富山の観光といえば「薬資料館」である
飛行機を降りる。製薬会社の奇抜な看板が目に飛び込む。ここ富山は、薬の王国らしい。
富山に行ってきた。
「薬の資料館に行きたいんですけど」
富山駅内にある観光案内所でそう訊ねれば、「ここと、そこと、あそこに――」と、女性スタッフが手早く案内してくれる。駅からわずか3.5キロ圏内に、観光地や資料館が4箇所ある。行きつくための市中バスに乗れば、地元製薬会社の名を冠した停留所が見えてくる。街を散策すれば、いたるところに製薬会社と、その看板が見える。
薬のみやこ「薬都とやま」と自ら称している。製薬会社で働く人の割合は、県内人口1万人当たり約80人(平成27年)で全国一位。全国で2番目に多い徳島県の45人、全国平均8人を、共に大きく突き放す。ちなみに、製薬企業に勤める薬剤師の割合は全国3位と、これも高い(※1)。
市販薬の資料館の数々。売薬の歴史がここに・・・
富山駅近くの観光地には、「富山市売薬資料館」「廣貫堂資料館」「薬種商の館」「池田屋安兵衛商店」がある。富山で薬が勃興した歴史を知るだけでなく、街のドラッグストアでは滅多にお目にかかれないレトロな包装の市販薬を販売。これらが人気らしい。こんなやつ↓
今回、廣貫堂資料館の館内を撮影した。受付スタッフさんが撮影OKと言ってくれた。館内は狭いが、展示されている資料が豊富なのと、説明がわかりやすい。
ちなみに、今回の旅行に先立ちVRカメラ「theta(シータ)」を購入した。
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こちらが当ブログ初の360度画像だ。
テスト投稿です - Spherical Image - RICOH THETA
魚眼レンズみたいに画面が不自然に歪んでる(はっきりいって観にくい)ので、普通の画像もアップする。
多くの産業が売薬業者によって出来た
さて、富山と言えば、「富山の薬売り」が有名。300年以上昔、この地の薬売りたちは、売薬業で成功をおさめた。儲けたお金は、薬以外の事業に流れた(※2)。銀行設立に動き、出資をする売薬業者が出てきた。驚くべきことに、地銀のひとつ「北陸銀行」の初代頭取は薬種商(いまでいう登録販売者)だった。県内初の水力発電を実現した富山電燈(現北陸電力)も、その設立発起人たちは11人中8人が売薬業者だった(※3)。繊維、運輸、水産、保険、出版にも、売薬業者たちは関わっていたらしい。ここまでくると、ちょっと怖いんだけど、話としては大変おもしろい。
市内を巡回する観光バスのガイドの女性が、
「北陸の観光と言えば金沢だけど、富山は税収が多いのよ」
と言った。ライバル心があるのか。調べてみたら、税収は金沢市のほうが多かった。
※1http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1208/00013949/00004601.pdf
※4平成28年度予算の税収を参照。790億円と720億円だった。