「キンカン ノアール」という薬をご存知でしょうか。こちらです。なんだかかっこいいですね。
これ、実はあの昔からお馴染みの虫さされ薬「キンカン」なんです。薬の成分は一緒で、おしゃれなデザインに変わっています。発売したのは今年3月。そして、斬新な新パッケージ登場の裏では、日の目を見ずに消えた計画がありました。
渋谷PARCOにあるポップアップギャラリー「COMINGSOON」。キンカンノアールは、そこへのポップアップストア出店を予定していました。商品コンセプトである「クール&ラグジュアリー」を体現する空間設計も決まり、関係者はオープンする日を心待ちにしていました。
ところが、予想外の悲劇が起きます。新型コロナの拡大です。感染拡大防止に配慮し、出店は中止せざるを得ませんでした。
せめて、その計画の全貌をみなさんにお届けしたい・・・その気持ちから金冠堂は6月9日、WEBサイト『キンカン 渋谷の夢-KINKAN’s DREAM-』を公開しました。
こちらです。
出店したあかつきには、店頭では黒服のスタッフが出迎え、店内はコンシェルジュによる商品説明と商品の香りを試せるスペースがありました。そして、来店者のために特別に用意された「マ蚊ロン」「ア蚊ワイン」が提供される予定でした。
・・・・すごいですね。
キンカン渋谷の夢サイトは、出店断念となったキンカンノアールの無念そのものです。でも、サイト自体はとても面白いのです。思わず爆笑してしまうくだりもありました。サイト内に書かれた次の一文です。
そういえば、余談ではありますが、 「イベント実施後にはこうなります!」 と少し胡散臭い広告代理店の人が言っていました。ホントかな…?
それはこんなイメージだったそうです。
GOAL IMAGE
「高感度若年層のSNSにも登場する、お洒落な虫さされ薬に。」
「#ポーチの中身 でも頻繁に登場する虫さされ薬に」
「インスタグラマーの自撮りにも出てくる虫さされ薬に」
いやいやい・・・(笑)ならんしょ、無理でしょ、さすがに。
なんと言いますか、キンカンって、お世辞にも”今風”の薬じゃないんですよね。年齢層の高い方には安心感につながるのだとは思いますけど、そこから発展させたいという気持ちがあって、こういう若年層狙いの出店計画を出したと思うんですよね。せっかく練った企画がコロナ騒動で消えて、止むを得ず作ったこのサイトのなにが素敵かって、「キンカンがなりたかったキンカン」みたいな願望を公言していることです。わたしは斬新だな〜と心底思いました。「若者にも支持されたい!!」みたいな狙いをスマートに隠さず、赤裸々に公開して、それが全然嫌味じゃないし、いやらしくないし、爽やかだから、逆に笑いを誘う。いいなあ。何より、企画を見てると、企画者側の楽しむ姿が眼に浮かぶんですよね。
関係者の皆様、お疲れ様でした。ウェブだけでも十分楽しませていただきました。