『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

低価格なのに成分充実。発毛薬「リグロ」が生まれ変わって発売【2020/10/26~10/30のニュース】

大きなニュースがありました。10月28日に厚生労働省が「第12回 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」を開催し、今後の市販薬の方向性が検討されました。業界情報サイト「ドラビズ」から引用します。

規制改革実施計画ではスイッチOTC検討会議について、「評価検討会議の役割は、提案のあった成分のスイッチOTC化を行う上での課題・論点等を整理し、薬事・食品衛生審議会に意見として提示するものであり、スイッチOTC化の可否を決定するものではないことを明確化する」と記載されていた。これに対し、事務局は、「評価検討会議では、要望成分のスイッチOTC化を行う上での課題・論点等を整理し、評価検討会議としての意見をまとめ、薬事・食品衛生審議会に意見として提示することとし、可否の決定は行わないこととする」との対応案を示した。  ほぼ同一の文章であり、実施計画を実践していく意思がみえる。  全会一致をルールとし、医療側の反対意見によって否決を連発、スイッチが停滞してきたスイッチOTC検討会議は姿を変えることになる。

【一変したスイッチOTC検討会議】今後はドラッグストアも参画か

 

非常に大きな転換点だと思います。市販薬の認可だけではなく、医療機関との連携も今後一緒に考えていくようなムードがあります。

 

さて、新商品については、先週24日にロート製薬の「リグロEX5エナジー」が発売されています。

ミノキシジル5%×パントテニールエチルエーテル1%配合!男性用発毛剤「リグロEX5エナジー」 | ロート製薬: 商品情報サイト

リグロはもともと「リグロEX5」の名前で2018年11月に発売されていました。この時はミノキシジル5%で税抜き7000円だったのですが、今回「リグロEX5エナジー」としてリニューアルし、ミノキシジルの他にピリドキシン塩酸塩、トコフェロール酢酸エステル、l-メントールが追加配合されました。さらに価格も税抜き5400円と大幅に下がりました。5000円台のミノキシジル製品は簡素な作りの容器が多いのですが、これは塗布部分がラバーになっているので柔らかなタッチで塗ることができるという容器にもこだわった作りです(リニューアル前もそうでした)。ハイクオリティなのに低価格というかなり優秀な製品になっています。すごいですね。

 

ところで最近こんな興味深い研究がありました。ミノキシジル5%の効果発現は4ヶ月のためアドヒアランスの壁があるが、新しい植物エキスを添加したことで効果発現は1ヶ月に短縮されたというものです。

Efficacy and safety of a novel herbal solution for the treatment of androgenetic alopecia and comparison with 5% minoxidil: A Double-blind, Randomized Controlled Trial study

これはいい研究だなと思いました。日本の市販の発毛薬の目指して欲しい方向性もこれ。効果不明瞭のビタミンによる付加価値競争や値引き合戦よりも、こうしたデータ付きの差別化に挑戦してほしいと思います。薬機法上の困難さはあるにしても、その方がサービスとして有益ではないでしょうか。