『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

2019/5/20~5/24までの市販薬情報です

今週は、話題のドラッグストアコスモス薬局広尾店が調剤をスタートさせました。

私が広尾店に以前行ったときはまだ調剤はありませんでした。コスモスといえば食品が安いと聞いていたのですが、広尾店には食品はなく、店内もどちらかといえば狭かったですね。登録販売者の方に薬の接客をしていただきましたが、どうやら新米だったようで、説明は正直こころもとなかったです。新米なら仕方ないのですが、広尾店はコスモスの関東進出1号店なので、東のコスモスの顔なわけですから、当然精鋭スタッフを揃えてるのかなと期待してたので、新米資格者が接客していたのはやや意外でした。接客はとても親切でした。

薬の値段は、安いものはものすごく安いですね。高いものもありましたから、なんでもかんでも安くというわけではないようでした。あの超高所得者地域でどのようなサービスを展開されるのかが楽しみではあります。

そのほか、セルフメディケーション税制の見直しを求める業界の声などがありました。

それから、イーグルエナジーという、吸うタイプのカフェインがサンドラッグなどで発売されましたので使ってみました。匂いが栄養ドリンクそのもので、あれはビタミンB群の匂いに似てるのですが、それがのどに残りわたしには合いませんでした。スパスパ吸い過ぎないかな?という懸念も少しあります。

ところで、今週はテレビの「ハナタカ」という番組コーナーで、湿布薬の中には妊娠中に使ってはいけないものがあることを知っている人は3割という紹介をしていました。みなさんはご存じでしたか?

妊娠後期でのケトプロフェン使用で胎児動脈管収縮関連などの報告があるとして添付文書で妊娠後期で禁止されたのが2014年。他の痛みどめ薬(NSAIDSのロキソ、ジクロ、インド)は禁止ではないですが注意喚起の改訂がありました。いまの市販薬ですが、「オムニードケトプロフェンパップ」は妊婦さん禁忌で、「ボルタレン」も妊婦さん禁忌、「ロキソニン」と「バンテリンパップ」は医師薬剤師登録販売者に要相談となっています。・・・といっても、よくわからないと思いますので、気になる方はお店に相談してください。

それから、ピル(経口避妊薬)とトラネキサム酸の併用がツイッター上で少し話題になりました。米国のトラネキサム酸LYSTEDA (tranexamic acid) は併用禁忌だそうです。FDAの資料によると、治験では併用者は除外されていたのでそのリスクはわからなかったのですが、市販後調査で動脈/静脈血栓症の報告があり2013年に禁忌となっています。肥満、喫煙、35歳以上がリスク群のようです。

これについてのデータはあまりないようですが、薬剤師の小嶋さんのツイートによると米国以外では英国、ニュージーランドではピルとの併用は慎重投与だそうです。LYSTEDAは1300mg×3の5日間、本邦市販薬のトラネキサム酸(肝斑)は250mg×3の最長2か月と、両者の使用法は大きく異なります。総合すると、個人的な意見としては、いまのところおそらく問題はなさそうだけど、血栓症は命に関わる副作用なだけに、絶対だめだとも言い切れず、かといって許容するには少し勇気のいるような、ちょっと悩ましいところです。いずれにしろ併用する場合は慎重さが求められることには間違いありません。

詳細はこちらから検索して読めます。

https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cder/daf/