬剤師にも辞めてもらった。そんな話もあります。

 

アマゾンで働きたいか?

こんな状況なので、薬剤師がアマゾン社を職場にするというのは、かなり珍しい選択というか、特異な部類になります。

アマゾン社が運営するドラッグストア「アマゾンファーマシー」は、病院で処方される医療用医薬品を扱いません。もし、アマゾンファーマシーをなんらかの理由で辞めることになった場合、薬局や病院に戻るためのスキルが失われてしまう可能性があります。日進月歩の医療の世界でブランクが生じることは、薬剤師にとっては不安以外のなにものでもありません(とぼくは思います)。

 

アマゾン社の薬剤師は増えるか?

労働環境も、病院・薬局とはまるでちがいます。ネット販売では、リアルのお客・患者と接する機会は激減する。生身の人と接せず、パソコンに向き合う時間が多くなる。これを嫌がる人もいるでしょう。

優秀で、ネットが好きで、しかもキャリア上のリスクを恐れない・・・そうした条件の薬剤師を探すことは、ふつうの薬剤師を求人するよりもハードルが高くなります。

大手ドラッグストア各社はネット販売を手掛けているものの、ネット販売部門が会社の花形だという話をぼくは今のところ聞いたことがありません(聞いたことがないだけかもしれませんが・・・)。

ぼくの手元のメモでは、2016年1月時点でのアマゾンファーマシーの人員は、薬剤師3名、登録販売者1名でした。第一類医薬品を始めた2017年4月は、薬剤師7名、登録販売者1名と大幅に増えました。アマゾン社の薬剤師の数がさらに増えるかどうかは、第一類医薬品の需要次第でしょう。

 

 

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