『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

2020/3/2~3/6までの市販薬情報です

今週も世間はコロナウイルス一色でした。

ただ、消費者の販売員への対応の問題がネットニュースなどで取り上げられたせいか、わたしの周囲でも「お客さんが少し優しくなった」という声が聞こえてきたのが今週でした。

ただ、マスク・消毒薬などの品不足は今も続いています。

聞かれるのはマスクなどだけではありません。

パルスオキシメーターという医療機器を聞かれるようになりました。どうやら最近、テレビで取り上げられようです。これは「高度医療機器」に当たる商品なので、どこでも販売できるわけではありません。

パルスオキシメーターとは?【コロナで注目される理由は何?】話題をチェック!|話題に困る日々が無くなるブログ

それから、アルコールを含んだ綿の問い合わせもありました。これは例えば糖尿病の方が自宅で注射器を使う際に用いる場合があるのですが、そのためのアルコール綿が不足しているのかもしれません(ただ、一般的に注射前のアルコール綿による消毒は不要とされています)。

まだまだ、この混乱は続きそうです。

さて、そんな中で気を取り直して今週の市販薬情報です。

目薬のスマイル40EXシリーズが3月から防腐剤不使用にリニューアルしました。既存の添加物成分の組み合わせにより実現。すでに他のスマイルシリーズでも使われている技術で、これによりシリーズの9割以上が防腐剤不使用になったそうです。防腐剤不使用はトレンドですね。

『マイティア®V』が4/1発売です。ニュースリリースでは一切スルーしてますが、製品写真を見て驚かれる方も多いはず。現行の「バイシン」の名前が変わっただけです。成分も同じ。製造販売がジョンソンエンドジョンソンから千寿製薬に変わってます。

のりもの酔い薬「トラベロップQQ」にゼリータイプが3/2発売しました。水なしで服用できるいちご味のゼリー。従来のドロップタイプは安全面から5歳以上だったが、今回はゼリーにすることで3歳から服用できます。ところで、3歳のお子さんも乗り物酔いはするのでしょうか?

 

ここから先は、薬剤師向けの専門情報として載せておきます。

医師が求める疑義照会に関するアンケート調査。調査方法のせいもあるのですが、市販薬などへの意識は低いことがわかります。当然ですね。医師には優先すべきことが多々あります。参考までに。 

セチルピリジニウムとリステリンの洗口液比較。歯肉炎等に差なし。そもそもリステリンに効果があるのか気になります・・・。

フェノチアジン系外用剤(もちろん内服ではありません)による光線過敏症の複数報告。フランスでは虫刺薬などに広く使われているそうです。日本では外用薬としては使いませんね。

オーストラリアではオピオイドODによる死亡を減らすために2016年からナロキソンを非処方薬として入手できるようになりました。しかし、その前後で供給量を調べたところOTCナロキソンへのアクセスへの影響はなかったことから、さらなる戦略が必要であるとしています。
制度を変えただけでは不十分。これは日本の制度にも当てはまることかもしれません。なかなか興味深い報告です。

FDAがイブプロフェン250mgとアセトアミノフェン500mgの合剤(Advil Dual Action)の市販薬を初承認。年内で米国内で発売するようです。オピオイドとの比較研究などもあり、今回の承認はオピオイドのOD対策の側面もあるのではないでしょうか(ちゃんと読めばそうした記述もありそうな)。

米国で新たに3つの成分を市販化。2/14にFDAがアナウンスしていました。ボルタレンゲルとオロパタジンの点眼です。スイッチ化され、処方されなくなるようです。こうした割り切った制度は日本とは大きく異なりますね。

これ何度か紹介しているかもしれませんが、カフェインの鎮痛補助効果について。参考までに。