薬局業界では、Amazonが”黒船”として注目されていますが、競合は外資系だけではありません。楽天の新サービスが今週、発表されました。
楽天グループ株式会社(以下「楽天」)が運営する、処方せん医薬品(以下「処方薬」)を薬局で迅速に受け取ることができるアプリ「楽天ヘルスケア ヨヤクスリ」は、このたび新たに処方薬の自宅配送に対応しました。これによりユーザーは、オンラインで服薬指導を受けることで、薬局へ行かずに処方薬を受け取ることができるようになります。
「楽天ヘルスケア ヨヤクスリ」、処方薬の自宅配送に対応 | 楽天グループ株式会社のプレスリリース
先日、Amazonが薬局事業に参入したと話題になりましたが、楽天はもっと深く手をつっこんでいます。
いまのところ、薬の在庫をもったり服薬指導をしたりすることはないアマゾンに対して、楽天は自社で薬の在庫を抱え、楽天に所属する薬剤師が服薬指導をします。そして、なんと薬の送料が無料です。これは現行の他のサービスとの大きな差だと思います。送料無料は、ただの安売りなのか、楽天の物流の力なのかは、いまのところわかりません。
楽天はもともと、楽天本社のある東京の二子玉川に「楽天薬局」を構えて自社で薬局を営んでいました。これとはべつに、今年4月に薬局予約アプリ「楽天ヘルスケア ヨヤクスリ」をリリース。「楽天薬局」は今年12月27日でサービスを終了し、今回の「ヨヤクスリ薬局」に一本化するようです。
https://pharmacy.rakuten.co.jp/
ようするに、楽天としては以前からオンライン薬局をやっていたわけですが、アプリ開発などを通じて、さらに使いやすいサービスを進めているというのが今回のニュースです。患者さんの「薬局に行く」という行為が楽天経済圏に向かう流れは加速するのでしょうか。注目です。