家庭の薬学

自分に合った市販薬を選びませんか?

妊婦と桂皮【2025/5/5~5/9のニュース】

今週、CNNにこんな記事がありました。

シナモン、一部の処方薬と相互作用を起こす可能性 新研究 - CNN.co.jp

シナモンに含まれる「シンナムアルデヒド」という成分が、薬との相互作用を示す可能性があるというもの。もっとも、通常のシナモン摂取は問題とはならず、シナモンサプリなどによる過剰摂取の場合に注意が必要とのことです。

さて、シナモンは、日本では別の名前で広く使われています。漢方薬で用いられる「桂皮(ケイヒ)」です。

今年の『薬学雑誌』に、生薬と妊婦に関する論文が掲載されました。

誌上シンポジウム 「妊娠初期の漢方薬(生薬)服用による妊娠及び胎盤形成への影響」

https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/145/1/145_24-00174-3/_html/-char/ja

妊婦に対して用いることのできる漢方薬はある程度の相場観があります。しかし、ここでは「桂皮」の胎盤形成への影響を調べたという点がおもしろいと思います。

本報の結論はあえてここには書きませんが(情報が独り歩きするのはよくないので)、まだまだこの世にはわからないことがたくさんあるのだなと感じさせる一報でした。

妊娠初期の薬の服用には気をつけるべきことが多々あります。かといって、つらいのを我慢して薬を飲まずにいることも、よいとも言えません。上記のような科学的なデータを積み重ねが大事だと思います。