『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

2018/12/17~12/21の市販薬情報です

年の瀬ですね。大阪のミナミではドラッグストアの出店が増えているというニュースがありました。海外旅行者がターゲットだそうです。

さて、市販薬初の成分フルニソリドの点鼻薬が発売しました。「ロートアルガードクリアノーズ 季節性アレルギー専用」。要指導医薬品なのでネットでは購入できず、ドラッグストアでも薬剤師が安全確認をした上で販売する薬となっています。花粉症シーズンに興味がある方は薬剤師におたずねください。

話は変わりますが、今年4月に札幌駅前にオープンしたサツドラの新業態、ウェルネスサロンbyサツドラに行ってきました。サプリカウンセリング、漢方カウンセリング、血圧測定などの設備。漢方薬は14000円とかなりの高額品が主展開されています。札幌在住でご興味ある方は足を運んでみてください。

ドラッグストア業界でいうと、こうしたフォーマットはマツキヨ、ウェルシアなど各社が取り組んでおり、いずれも横並びの手探り状態です。ただ、サツドラのウェルネスサロンでは漢方薬、それも1万円を超える高額品に力を入れているのに驚きました。店内のポップには陰陽五行や瘀血の説明まであり、チェーンストアとしては珍しいといえるでしょう。漢方に関しては、札幌駅周辺には昔ながらの売薬店が幾つかありました。私が見た2店は古めかしい構えで敷居が高い印象でした。いずれもイスクラ系で一つは人の気配がなく、もう一つは客はそこそこ、店員も若い女性がいました。サツドラが取り込むのもこうした層だと思われますが、東急百貨店に入居したため敷居は低いでしょう。

もう一つポイントとして、恐らくこの店に薬剤師はいないと思われます。いるかもしれませんが、いなくても成立するフォーマットです。調剤はなく、漢方薬は基本2類だからです。つまり、健康相談のショップに薬剤師は必須ではないわけです。未病でこのショップに来る人はロキソニンは求めてないでしょう。これは案外重要な現象だと思います。保険薬局を身近な健康相談所にする取組は昔から業界内で存在しますが、こうした店舗が今後仮に定着すると未病層はそちらへ吸収されます。薬剤師が相談に乗るのは受診中で飲みあわせが問題になる人、妊婦授乳婦などになりますが、そのパイの比率は大きくなく、しかも受診勧奨それ自体は収益に結びつきません。

「薬剤師の方が知識が豊富で的確なアドバイスができる」という意見は一般には正しいでしょう。ただ、サプリや漢方薬に関しては属人的で比較優位にはなりません。最終的には免許制の零販が解禁になる事で、登録販売者と薬剤師のある種の棲み分けも明確になるのでしょう。そのとき、市販薬の在り方は大きく変わるかもしれません。