ドラッグストアと病院の「アズレン」の違いは?
以前、喉の痛み・イガイガに使う抗炎症成分「アズレン」を紹介した。
アズレンは病院で処方される薬(処方薬)なのだけど、ドラッグストアでも何種類か売られている(市販薬)。ドラッグストアでサクッと購入できるなら、わざわざ病院で処方してもらう必要はない。ただ、ギモンなのは、処方薬と市販薬は同じものなのかという点だろう。あと、市販のアズレン商品は、どうやって選べばいいか。
ドラッグストアのアズレンは濃度が半分
まず、処方薬と市販薬では、残念ながらアズレンの濃度が違う。
一例として、うちの近所で売っていた「パープルショットうがい薬F」(以下、パープルショット)「浅田飴AZうがい薬」(以下、浅田飴AZ)、そして病院で処方される処方薬「アズノールうがい液4%」(以下、アズレン)の3つを挙げる。
いずれの薬も有効成分はアズレンのみで、パッケージに表記された原液の濃度は次の通り。
アズノールー4%
パープルショットー0.4%
浅田飴AZ―0.5%
あらら、市販のアズレンは、医療用アズレンの約10分の1の濃度。10分の1しかないの?
いやいや、慌てなさるな。アズレンの使い方は、3つとも説明書にコップに注ぐ量が記載されており、原液を100mLの水かぬるま湯で薄める。この通りに作ると、100mL中のアズレンはだいたい次の通りになる(1mL=1gとして計算)。
アズノールー4~6mg
パープルショットー2mg
浅田飴AZ―2mg
ということで、市販のアズレンの量は、処方薬の2分の1もしくは3分の1ということになる。
ドラッグストアのアズレンの濃度は大抵、どれも同じっぽい
さて、次に市販薬同士の違いについて。
まず、各商品のパッケージに書かれたアズレンの濃度は判断材料にしないほうがいい。
上に記したとおり、パープルショットと浅田飴AZのアズレンの量は、パッケージでは後者のほうが濃度が高いけど、計算するとどちらも最終的には100mL中のアズレンは2mgになる。パッケージの濃度には大小があるけど、水に薄める滴量が異なるので、最後はアズレンの量が同じになってしまうのだ。
他の市販のアズレン商品(パブロン、エスコン)をいくつか見ると、案の定、アズレンの量はどれも同じになった。この2つね↓
市販のアズレンうがい薬は、おそらくだいたい(あるいは全て)100mLで薄めた時のアズレンの量が同じ。
なあんだ。ってことで、喉への効果はどれも同じと考えていいだろう。
価格と付属品に違いがある
でも、値段は商品によってちがう。今回購入したパープルショットは、うがい1回あたりの値段が浅田飴AZよりも高かった。
理由として考えられるのは、パープルショットには、100mLの軽量カップが付いていることだ。100mLをさっと計れて薄められるので便利っちゃあ、便利。
味はどうか。処方薬「アズノール」と一緒に、パープルショットと浅田飴アズレンを比べてみた。
結果は次の通り。
見た目→処方薬のアズノールが明らかに色が濃い
味→アズノールが一番スッとする
うがい感→アズノールはやたら口の中で泡が立つ
意外なことに、「パープルショット」と「浅田飴アズレン」はどちらも使用感に大差がなかった。あくまで個人的な感想だけど。
今回ぼくは2つの市販薬しか試さなかったので、他のアズレンの味はわからない。
価格については店頭によって大きく異なるので、お得に購入するには店頭で薬剤師・登録販売者に聞いてみてほしい。
ちなみに、アズレン液は見た目は青紫でエグいけど、口に含むとメンソールの清涼感が気持ちよく、クセのない味なので安心して使える(と僕は思いますけど、まあ味覚は個人差がありますからね・・・)。