『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

2019/8/12~8/16までの市販薬情報です

今週はお盆休みということで・・・・ひとつだけ。米国のドラッグストアCVSが、環境に悪影響を与える成分を含む日焼け止めの販売を2020年までにやめると発表しました。CVSは2014年にタバコの販売を止めたことでも話題になりましたが、ここで注目したいのは、”やめる”というアナウンスしていることです。

日本のドラッグストアとはカルチャーが異なるなと感じます。

さて、今週は某全国紙の経済部の記者さんから取材を受けまして2時間ほど市販薬の問題点について話してきました。

市販薬って、全国紙でバーンと1面を飾れるような、社会的に重要で、かつわかりやすい問題点があまりないんですよね。わたしのような現場の人間が「これは大問題だ!」と思っているようなことでも、市販薬業界から一歩離れれば、言い方は悪いですが”取るに足らない、社会的に優先順位の低い問題”なのです。

生活面担当の記者さんは、もともと市販薬や健康に問題意識を持っているので、こちらの話に対してある程度よい反応をいただけるんです。でも、それ以外の分野の記者さんの場合は、そうではないんですね。それは、今回に限らずいままで他の全国紙の記者さんと話して感じてきたことなので、よくわかっているつもりです。つもりではあるんですけど、「ほーなるほど!それは問題ですね!」と取材者が言ってくれるような情報を提供できない自分が、とてもふがいなく感じます。

まあ、ようするに、今回の取材でも、そのまま紙面にできるような情報を相手に提供できなくて、とても悔しい思いをしたということです。完全に、わたしの能力不足です。しょぼーんとしました。はあ。

 

さて、もうひとつ。市販薬とは直接関係ないのですけど、今週は、

【withnews books『この顔と生きるということ』出版記念】  村本大輔が斬りこむ「見た目問題」 恋愛・就職・生きづらさ~当事者と語る

https://peatix.com/event/978564

というイベントに参加してきました。朝日新聞記者の岩井建樹さんの著書『この顔と生きるということ』の出版記念インベントです。

この顔と生きるということ

この顔と生きるということ

 

www.asahi.com

顔にアザやマヒ、変形など特徴的な外見の方々が生きづらさを抱え、社会の中で苦労することを「見た目問題」と言うそうです。イベントでは動静脈奇形の女性と、トリーチャーコリンズ症候群の大学院生の男性が登壇し、いろいろな話をしてくださいました。会場には、アルビノの方、太田母斑の方、そのほか、外見が特徴的な方々が聴講者として多数おられました。 

見た目問題・・・むずかしいですよね。ただ、わたしは、登壇したお二人の姿を、初めてみたときこそ驚きましたが、2時間もお話を聞いていれば、すっかり慣れてしまい、イベントの終わりの方では、顔に対してどうという気持ちは残っていませんでした。なんといいますか、”慣れ”なんですよね。それに、お二人がとてもいい話を、ときに笑い話を交えながら話してくださるので、顔の事はちょっとどうでもよくなりました。

イベントが終わって感じたことは、顔に障害のないわたしのような人間が「見た目問題」を抱える方々に接するときでも、とくべつ緊張したり、必要以上に気張ったりする必要はないんだということです。

ああいう顔をしているから、苦労の多い人生を歩んできたのだろうな・・・とか、

ああいう顔をしているから、とてもナイーブな性格なんだろうな・・・とか、

そういう『ああいう顔をしているから』という考えからくる憶測はしないほうがいいんでしょうね。だって、偏見につながるから。もちろん、その憶測は正しいこともあるでしょうし、人間として配慮すべき部分はあるでしょう。でも、それはいったん隅に置いて、他の誰かと同じように向き合うのがいいのだとわたしは感じました。

病気を持つ、持たないの境界線は、あいまいだと思います。”生きづらさ”は彼ら固有の問題ではありません。じつは社会に多いとされるADHD(注意欠陥・多動性障害)の方々は、見た目問題は抱えていなくても、周囲から誤解を受けやすく、生きづらさを抱えているかもしれません。逆に、頭がよすぎて、天才すぎて、生きづらさを感じている人もいるかもしれません。すべて個性です。

とにかく、すてきなイベントでした。

さいごに、トリーチャーコリンズ症候群の石田さんが「自分の顔を見てビックリされること」についてお話されたなかで、正確な表現はちょっと思い出せませんが、印象的だった言葉をご紹介したいと思います。

思わず視線を向けてしまうのは仕方ない。その後が問題なのではないか。

「あっ!(びっくりして目をそらす)」と思うのか、

「ああ(そういう人もいるよねと許容する)」と思うのか。

彼らも、ふだんはきっと、市販薬を使う、一人の生活者。小売りの現場にいて、色々なお客さんに接する立場の人間として、大事なことを教えていただきました。ありがとうございます<(_ _)>