『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

2019/5/25~5/31までの市販薬情報です

今週は色々大きなニュースが飛び込んできました。

まず、「エフコート」「フッ素メディカルコート」などのフッ化ナトリウム洗口液と、「チェックワンLHⅡ」などの排卵日予測検査薬が、第1類医薬品から変更する検討が厚労省の調査会で行われたようです。

さらに、ロキソニンテープは要指導医薬品から第一類医薬品に変わる方向で進められているようで、これによって一度に購入できる枚数の制限が緩和されるとともに、代理購入可能、ネットでの購入も可能となります。ただ、購入時に薬剤師の安全確認が必要であることは変わりません。

そのほか、医療用医薬品の抗コリン薬の添付文書(薬の説明書)が変更になるようで、ついでに市販薬も変わりそうです。市販薬の添付文書はとにかくアップデートに乏しいのでこれは大いに歓迎したいと思います。

マツキヨのPB品で医療用のヒルドイドに似た「ヒルメナイド」という製品があるのですが、このローションタイプが6/11に発売するそうです。

しかし、まあ、今週の一番のニュースはなんといっても週末に飛び込んできた、スギ薬局とココカラファインの経営統合でしょう。統合が実現すれば現在業界首位のウエルシアを抜きトップになります。

 ココカラファインと言えば4月にマツキヨと業務資本提携の話があったばかり。一体どうなるのでしょう。 スギとココカラの組み合わせも、マツキヨとココカラの組み合わせも、個人的にはどちらも違和感がありません。いずれもテクノロジーを用いて新しいことにチャレンジしている会社なので、どちらの組み合わせも良いのではないでしょうか。しいていえば、どんな決着であれ、いまのココカラファインのよいところはそのまま続いてほしいなあと感じます。

ココカラファインのよいところは、まずサイトの薬の情報が充実しているところです。資格者が商品を説明する動画があったり、ネット上で薬の情報発信をする強い意思を感じます。

また、販売に関しても、2017年に厚労省から12歳未満の小児にコデインを使わない通知が出された時、近所の大手ドラッグストアで自主的に注意喚起の掲示をしていたのはココカラファインだけでした。あれは本当に感動しました。ファンになりましたね。

企業同士がくっつくことはたくさんのメリットがありますが、失われるものもあります。企業文化の変化はもちろんですが、たとえば、ハックドラッグというドラッグストアを展開していたCFSコーポレーションという会社が昔ありまして、ここは2016年にウエルシア薬局に吸収されているのですが、ハック時代と現在のウエルシアの両方を知る人からは、在庫管理システムなどがウエルシア方式になり、ハック時代のほうがよかったのにという声を聞くことがあります。ハックシステムの方が本当に優れていたのかはわかりませんが、異なる会社が一緒になるというのは大変なことなんでしょう。

もちろん今回のココカラとスギは「経営統合」の検討であって、ハックとウエルシアの「合併」とは異なり、それぞれ法人はしっかり存続するわけですが、その影響がどのようにでるかはまだよくわかりません。働く人にとっても、利用者にとっても、よい方向に進むといいですね。

あと、今回のニュースを見ていてふと思ったんですけど、業界6位のスギと7位のココカラが一緒になると業界1位になるんですね。あっそうなんだと。それだけ業界が団子状態なんだなあと。自動車業界や通信業界などは6位と7位が組んだところで1位2位の企業の足元にも及びません(すべての業界の傾向を知っているわけではありませんが)。ドラッグストアの再編の話題はまだまだ続くのでしょうね。

以上、かなり雑な感想で申し訳ありませんが、業界ニュースについて思ったことをつらつら書いてみました。ま、市販薬業界がどうなろうと、わたしはわたしの仕事を頑張るだけです。