家庭の薬学

自分に合った市販薬を選びませんか?

日本維新の会「薬局で薬剤師と相談しながら購入し、自分で治していく仕組み」【2025/2/3~2/7のニュース】

市販薬に政治の季節がやってきました。

支持政党というわけではないんのですが、今週、日本維新の会が衆院予算委員会で、市販薬について重要な発言しましたので紹介します。以下、同党のXアカウントからの引用です。

【増え続ける医療費の改革提案① —今、苦しんでいる現役世代のために】

■ #岩谷良平 幹事長 増え続ける医療費について具体的な改革提案をしたいと思います。 ◆OTC類似薬の保険適用除外について 風邪薬や胃薬など、市販薬で購入できるものについては、薬局で薬剤師と相談しながら購入し、自分で治していく仕組みにすることで、保険の適用対象から外すべきではないかと考えています。 例えば、湿布・保湿剤・胃腸薬・解熱剤などを保険適用から除外するだけで、年間約3,500億円の医療費削減につながるという民間調査の結果も出ています。 また、場合によっては、市販薬を購入する方が病院で処方してもらうよりも安く済むこともあり、そうなれば、患者さんの負担軽減にもつながる可能性があります。

■政府の答弁は?🗣️ 政府は、効率化、適正化というのは大変重要。2028年度までに検討を行うべきとして掲げられ、丁寧に検討を進めていく必要があると答弁

おそらく自民党としては、この主張におおむね賛同の立場を取る一方で、支持母体の医師会からは強い反発が予想されます。市販薬で対処されると、受診する人が減るわけですから、病院を経営する開業医にとっては好ましいことではありません。

むかしは「医師会=開業医の集まり」なんていいましたが、会員数から見れば、近年は勤務医の方が多くなっています。直近の勤務医比率は約52%。30年前は40%強だったので、医師会の公表資料によると勤務医比率は上昇していることがわかります。開業医が日本維新の会の案をどう捉えるか、気になるところです。

https://www.med.or.jp/dl-med/kinmu/bukair06.pdf

まあ、じっさいは、開業医か勤務医かという立場のちがい以上に、医師会の中でチカラを持っている(声が大きい)人たちが、この議論をどのように考えるか次第でしょう。

それでも、世間から見れば「医師会の意見=医師界隈の代表意見=医師たちが考えること」です。「既得権益」と言われないような主張を期待したいと思います。