『家庭の薬学』

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「赤トモズ」から「青トモズ」へ。おしゃれドラッグストアが看板をかけかえる理由

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ドラッグストアを知ろう

ドラッグストアを利用するなら、ドラッグストアそのものについても知っておきたいので、企業各社のことも書いていこうと思う。

今回は「トモズ」を取り上げる。他意はありません。最近、出先で利用したから、とりあげようかなと思っただけです。

 

おしゃれドラッグストア「トモズ」

赤地に黄色い十字架形のロゴ。それがドラッグストア「トモズ」の目印だ。

ガラス張りの外壁、明るくすっきりとした店内は、ぼくのなかではオサレーなドラッグストアの代表格。うちの地区にもあります。あまり利用してないけど。

さて、このトモズ、数年前から、店の看板を赤色から青色に徐々に書き換えている。なんで?赤に飽きたの?

 

特徴は「処方箋受付」「若い女性向け」

トモズは住友商事の新規事業として1993年、渋谷駅の隣の池尻大橋という場所に一号店を構えた。トモズの「トモ」は「友」。親会社の「住友」の「友」に由来してるらしい。あ、そうなの。「友達」の「トモ」とか、「共に」の「トモ」のほうがよかったな。

店の特徴は「調剤併設型ドラッグストア」。市販薬の販売だけでなく、病院の処方箋も受け付けることを原則としている(※1)。マツキヨなど他のドラッグストアでは、処方箋を扱わない店は珍しくないけど、トモズなら大抵の店で処方箋を受け付けてくれることがウリだ(全部ではない※2)。

品ぞろえや店の雰囲気も若い女性をターゲットにしているといわれている。女性の商品に疎いぼくにはよくわかりませんけどね。

 

カモン!男子!

そんなトモズが、創業から20年以上続けていた赤い看板を、青色に変えだしたのは2012年から。イメージカラーを変えて、それまで若い女性中心だったお客を、老若男女を問わず拡大するのが目的だったようだ。以降、既存店の看板を変え続け、いまは約140店舗のうち、50店舗超が「青トモズ」に変わった。最終的には全て「青トモズ」にして、”トモズは若い女性向けの店”という印象を払しょくさせるという(※3)。品ぞろえも、食料品の比率を多くして、”普段使い”を目指す店舗があるそうだ(※4)。

 

「トモズなら20~30代向けの商品が絶対売れる」から脱却

トモズ社長の師岡伸生さん(住友商事出身)は、2015年の雑誌インタビュー(※3)で、こう説明している。

「お取引さま(メーカーなど)も『トモズなら20~30代向けの商品が絶対売れる』と持ってくるわけです。それを見ている当社のバイヤーも勘違いしてそれを全部やるわけです。当社のコレド日本橋店や東京ミッドタウン店、ルミネ新宿店ではそれでも大丈夫なのですが、清瀬市東大和市など都心から離れた立地では売れないのです」

そりゃそうですよね。

最近のドラッグストアはどこも「調剤併設型」が主流になっているので、トモズも新しい客層の取り込みや差別化を求められているように見える。

赤い看板のトモズって、店の外観からして、いかにも若い女性向きの店だと感じるのはたしか。家の近くに「赤トモズ」がある人は、出先で「青トモズ」を見かけたら、ちょっと覗いてみてはどうだろう。いつもとは違う品揃えに、店の販売戦略を感じることができるかもしれない。

 

※1http://www.sumitomocorp.co.jp/business/article/id=226

※2ショップガイド|トモズ アメリカンファーマシー 株式会社トモズ

※3「ドラッグマガジン」(2015年4月号)

※4群雄割拠の健食薬系事情(32)~ドラッグストアの食品戦略(4):|特集・連載|株式会社データ・マックスの健康情報ニュース|健康食品・医療・介護に関わるニュース配信を行っています。