『家庭の薬学』

自分に合った市販薬を選びませんか?

市販薬メーカーの王者・大正製薬に異変が・・・?

風邪薬「パブロン」シリーズでお馴染みの大正製薬が、創業以来初となる早期退職の募集を発表しました。また、医療用医薬品部門の株を売却することも同日、発表されました。

www.nikkei.com

5月14日の日経新聞によると、大正製薬の市販薬と医療用医薬品の売上比率は2:1。同社の医療用医薬品部門の縮小をにおわす内容となっています。

同日発表した大正製薬HDの18年3月期連結決算は堅調だ。売上高は前の期比0.1%増の2800億円。営業利益は、風邪薬「パブロンシリーズ」の販売増や海外大衆薬の貢献で15.7%増の369億円だった。 しかし19年3月期は医療用医薬で薬価改定に伴う大幅な減収を見込む。抗生物質の多用による耐性菌増加を防ぐために、抗生物質の処方を抑える政策も打撃となる。経営陣らの危機感は強い。

大正製薬、富山化学売却で問われる医療用医薬の覚悟 :日本経済新聞

大正製薬は昨年、久しぶりに大型の風邪薬の新商品を投入しています。これがパブロンシリーズの販売増につながったと思われます。

同社は市販薬業界のキング・オブ・キングです。ドラッグストア業界では、タフな交渉相手として知られています。医療用部門の代わりに、他の収益の柱を作るのか、市販薬部門を強化するのか。大正製薬には「エバデールS」という高脂血症に使える市販薬があります。いまは積極的な販売を行ってはいませんが、今後本気でプロモーションをかける可能性があります。日本のセルフメディケーション市場がまた大きく変わる可能性があります。