『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

病院薬を市販薬にする検討会議開催。コンタクト用の高級目薬も新発売【2020/9/21~9/25のニュース】

今週は厚労省で市販薬に関する会議がありました。

「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」というもので、病院の薬が市販薬になるケースがあるわけですが、その決め方を話し合いましょうというものです。

やや乱暴に表現すると、国は病院の薬をもっと市販薬にしたいのですが、それが思ったよりもノロノロとして進まず、市販化がされていないので「どげんかせんといかん」と怒っている人たちがいる、というお話です(宮崎県とは特に関係ありません)。

今回の会議では、一般消費者、市販薬を販売している薬局、大学教授(研究者)という3者が参加してそれぞれの立場から課題点などを発表したようです。

資料集のリンクを貼っておきます。関係者は一読推奨です。

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198111_00008.html

これらの資料の一つにありますように、サプリ・健康食品市場規模は拡大傾向にある一方で、市販薬市場は横ばいです。市場は拡大すれば良いというものではありませんが、両者の差はどこから来るのかを考えるのは問題の整理として役立つと思います。

私も色々言いたいことはありますが、まずは、「セルフメディケーション=自己責任」という認識を変えるところから始めるのが良いと思っています。セルフメディケーションがあろうがなかろうが、医療は常に自己責任。セルフメディケーションを、責任の所在を語る概念に固執すると、損得の話になる。だからうまくいかないのだと思います。

 

さて、新商品情報。先週になりますがロートから2製品発売されています。

一つは15日発売の胃薬の「パンシロン アクティブ55」。ナトリウム・アルミニウム・ロートエキスを配合せず(マグネシウム・カルシウムはあり)、消化酵素が多め。15歳未満も服用可能。服用できる人の幅が広そうですね。

もう一つは20日発売の「Vロート コンタクトプレミアム」。コンタクト用の目薬は、有効成分が少ない傾向があるのですが、近年はその数もかなり増えて来ました。その流れの中で、さらに成分数を増やして来たのがこの商品です。今あるコンタクト用目薬の中で、一番成分が充実していると思われます。税抜き1500円。近年のコンタクト用目薬のトレンドを象徴するような新商品です。

コンタクトユーザーの目の悩みに多角的アプローチ!「Vロート コンタクトプレミアム」新発売 | ロート製薬株式会社

 

ところで先週発売したヒアレインSですが、まだ認知がされていないせいか、私の周りではお客さんはかなり少ないです。いくつかの大手薬局チェーンを見ましたが、扱っていませんでしたし(眼科門前を含む)、街の小規模調剤薬局では、そもそも市販化されたことを知らない薬剤師がいました。薬剤師のいる調剤併設型ドラッグストアではしっかり展開されていました。ヒアレインSはドライアイには使えませんが、ドライアイとパッケージに書かれた別の目薬と並べて展開するなど、苦肉の策が取られています。