今週13日、歌舞伎町で14歳の女子がビルの階段から転落死しました。女子は薬の過剰摂取をしていた可能性があると報じられています。
https://news.at-s.com/article/1826552
厚労省研究班が今夏発表した調査によると、今回の転落死した女子と同じ中学生の55人に1人が、市販薬の乱用経験があるそうです。中学生の薬物乱用の調査は過去13回おこなわれてきましたが、従来は覚醒剤やシンナーなどが中心で、市販薬の乱用について調査したのは今年が初です。
https://www.ncnp.go.jp/nimh/yakubutsu/report/pdf/shimane2024.pdf
よもや中学生にまで乱用が広がっているという衝撃的な調査結果です。
市販薬の乱用問題は突如として始まったわけではありません。私が医療系イベントで乱用について話したのがおそらく7〜8年前。当時は若年者でたくさんというわけではありませんでしたが、大人の乱用は昔からすでに実態としてありました。その後、海外で若年者の乱用が社会問題になった成分(製品:メジコン)が日本で市販薬になったあたりから、専門家の間ではこれほんと大丈夫なの?という警戒感が増し、その懸念は的中するのですが、肝心の行政はのらりくらり、業界団体は販売を規制したら利便性がうんたらかんたらといって、大した手を打たないままずるずるきて、直近でようやく制度改正に至ったというわけです。
当時、被害状況を示すエビデンスがないから手を打たなかったわけじゃないですよ。
被害は実態して認識されていたんです。それなのに、ゆっくりゆったり、時間をかけて検討したんですね。
市販薬という産業は、被害が起きてからの修正対応が非常に遅いということが今回の一件ではっきりしました。だから、どんどん被害者がでるわけです。”修正が遅い”ということに対しては、誰も責任は取らないわけです。
これは自己責任というより無責任では。