たぶんほとんどの人が市販薬の水虫薬をなんとなーく選んで、なんとなーく買っていると思うのですが、市販薬で水虫を治すのは実は注意が必要です。

【指定第2類医薬品】ブテナロックVαクリーム 15g ※セルフメディケーション税制対象商品
- 出版社/メーカー: 久光製薬
- 発売日: 2011/12/01
- メディア: ヘルスケア&ケア用品
- この商品を含むブログを見る
特に、「あれ?足がかゆい。これって水虫かな?」と思って、とりあえず市販の水虫薬を買う人、要注意です。ツイ廃医療クラスタでは知らない者はいない、4コマ漫画の巨匠こと皮膚科医のデルぽんさんがこんなマンガを描いていますので、まずはご覧あれ。
市販薬といってもなめてはいけません、ちゃんと効くんです。水虫菌を殺すんです。だから問題なんですね。
足の裏の症状の原因が水虫であるかどうかは、実は見た目ではなかなか判断がつきません。そこで皮膚科では、水虫が疑われる患者さんにはまず、足のかゆい部分の皮膚を取って顕微鏡で実際に菌がいるかを確かめます。そうして初めて水虫だ!と自信を持っていえます。
ところが市販薬を使ってしまうと、菌がいなくなってしまうので、病院でいざ検査しようとすると、「菌がいない!」となって、診断がつきにくくなってしまうそうです。
水虫の売薬(薬局で買える薬)を塗りながらくるとね… 表面から菌がいなくなるので、 水虫なのに顕微鏡で検査しても見つからなくなる! つまり、正しい診断が出来なくなるよ!! うーん、困ったね! 正しい薬を選ぶことが難しくなるだけでなく… さいあく、塗るのをやめてからもう一度来る羽目になるぞーー!! なので、初めての皮膚科に水虫でかかるときは 最低でも1週間は、塗るのをやめてから 受診しましょう!!! もうこれ声を大にして伝えたい。水虫で皮膚科に初診でかかるとき薬塗りながら来たらアカン理由 : デルマな日常〜ちょっと皮膚科な話〜
というデルぽんさん。
す、すいません・・・水虫薬売っちゃってる薬剤師の私がここにいますよ・・・耳が痛い。
この件、デルぽんさんにもう少し突っ込んで聞いてみると、ツイッターで回答してくれました。巨匠!ふとっぱら!
その内容をまとめると、こんな感じです。
- 市販薬でカブレて皮膚科にくる患者さんは意外といる
- その場合は、かぶれを治す→菌の検査をする→菌がいれば水虫治療となるので、むしろ手間がかかったりする
- カブレてないけど市販薬では治らないという患者さんも来る
- その場合は、まず10日間ほど市販薬をやめてもらう→菌の検査をする→菌がいれば水虫治療となるので、やっぱり通常より手間がかかったりする
- 水虫相談にのる時は、皮膚科に受診することもおすすめしてほしい
というわけで、ヘタに市販の水虫薬を使うと、患者自身も医師も手間がかかる、医療費もかかるという、しょうもない展開になるわけです。
ですから、それをよくよく知っているドラッグストアの店員は、市販の水虫薬を買おうとする人に、症状や病歴を聞いた上で、やんわりと買うことの再考を促したり、病院への受診をおすすめしたりするわけです。
そういう店員に「なんだこいつ、使えねー」とか思わず、話に耳を貸していただいた上で買うか買わないかの判断いただけると嬉しいと思います。
以下、デルぽんさんのツイートです。
リプありがとうございます!確かに売薬でカブれて皮膚科に来る患者さんは意外といますね。診ればわかるので来たらもちろん治療コースに乗りますが、接触皮膚炎を治す→ 真菌検査をする→ 菌がいれば白癬の治療、というコースになり、何もしないで来るより遠回りになったりします。
— デルぽん@「デルマな日常」 (@deruponpon) 2018年4月20日
売薬を塗りながら「治らないので…」と来るパターンも同じく、まずは10日ほど休薬→ 真菌検査→ 菌がいれば白癬の治療、という感じに余計に回数がかかります。自己診断での水虫は意外と水虫じゃないことがあるということと、皮膚科に受診するなら2週間ほど何も塗らずに(休薬)してから、という→
— デルぽん@「デルマな日常」 (@deruponpon) 2018年4月20日
ポイントを押さえていただければ指導の際に良いのかな〜とおもいます。全例ステロイド指導だと明らかに悪化する人も中にはいるので、難しいところですね。逆にその場合の診断は容易ですが(菌がワンサカいる)。いずれを奨めるにしても、皮膚科への受診をプッシュして頂けると良いのかと\(^o^)/
— デルぽん@「デルマな日常」 (@deruponpon) 2018年4月20日
デルぽんさんのブログはコチラ!ゆるいのにクオリティ高くてビビります。