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ツムラが買収した養命酒はどうなるか【2026/2/23~2/27のニュース】

養命酒が漢方大手のツムラに買収されることが決まりました。買収額が「68億円」と聞いて、最初は激安だなと思ったのですが、IR情報を眺めると、それほどお得なお買い物とも言いきれなさそうだなと思いました。

漢方大手ツムラ、「薬用養命酒」の事業など68億円で買収へ…旧村上ファンド系の関与で実現 : 読売新聞

ツムラの買収額は68億円ですが、これは養命酒酒造という会社の「事業部分」だけがツムラに渡ったことを指します。事業部分だけね。そして、会社として保有していた「非事業」の部分である有価証券のほか、不動産や太陽光発電施設などは、今回TOBを実施したファンド「レノ」を通じて投資会社の「湯沢」に移ります。湯沢はTOBに数百億円を投じ、事業部分は68億円でツムラに譲渡、非事業部分は自社で取得するという形になります。ちなみに湯沢はもともと24%の養命酒株を保有する筆頭株主です。創業家なのかなと思ったら、創業家は随分前に経営から手を引いていたようで、湯沢は村上ファンド関係者の投資会社でした。養命酒は財務体質はよいので、ファンドにとっては魅力的だったのでしょう。

じゃあツムラの手に渡った養命酒の「事業部分」はどうかというと、養命酒酒造の年間売上高は100億円、営業利益率はここ数年下がりに下がって直近でわずか1.3%(!)。つまり1億円くらいしか営業利益がなかったことになります。しかも売上は低迷しており、これはたしかに厳しい。ただ、中身を見ると足元は「くらすわ」という事業が足を引っ張ったようで、養命酒そのものは8000万円の売上で、おそらくですが営業利益率も20%くらいありそう。となると、営業利益で1〜2億円。毎年200〜300億円の営業利益であるツムラからしたら、1%に届くかどうかの小ささです。養命酒は数年前は営業利益でいきなり10億円くらい出していて、この理由はわたしは未確認ですが、一時的な値な気がします。

というわけで、ツムラの68億円というお買い物が安いかというと、個人的には微妙な気がします(わたしはCVC担当ではないのであくまで感覚ですけど)。ツムラパワーでテコ入れすれば改善するかもしれませんが、ツムラの企業規模に見合ったサイズにスケールさせるには相当工夫が必要そう。(それにゆーても、医療用でゴリゴリやってきたツムラがToCマーケティング上手なイメージは全くありませんし、むしろ養命酒のほうが色々頑張ってたけど。わたしは好きでした)。

あとは、ドラッグストアなどの販売チャネルの強化、商品開発センターの活用、事業ポートフォリアの多角化、などツムラの発表が発表する買収の意図は、まあその通りでしょうというかんじです。

「養命酒」というブランドがなくなるわけではないですし、わたしは養命酒のキャラクターや取り組み(工場見学など)が大好きでしたので、ツムラもそうした養命酒のいい意味での軽さを自社の無形アセットに取り込みたかったんじゃないかなとちょっと思ってます。ぜひこれを機に頑張ってToC向け看板事業になってほしいと願ってます。ツムラさん、頼みました!!!