イボには加齢に伴うイボと、ウイルス性のイボがあると昨日書きました。ウイルス性のイボの犯人は「HPV(ヒト・パピローマ・ウイルス)」といいます。そう、最近子宮頚がんワクチン問題で世間を騒がせているあのHPVです。
実はHPVにはいくつもの種類があり、それぞれ原因となる病気が異なるのです。ということは、治療薬も異なるということです。
どのタイプのHPVが、どんな病気を引き起こすのか。あいにく私はこの分野に詳しくありませんが、海外の専門誌の記事から引用するこのようになっています。
尋常性疣贅(ふつうのイボ)
HPVー2,4,7
扁平疣贅(へんぺいイボ)
HPV-3,10
足底疣贅(足の裏のイボ)
HPV-1,2,4
肛門性器癌(子宮頸がんなど)
HPV-16、18、31、33、45、51、52
Diseases associated with human papillomavirus infection - ScienceDirect
詳しく色々書いていますので、HPVに興味がある方は通読してはいかがでしょうか。英語が苦手な人には、ウェブ上で読める皮膚科の教科書「新しい皮膚科学」に類似の表が載っています(※1)。とにかく、HPVにはこのようないろいろなタイプがあるのです。上記の記事によれば、その数なんと120タイプだそうです。
子宮頸がんなどを除けば、一般的なウイルスのイボの治療は、飲み薬ではなく、液体窒素を使うことでしょう。あるいはサリチル酸と呼ばれる塗り薬です。
飲み薬であるヨクイニンは、ウイルス性のイボなら試しても良いのではないかとされています(※2)。青年性扁平疣贅(へんぺいイボ)には比較的良く効くという話がありますし(※3)、私自身も実際ヨクイニンを長期間飲み続けて扁平疣贅が消えた方も知っています(もっとも、薬が効いたわけではなく自然治癒した可能性もあります。若者のイボではそのようなことがあると見聞きした記憶があり、評価が難しいと思います)。
参考までに。
ちなみに、皮膚トラブルに関しては下の書籍がドラッグストアで働く薬剤師には大変お勧めです。
参考情報
※1下記PDFの23ページ
http://www.derm-hokudai.jp/jp/shinryo/pdf/23-02.pdf
※2
https://www.jstage.jst.go.jp/article/skinresearch1959/29/4/29_4_762/_pdf/-char/ja
※3