『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

風邪は「早く治そう」→「頑張ろう」から新コンセプト「ベンザブロックYASUMO」発売

「ベンザブロックYASUMO」が9/28新発売しました。「風邪を引いたら休もう」というメッセージを含んだ、あまりに正論すぎて逆に新しいコンセプトの風邪薬。イブプロフェンとジフェンヒドラミンを配合した日本唯一のかぜ薬で、カフェイン無配合。名前から想像する通り、どちらかというと眠くなる風邪薬です。パッケージかわいいですね。

https://alinamin-pharma.co.jp/news/2022/09/assets/APC_Press_Release_20220922.pdf

風邪薬が持つメッセージは時代とともに変化しています。昔は、「早めに治そう」というパブロンのCMがありました。それから、新型コロナ感染拡大前には、「風邪でも休めない人へ」というエスタックのCMがありました。24時間戦えますか的な昭和の勢いに満ち満ちたこのキャッチコピーはさすがにコロナ前からいかがなものか?という声もあったようですが、実社会では休めないよね、そうだよね、という私たち市井の人々の素朴な感情を率直に表していたように思います。ところがコロナで公衆衛生の大切さが注目されて、「風邪なら休むべき」というそれまでの建前論が強くなったため、これはないね、と一気に炎上し、メディアから退場することになりました。

「風邪でも、絶対に休めないあなたへ」広告コピーが変更。コロナの影響懸念する署名1万超 | Business Insider Japan

こうした流れの中で出てきたのが「ベンザブロックYASUMO」。ジフェンヒドラミンという抗ヒスタミン成分が入っていることが特徴です。鼻水などを抑えるために配合されているこの成分には鎮静作用という副作用があり、睡眠補助薬のドリエルの主成分であります。ベンザブロックの1回あたりのジフェンヒドラミンの量は、ドリエル1回あたりのちょうど半分(25mg)に相当します。眠くなるようにあえてこの成分を使ったというのが、この風邪薬のミソです。

寝る前に飲む風邪薬としてはいいかもしれません。活動している日中飲むのはお勧めしません。でも、できれば家で休みたいですね。

 

その他のニュース。日本初、医療用成分“イトプリド”(ガナトン)の市販薬「イラクナ」が9/28に発売しました。効能は胃もたれ、腹部膨満感、食欲不振、吐気など。12年ぶりの胃腸薬のスイッチOTCです。要指導医薬品で10錠1000円、1日3回、15歳以上。要指導薬では珍しく小林製薬から発売です。逆流性食道炎で病院で処方されたことのある人もかなり多いと思います。「あ、あの薬だ」と言って購入する人も出てきそうですね。

もう一つ。ポケットティッシュのように携帯に便利な久光の「ポケシップ」シリーズから、フェルビナク成分のフェイタスシップ10枚入りが9/28発売(メーカー出荷)。このポケシップ、商品シリーズが徐々に増えています。