『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

驚安「550円均一」市販薬が登場!【2023/5/22~5/26のニュース】

”100均”ならぬ”550円均一”の薬が登場しました。鎮痛薬や鼻炎薬など、どれを選んでも550円だそうです。

薬局チェーンの日本調剤がプライベートブランドの市販薬「5COINS PHARMA」を発売しました。自社のオンラインストアでは5月25日から、全国の日本調剤では6月1日から発売開始です。

業界初※1の“550円(税込)均一”OTC医薬品シリーズ 日本調剤のプライベートブランド『5COINS PHARMA』が誕生|日本調剤株式会社のプレスリリース

5COINS PHARMAは、鎮痛薬など14のカテゴリーの商品がすべて税込550円です。

なぜ、市販薬のプライベートブランドを開発したのか。”社会的大義”も抜かりありません。日本調剤のPRにはこうあります。

セルフメディケーションの推進にあたり、OTC医薬品が処方薬と比較してそれほど安くない傾向にあることが一つの課題であると考えていました。「価格面でのハードルを下げ、ご自身の健康のために本当に必要なOTC医薬品を選んでいただきたい」という思いから、手頃で分かりやすい値段のOTC医薬品ブランドの開発に着手いたしました。品質と有効成分量にこだわった上で、自社PBだからこそできるお手頃価格、「税込550円均一」を実現しました。

いまの日本では、ともすると、市販薬を購入するよりも、国民皆保険で病院を受診したほうが治療費が安くすむことがあります。その一方で、皆保険による医療費の増大は、国の社会保障費が膨れ上がる一因となっています。社会保障の財源を確保するために会社員の社会保険料は高くなり、厚労省の統計によると、2004年度に23.7%だった会社員の社会保険料率は、2025年度には31.7%になると予想されています。

そこで、もっと市販薬を安く、買いやすくするというのが日本調剤の狙いです。同社の550円作戦は、ドンキホーテもびっくりの驚安です。いくつか見てみましょう。

まずロキソプロフェン。こちらはロキソニンと同じ有効成分の飲み薬です。日本調剤のPB品は12回分で550円。私の周りのドラッグストアでは、ロキソプロフェン「クニヒロ」という名前の同じ成分の薬が、12回分で600円前後で販売されています。日本調剤の薬は、ちょっと安いくらいですね。

続いてアセトアミノフェン30錠(大人15回分)。私の周りのドラッグストアでは、同じ成分の類似商品が15回分760円前後で販売されています。ナショナルブランドのコルゲンコーワAAでは10回分630円前後です。これらと比較すると日本調剤は明確に安いといえます。

ロキプフェンテープ14枚。これはロキソニンテープと同じ有効成分の貼り薬です。ドラッグストアでは、同じ名前の類似商品が14枚入り1300円前後です。日本調剤とは実に倍以上の差があります。

このように、日本調剤のPB品は全体的に安価で、ものによってはびっくりするほどの安値です。ネットではロキソプロフェンが1つ200円程度で売られている場合もありますが、多くの消費者の視界に入る店頭と比較すると明らかに安いといえます。

日本調剤では、今までも比較的安価に、パブロンなどのナショナルブランドの市販薬を販売してきたように個人的には記憶しています。さはさりながら、日本調剤でわざわざパブロンなどを購入する人は、そう多くなかったでしょう。

しかし今回、”550円均一”というわかりやすいメリットがあれば、浸透するまでに時間こそかかれど、徐々にドラッグストアよりも保険薬局に足を運ぶ人は増えるかもしれません。最初のうちは、「安いってことは、ドラッグストアの高額な薬のほうが効果が高いんでしょう?」と思う消費者がほとんどでしょうが、やがて「ドラッグストアで売られているものと、成分は大差ないらしい」という認識も広がるでしょう。

これに対して、既存の市販薬メーカーは、当面、テレビCMによる知名度や、キラキラしたパッケージをアピールし続けることになりそうです。市販薬選びを「見た目重視」にするという従来の傾向は今後も続くでしょう。しかし、それを脅かす可能性のある存在が登場してきたことは、生活者にとっては歓迎すべきことといえます。

550円均一のような価格訴求型市販薬は、セルフケアの新常識になるか。今後の展開に注目です。

 

さて、もう一つニュースです。

小林製薬が”女性特有の悩みを専門家にLINE相談できる”特典付きの「フェミニーナ軟膏」を数量限定で6/7に発売します。過去にはアンファーがミノキシジルとAGA受診を組み合わせた企画や、ミナカラが薬剤師に相談できるQRコード付きのPBを発売しています。フェミニーナ軟膏は、アンケートに答えることが条件だそうです。データを集めるためでしょうか。市販薬を販売して提供するだけではなく、前後も含めてトータルでサポートする。そんなサービスは、少しずつ増えていくのかもしれません。 

女性特有のお悩みについて専門家にLINE相談できる!「フェミニーナ軟膏 アンケート付き企画品」 | ニュースリリース | 小林製薬株式会社