『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

2019/8/5~8/9までの市販薬情報です

今週はマツキヨが高精製ワセリン「白色ワセリン ワセリンPRO」を9/11に発売することを発表しました。

一般的な白色ワセリンより純度が高く安定性が高いため、皮膚刺激が生じにくいとのこと。成分としては、「白色ワセリンソフト」や「プロペト(プロペトホーム)」などとほぼ同じと思われます。

【第3類医薬品】白色ワセリン ソフト 60g

【第3類医薬品】白色ワセリン ソフト 60g

 
【第3類医薬品】プロペトホーム 100g

【第3類医薬品】プロペトホーム 100g

 

この商品は社内公募メンバーがお客様の声を反映して開発したそうです。既存のプロペトホーム等と何が異なるのか、購入しやすい価格でしょうか。

ヒルメナイド(ヘパリン類似物質)同様、マツキヨはこうしたPBのPRに力を入れていますね。企業の取り組みとしてはおもしろいと思います。

漢方の松浦薬業が8/1に漢方薬の製品回収を発表しており、5日から112品目の回収の受付を始めました。承認とは異なる製造方法だったものの承認規格には適合しているので重篤な健康被害発生のおそれはないとの見解です。今回の対象品目以外の薬も現在調査中で当面市場には出回らない様子です。松浦の漢方は、一部で大正製薬や佐藤製薬の商品の製造も行っていたので、そちらにもやや影響がでているようです。

6日のPMDA安全性情報に「市販薬(OTC薬)乱用・依存の現状と防止に向けた課題」が掲載されました。執筆者は依存分野に詳しい精神科医の松本さんです。

・中心症状は,幻覚・妄想等の中毒性精神病の症状ではなく「やめられない」という依存的使用

・10代の薬物関連障害患者では,市販薬が4割と最も 多くを占める。

といった非常に興味深いデータが示されています。

「10代の市販薬乱用・依存患者は,本来,つらいときには周囲の人に相談しなければならないところをそれができず,薬だけで困難を乗り切ろうとする人たちです」「彼らの薬物摂取行動を強化する報酬は,決して快感ではなく,むしろ「苦痛が一時的に緩和されること」にあります」

と解説されており、とくに2016年と2018年の調査では、2014年調査と比べて、10代の主たる薬物にそれまで多かった危険ドラッグに代わり、市販薬が増えています。

これはわたしの憶測になりますが、2016年からの変化は、2014年6月から始まったネットでの入手しやすさなどが影響しているのではないかと感じます。10代はお金が十分にあるわけではありません。より安く、容易に、合法的に、近隣の知り合い見られることなく市販薬が入手できるのであれば、危険ドラッグよりも便利かもしれません。そしてそれは、市販薬のネット購入で実現できます。ここは松本さんのご見解をうかがいたいところです。

https://www.pmda.go.jp/files/000230877.pdf#page=16