『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

コンビニで売っている薬の正体は?【2024/11/11~11/15のニュース】

今週、複数のメディアが一斉に「コンビニで市販薬が買える」ようになるとを報じました。中身は業界内で以前から検討、周知されていたもので、目新しさはありません。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000384251.html

ただ、これらの報道を見て、

「あれ?以前からコンビニに薬っぽいものが売られていたような・・・」

と思った人がいるのでは。レジの近くの棚に、食べ過ぎ飲み過ぎの胃腸薬のような商品が並べられているのは、コンビニでよく見かける光景です。アレはナニ?

コンビニに置いてある”薬のようなやつ”の正体は、「医薬部外品」です。医薬部外品は医薬品よりも効果がマイルドで副作用のリスクが少ないものです。とくに「指定医薬部外品」と呼ばれるものは、もともとは医薬品だったものが、規制緩和の流れのなかで、医薬品ではなくなったものたちです。整腸剤のビオフェルミンが代表例です(いまはさまざまな種類のビオフェルミンブランド製品があり、医薬品に分類されている製品もあります)。

医薬部外品や指定医薬部外品は、薬の専門家がいなくても販売も購入もできます。化粧品や雑貨のようなものです。だからコンビニでも売れるのです。

「いやいや、うちの近所のコンビニでは痛み止めなどの医薬品も売っている」という人もいるでしょう。たしかに、一部のコンビニでは、薬の専門家を置くことで薬を販売しています。ただ、コンビニはお弁当やお菓子とちがって、薬がたくさん売れる場所ではありません。そのため、わざわざ専門家を常駐することはコストに合わないといえます。ましてや薬剤師を常駐させるとなると人件費が跳ねます。医薬品を売っているコンビニが数少ないのは、このためです。

でも、生活者としては、セブンやローソンで薬が買えたら便利ですよね。そういう流れのなかで、登場したのが冒頭のニュースです。薬剤師がコンビニに常駐しなくても、販売するときに遠隔で介入すれば良いという方法です。

これは画期的なことです。と同時に、いろいろな問題も出てきそうです。これはまた、別のお話。