『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

2018年、風邪薬のルルが12歳未満に使えなくなった理由

風邪薬でお馴染みの「ルル」シリーズの一部が、12歳未満の子供に使えなくなりました。メーカー(第一三共ヘルスケア)が、2月に正式にリリースしました。12歳未満に使えなくなる風邪薬は、「ルル」「ルルゴールド」それから「プレコールエース」です。「ルルゴールドDX」は対象外です。

【指定第2類医薬品】新ルル-A錠s 150錠

【指定第2類医薬品】新ルル-A錠s 150錠

 
【指定第2類医薬品】新ルルAゴールドs 100錠 ※セルフメディケーション税制対象商品

【指定第2類医薬品】新ルルAゴールドs 100錠 ※セルフメディケーション税制対象商品

 
【指定第2類医薬品】プレコールエース顆粒 16包

【指定第2類医薬品】プレコールエース顆粒 16包

 

どうしていきなり?と多くの人はビックリするでしょうが、ドラッグストア勤務者にとっては「ああ、ようやくか」という感情の方が大きいでしょう。

実は昨年の時点で、市販薬の咳止め成分ジヒドロコデインは2019年までに12歳未満に使わせないようにすると行政が決めていたのです。

2017年6月22日、厚生労働省の検討会は、風邪薬や咳止め薬に含まれる「ジヒドロコデイン(を含むコデイン系)」という成分を、安全性の理由から12歳未満の子供に使用しないことを決めた。7月4日には同省から薬の説明文書(添付文書)を改訂することが発表された。今すぐ使用禁止にはせず、ジヒドロコデインを含む市販薬には、 「12歳未満の小児には、医師の診療を受けさせることを優先すること」 の一文がつくことになった。

咳止め成分「ジヒドロコデイン」子供向け薬の不都合な事実 - ドラッグストアとジャーナリズム

これを受けて、今回ジヒドロコデインを含むルルの説明書(添付文書)が変更されたというわけです。ジヒドロコデインに関しては過去にこのブログでも書いていますので、ご興味ある方はご一読いただければ幸いです。

drugstore.hatenablog.com

今回ひっかかるのは、なぜルルとルルゴールドが対象で、ルルゴールドDXは対象外ないのかということです。実はルルゴールドDXにもジヒドロコデインは含まれます。メーカーの販売店用リリースの文書には、今後切り替えていきます的な一文がありました。たぶん、社内の在庫などの問題があるのでしょう。しかし、消費者には非常にわかりにくくいですね。

なお、いま店頭で流通しているルル、ルル―ゴールドは、まだ12歳未満の小児に使えるような記載になっています。

消費者の知らないところで、市販薬は色々変更されているというお話でした。