ドラッグストアとジャーナリズム

自分に合った市販薬を選びませんか?

緊急事態宣言発出。次々と表出する内在問題【2020/4/6~4/10のニュース】

今週は緊急事態宣言が発出しました。私の店は対象地域です。

先週末に、緊急事態宣言が発出されるというムードになってから、今まで来店しなかった方々が増えました。顕著なのは体温計の問い合わせです。欠品を伝えると、「え?!体温計ないの!??」とビックリ。正直、もう数ヶ月前からそんな状態なのですけど、今まであまり関心がなかった方々も、この緊急事態宣言でいよいよ対策の必要に迫られているようです。

以前から消毒薬やマスク、体温計の欠品を知っているお客さんは、状況を理解しているので店員に対してもそれほど強く主張することはありません。しかし、いまこれらの物資を必要に迫られて買おうとする方々は、欠品状態に慣れていませんので、かなり強い態度で店員に不満をぶつけてきます。まるで二ヶ月前の状況がもう一度繰り返されているかのよう。

緊急事態宣言によって、社会の警戒態勢がまだ一段階高く、そして裾野が広がったと感じます。人々の意識が変化したという意味では、緊急事態宣言の効果は確かにあると思います。

せっかくなので、4月9日時点でのドラッグ各社のウェブサイト上のリリースを調べてみました。

 

ウエルシア薬局

一部店舗を除き時短営業をすると4/7に発表。4/6には、新型ウイルスによる電話受診をお考えの方へのアナウンスを出している

マツキヨ

4/1に、マツキヨを謳い「マスクを無料配布致します」「本日マスクが入荷しました」等のフィッシングメールが確認されているとの注意喚起。時短営業は3/4からすでに行なっており、3/31時点で4/30まで延長すると発表。

サンドラ

4/8に品薄・欠品のお詫びアナウンス(リンクがわかりにくい場所)。4/9に一部店舗で時短営業をすると発表。対外的な発表は簡素。3/31に入社式と研修を中止と発表。

ココカラ

4/8にネット通販の遅配のお詫び。8に一部休業と時短営業の発表。9に感染防止の観点から調剤店舗での血液検査を中止と発表。なぜかサイトが重い。

スギ薬局

3/18にポイント景品カタログからマスクなどを外すとアナウンス。それ以降更新なし。2/5に欠品のお詫び。これまた簡素。

サツドラ

3/5から一部店舗で時短・休業をしているが、追加で休業を4/1に発表。なおサツドラは4/7にツイッターで8から消毒液等の「開店時」発売を中止すると発表している。これは素晴らしいアナウンス(アナウンスしてなくても止めてるドラッグは他にあるが)。

コスモス

4/3に「一部店舗の営業時間変更」および「新店オープンチラシ配布自粛」のお知らせ。4月以降に新規オープンする店舗は、多くのお客が「密集」することを避けるためにオープンチラシの配布を自粛する。

ツルハ

4/9にウェブサイトでマスク不足などについて店頭や本部への問い合わせても答えられないとアナウンス。また、一部店舗の休業発表(時短はすでにされているがリリースはなし)。

 

とこんな感じです。ニュースリリースは取り組みの一部ですので、これだけでは評価はできないのですけど、この中で非常に高い評価を得たのはサツドラでした。開店時のマスク販売などをやめることを、SNSで発表したのです。ニュースにもなりました。

マスク・消毒液などを「開店時」に売りません…北海道のドラッグストアの“英断”に称賛の声

北海道のドラッグストアチェーンの「サッポロドラッグストアー(サツドラ)」が、Twitterで「8日からマスクや消毒液などの開店時の販売中止」を告知した。

実際には、サツドラ以外でも朝のマスク販売をやめた店はあるのですが、サツドラはこうしてあえて広く公表したところがとても意義があると思います。ちなみにスギ薬局は10日のリリースで開店時の販売をやめると発表しました。

そのほか、マツキヨではマスクの入荷をうたったフィッシングメールが出回っていると警告しています。こうした便乗詐欺には気をつけたいですね。

 

いずれにしろ、今まで「お客様第一」は小売業界のオキテであり、それは今も正論だとは思うのですけど、いつのまにか頭を使わずになんとなく惰性でやってきた「お客様第一」のための行動が、ここにきて見直された事例だったように思います。

 

さて、そのほかですが、風邪薬のエスタックの広告コピーが不適切であるとの署名が1万超集まったというニュースがありました。「風邪でも、絶対に休めないあなたへ」というコピーです。これ以前から問題視されていた広告なのですけど、今コロナで外出自粛が叫ばれる中で、改めて疑義の声が高まったようです。私も賛成です。

「風邪でも、絶対に休めないあなたへ」広告コピーが変更。コロナの影響懸念する署名1万超 | Business Insider Japan

 

それから人工呼吸器と一緒に使う加湿器を使っている方が、精製水の品不足で困っているというニュースがありました。

精製水は第3類医薬品でも売られています。わたしの記憶では、実は一月下旬にはすでに急速に市販の精製水の需要が上昇。無水エタを薄める情報が世間に出回るよりもかなり前です。コロナ騒動後まず80%エタがなくなり、その後無水エタが売れ始め、そして精製水の需要もさらに爆発。記事では、メーカー側の話として、消費者によるエタノールの不適切な希釈があることを紹介しています。薬の適切な使い方を理解されておられない方がいるようです。

店頭では精製水だけではなく、糖尿病注射の前処理で使う目的でアルコール脱脂綿を必死に探す方も結構います(衛生上本当に必要かどうかは別として)。こうした方々はかなり必死です。混乱が混乱を呼んでます。

「精製水どこにも売ってない」難病の子を持つ母親から悲鳴 品薄の理由は間違った「消毒液の作り方」 - ねとらぼ

 

もともと小売業、市販薬販売が抱える問題が多々ありました。それが、コロナ騒動をきっかけに、一気に表出している印象です。テレワークを始め、世の中は大きな変革を求められています。小売も変わってほしいと思います。