家庭の薬学

自分に合った市販薬を選びませんか?

韓国旅行に「イブ」は持ち込みNG!【2025/4/14~4/18のニュース】

韓国にイブを持ち込めない新ルールがはじまったようです。すべてではありませんが、現時点ではほとんどのイブ製品がアウトです。朝鮮オンライン(朝鮮日報)が報じました。

関税庁は先月、「風邪薬・睡眠薬・ダイエット薬など違法医薬品の韓国持ち込みが急増しているのに伴い、外国で販売されている麻薬類含有医薬品を海外で直接購入したり、携帯品として違法に持ち込んだりする行為を厳重に取り締まる」という方針を発表した

エスエス製薬の解熱鎮痛剤「イブ」韓国持ち込み禁止…韓国関税庁が違法医薬品に指定

https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/04/15/2025041580119.html

記事にある”麻薬類含有医薬品”に、多くのイブシリーズに配合されている「アリルイソプロピルアセチル尿素」という鎮静成分が該当するというのが理由です。

韓国が特別なわけではありません。この成分の流通が禁止されている国は複数あります。日本人の観光客が比較的多いところでは、オーストラリアもイブはNGです。

https://www.jams.tv/news/236165

このブログでも何度も書いていますが、海外ではあまり使われない成分が、日本の市販薬では当たり前のように配合されています。しかし、ここ数年、日本国内でも鎮静成分の存在が問題になり、新製品のなかには配合されていない薬が登場し始めました。

イブシリーズの中では、昨年発売した「イブ スリーショット プレミアム」は、問題となる鎮静成分を含んでいません。

drugstore.hatenablog.com

日本の市販薬に配合されている海外のNG成分は、いくつかあります。たとえばロシアでは、日本の風邪薬に配合されている咳止め成分「リン酸コデイン」が禁止されています(「メチルエフェドリン」「デキストロメトルファン」も該当する可能性あり)。外務省は昨年4月、この成分を含む日本の風邪薬を持ち込んだロシア国籍の船舶員に罰金が科せられたこと注意喚起しました。

3月29日、コルサコフ地区裁判所は、ロシアにおいて流通が禁止されている麻薬・向精神薬成分ジヒドロコデインを含む日本製の風邪・インフルエンザ薬をコルサコフに持ち込んだとし、ロシア国籍乗組員に罰金を科した旨発表しました。 

https://www.anzen.mofa.go.jp/od/ryojiMailDetail.html?keyCd=149128

https://www.sakhalin.ru.emb-japan.go.jp/files/100505637.pdf

こうした薬は、日本国内でも一定の規制がかけられていることがほとんどです。日本国内で制限されている成分は、海外に持ち込まないことが無難です。海外に市販薬を持ち込む場合は、購入時に薬剤師に相談すると良いと思います。